先日、奥塩原の元湯にある秘湯、大出館 へ日帰り入浴に行ってきました。
国道400号線を塩原温泉街の中心街を抜け、南会津方面へ進み、交差点「上塩原」付近にあるバス停「元湯温泉口」あたりで、国道から脇道へ入ります。
そこから先は、高い木々に覆われた暗い山道で、対向車がギリギリすれ違えるような細い山道が続きます。
「この道で正しいのかな?」と少し不安になった頃に、「元湯まで 900m」の看板を見つけて少しホッと。
木々に囲まれた道を、さらにゆっくりと登っていくと、ようやく「元湯」に到着します。
元湯には数軒の旅館が点在していますが、周囲は深い山々に囲まれていて、人里離れた雰囲気。
まさに“秘湯”という言葉がぴったりの場所です。
「元湯」は塩原温泉発祥の地といわれ、その発見は大同元年(西暦806年)と伝えられています。
木に囲まれた風景からは想像ができませんが、最盛期に85軒を数えた湯治場だったそうです。
脇道に入ってから10分くらい進むと、斜面の下に旅館の建物が見えてきました。
「大出館」前の駐車場は宿泊者用のため、日帰り入浴の時は旅館の手前、道の幅が広くなっているスペースに車を停めて、そこから徒歩で坂を下って温泉へ向かいます。
ここまで来ると、少し硫黄臭がするような、空気そのものが温泉地らしく変わってきます。
写真の駐車場は宿泊者用です。
山の斜面に建つ「大出館」は、日本秘湯を守る会の会員宿。
派手さはありませんが、山奥の静けさに溶け込むような佇まいです。
受付のあるロビーで 1,000 円を支払い、館内の階段を二階分ほど下りていくと浴場があります。
この宿で有名なのが「墨の湯」。
浴槽をのぞくと、本当に墨汁のような黒いお湯。
温泉でここまで黒い湯を見る機会はなかなかなく、思わず見入ってしまいます。
しかも、そのすぐ隣には、緑色がかった別の湯船「鹿の湯」。
同じ宿の中で、色の異なる温泉を楽しめるのが実に面白いところです。
さらに露天風呂「岩の湯」では、少し青みを帯びた白濁の湯が楽しめます。
硫黄の香りがふわりと漂い、「温泉に来たなあ」と実感する瞬間です。
露天風呂から見えるのは、新緑に包まれた山々と、下を流れる清流。
湯に浸かりながら眺めていると、時間の流れそのものがゆっくりになっていくようでした。
春は鮮やかな新緑。
秋は山肌を彩る紅葉。
そして晩秋から冬にかけては、雪が舞う雪見風呂も楽しめます。
便利さや豪華さとは少し違う、“山奥の湯治場らしさ” が残る奥塩原の元湯。
黒湯と硫黄泉、そして静かな山の景色を味わえる、まさに奥塩原を代表する秘湯でした。





