温泉地には、こんな話がよく残っています。
『山の中で鹿が傷を癒していた場所を見て、人が温泉に気づいた』とか。
『猟師が湯気の立つ場所を見つけた』とか etc。
昔は自然に湧き出しているお湯を偶然見つけたことから始まった温泉も多かったようです。
川のそばから温かい水が出ていたり、冬でも湯気が立っていたりすれば、「これは何だろう」と思いますよね。
ただ、今はそんな場所ばかりではありません。
新しく温泉をつくる場合はどうするかというと――
まず、掘る場所を決めます。
とはいえ、「ここを掘ってみよう」と適当に決めるわけではありません。
地質の資料を見たり、風土記や伝承、近くの温泉の状況を調べたりして、「このあたりなら温かい地下水がありそうだ」という場所を探します。
温泉がある地域では、地下の水の流れや岩の状態に、ある程度の傾向があるそうです。
例えば、断層が近くにある場所や、地下水が動きやすい地形は候補になりやすいそうです。
周りの温泉がどのくらいの深さから出ているのか、温度はどのくらいなのか、といった記録も参考にしながら、だいたいの見当をつけていきます。
そうして目星をつけた場所で、今度はボーリングという方法で掘ります。
大きな機械で地下をどんどん掘り進めていきます。深さは数百メートル、場所によっては1000メートル近くになることもあります。
でも、掘れば必ず温泉が出るわけでもありません。
ただの地下水だったり、思ったより冷たかったりすることもあるそうです😢
なかなか一筋縄ではいかないようです。
それでも、うまくいけば地下から温かいお湯が出てきます。
そうして新しい温泉が生まれます。
昔は偶然見つかり、今は調べてから掘る。
方法は変わりましたが、どちらも温泉の始まりです。
温泉に入っているとき、ふとそんなことを思うことがあります。
このお湯は、昔の人がたまたま見つけたものなのか。
それとも、誰かが場所を選んで掘り当てたものなのか。
どちらにしても、入っている側としては――
気持ちよければ、それで十分です ♨️


