温泉を旅していると、色々な卵に出会います。
まずは定番、箱根大涌谷の黒卵。
殻までしっかり黒く、「これはもう炭では?」と思わせる貫禄です。
紙袋から出した瞬間、食べ物というより縁起物。
一つ食べると寿命が七年延びるという話も、ここまで黒いと「まあ、そう言われても信じますよね」と素直な気持ちになります。
味はごく普通のゆで卵なのに、場所と色だけでここまで特別扱いされるのだから、卵も立派な観光資源です。
そして、こちらは福島県にある浄土平レストハウスの燻製卵。
同じ黒系でも方向性がまったく違います。
こちらは「硫黄に染まりました」ではなく、「じっくり燻されました」という大人の黒。
袋を開けた瞬間、ふわっと広がる燻製の香りに、思わず深呼吸。
卵なのに、なぜかお酒が欲しくなる不思議な存在です。
黒卵と燻製卵。
どちらも温泉のそばで生まれ、色は黒いのに性格は正反対。
片や長寿祈願、片や食欲直撃。
同じ卵でも、育つ環境が違えば、こんなにもキャラが立つものなのかと感心します。
そんな小さな驚きも、旅の楽しみ。
次はどんな卵が待っているのか——
温泉の奥深さ、恐るべしです。

