風呂から上がり、脱衣所で牛乳を飲んでいる人を見かけると、
普段、飲むことなんて滅多にないのに、なぜか飲んでしまう、牛乳。
しかも、特別な牛乳でもないのに、なぜかやたらとうまい。
(AI 作成のイメージ図)
この「風呂上がり牛乳のうまさ」には、きちんと理由があるとのこと。
入浴中にかいた汗で、水分やミネラルは想像以上に失われていて、
牛乳は水分に加え、たんぱく質やカルシウム、ほのかな糖分まで補える飲み物。
体が欲しているものが、ほぼ一度に満たされるのです。
さらに、温まった体に冷たい牛乳という温度差。
この刺激が喉と胃に心地よく、「うまい」という感覚を強めます。
入浴後は心身がリラックスし、味覚も素直な状態。
そこへあの白く冷たい一杯が来るのですから、美味しく感じないはずがありません。
では、そもそも、いつから売られているのか?
この風呂上がり牛乳、最初の舞台は温泉ではなく銭湯でした。
銭湯で牛乳が売られ始めたのは、1920年代から戦後すぐとのこと。
家庭に冷蔵庫がなかった時代、銭湯の冷蔵ケースは冷えた牛乳を飲むのに最適だったそうです。
そして、1950〜60年代、高度経済成長期になると、温泉旅館や日帰り温泉にも冷蔵設備が整い、
温泉でも牛乳が当たり前に売られるようになっていきました。
「風呂に入ったら牛乳を飲む」光景が全国に広がったのは、この頃です。
最初に牛乳を売った銭湯や温泉はどこなのか?
結論として、明確な記録は残っていません。
特定の誰かが始めたというより、
銭湯という生活の場で、いつの間にか文化として定着したと考えられています。
風呂上がりの牛乳は、
身体の理屈と、昭和から続く生活文化、
そして少しのノスタルジーが混ざった一杯。
今日も湯船を出たあと、冷蔵ケースの前で迷ってしまうのは、
きっとごく自然なことなのでしょうね。


