あれがやってくる!
ファンタジーの世界が根こそぎ消えてゆく。
あれとは虚無だ。
絶望むなしさが、
人間の心から希望を奪っていく。
 
「ネバーエンディング・ストーリー」
1984年
ウォルフガング・ペーターゼン監督
(画像お借りしました)
出町座さんの一周年記念上映作品
鑑賞してきました。
 
娘「こんなに号泣するとは思わなかったぁ。。
  まったく泣くつもりがなかったから、
  下まつ毛にもマスカラぬってきちゃった。
  しまった、化粧がはげちゃった。」

 

 

  あらすじ

母を亡くした少年バスチアン。

本が友達。
ある日、いじめっこに追われ
古書店へ逃げこむ。
そこで不思議な本にめぐりあう。

 

 

  感想

 

君がいつも読んでいる本は安全だ。
しかし、この本は違う。
私が高校生のとき鑑賞した今作。
30年以上経っても、
悲しみの沼が印象的です。

 

この世界を救うため
女王に命じられ少年と白馬が旅をする。
砂丘、森、岩山、
ながいながい旅をして
すっかりクタクタに。
気づくと、大切なである馬が
脚をとめていた。
この沼は、
悲しみ・絶望にとりつかれた者が
つかまる沼。
一度つかまると
沈んでいってしまう。
「あっ、アルタクス(馬)!
沈んでいるよ!」
たずなを引っ張り励ます少年アトレーユ。
「お願いだ。元気を出して。
がんばるんだ」
アトレーユの泥だらけの頬がつたう。
白馬が歯を食いしばってふんばる。
しかし・・・
ファンタジーの世界だけでなく、
現実の世界でも同じだなぁ。
心と体が疲れきって、
希望が小さくなり諦めや虚しさがわいてくる。
悲しみの底なし沼
つかまってしまいます。
この沼の奥に住む物知りの
若さアレルギー
くしゃみをする彼の口癖は・・・
気にしない。

 

どうでもいいさ。

 

考えないよ。
あれこれ詮索したり、
未来を心配しない亀は、沼に沈まない存在。
長寿なのです。 
このあたりの描き方が
脳科学的にも哲学的にも理にかなっている。
面白いですねぇ(^^)
 
「友なしで、たった一人で
遥か彼方まで行くことは、無理だ…」
アトレーユの足取りも重く、
ついに沼にゆっくり沈んでいく。
そのとき、白く輝くドラゴンが・・・
 
ファンタージェンには、
果てというものがない。
なぜなら、
子供たちの夢や希望のかけらで出来ているので、
無限につづく世界なのです。
しかし、最近、
異変が起こっている。
子供たちの心に何が起きているんだろうか?!
 
こどもたちが諦めや、
むなしさ、絶望に襲われて、
夢を持てなくなっている。
 
そんな時代。
 
だけど・・・
 
もしも、希望がすっかり奪われて
だとえ砂一粒になったとしても、
あきらめないで。
そのカケラから
また新しい世界をつくることができる。
「お願いごとはいくつまで?」
少年はたずねます。
 
「あなたが、望むだけいくつでも」
 
いくつでもよいと聞いて、
少年のが輝きます。
 
そうなんです。
夢や希望には制限がないんです。
 
普通のおとぎ話は、
望みはたったつ。
せいぜいつまで。
欲張ってはいけないという教訓が
こめられていることが多いですよね(^_-)
でも「ネバーエンディング・ストーリー」は違う。
いくつでも何度でも
本人がめば新しい世界が広がるのです。
失った世界は
新しく作りなおせる。
 
このメッセージは、
鬱病という虚無
脳内を侵食されている娘にとって、
そばにいる私にとっても
胸にしみます。

みるべきときに、みる映画。
 
「今がその時かも・・・ね」
な~んて母娘で話をしました(^ー^)
 
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