温泉街を歩いていると、「○○館」「○○荘」「○○ホテル」「○○旅館」など、宿の名前が実にさまざまなことに気付きます。
「館と荘って何が違うの?」
「ホテルなのに畳の部屋ばかり?」
そんな疑問を抱いたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、「○○館」「○○荘」「○○ホテル」といった名称に法律上の区別はありません。
宿は歴史やイメージ、地域性などを考えながら、自由に名前を付けることができます。
とはいえ、それぞれには昔からのイメージがあります。
「○○館」は、大きく格式のある建物を連想させる名前です。
「本館」「別館」という言葉にも使われるように、堂々とした雰囲気があり、老舗旅館でよく見かけます。
一方、「○○荘」は、「山荘」や「別荘」のように、静かで落ち着いた雰囲気を感じさせる呼び名です。
比較的小規模で、家庭的な宿に付けられることが多い印象があります。
そして「○○ホテル」。
本来は洋風の宿泊施設を意味する言葉ですが、日本の温泉地では必ずしもそうとは限りません。
玄関で靴を脱ぎ、畳の和室に泊まり、夕食は部屋食……そんな純和風の温泉旅館でも「ホテル」を名乗っていることは珍しくありません。
ほかにも、「○○亭」「○○園」「○○別館」「○○山荘」など、宿の名前には実にさまざまなバリエーションがあります。
「格式を感じてもらいたい」
「昔からの屋号を残したい」
「親しみやすい名前にしたい」
など、それぞれの宿の思いや歴史が名前に込められているのです。
つまり、「○○館だから高級」「○○荘だから小さな宿」「ホテルだから洋室」というわけではありません。
……とはいえ、初めて訪れる温泉地では、つい名前だけで宿の雰囲気を想像してしまいますよね。
次に温泉街を歩くときは、「どうしてこの宿は『館』なんだろう?」「ホテルなのに和風なのはなぜだろう?」と少し気にしてみてください。
宿の名前にも、その土地の歴史や宿の個性が隠れているかもしれません。
