温泉地を歩いていると、不思議と猫に出会うことが多い気がします。
湯けむりの立つ路地や、年季の入った宿の軒先――そんな場所に、まるで最初からそこにいるのが当たり前のような顔で、猫たちは佇んでいます。
宿で大切に飼われているのか、それとも観光客のおこぼれに助けられながら気ままに暮らしているのか。
そのあたりは分かりませんが、共通しているのは、どの猫ものんびりとしていること。
どうやら温泉の効能は、人間だけでなく猫にも効くらしいのです。
まずはこちら。
山形県米沢市、姥湯温泉の近くで出会った猫です。
やわらかな日差しの中、ゆっくりと毛づくろい。時間を急ぐ理由なんて、ここにはありません、とでも言いたげな表情でした。
続いては栃木県・那須の北温泉。
旅館の玄関先で、まるで家主に代わって「いらっしゃいませ」と迎えてくれているようで、思わず会釈をしたくなりました。
そして熊本県・黒川温泉の旅館街で見かけた猫。
紅い紐の首輪をしていたので、きっとどこかのお宅で大切にされているのでしょう。
石畳と湯の町の雰囲気がよく似合う、絵になる猫でした。
温泉は人の心と体をゆるめてくれます。
でも、そこで出会う猫たちは、さらにもう一段、心の力を抜かせてくれる存在なのかもしれません。


