トム・ブライス主演他。生き残れ。記念すべき第10回ハンガー・ゲームの新しい試みとして、プレイヤーの教育係に任命された18歳の若き少年スノー(トム・ブライス)は、貧しい境遇から抜け出す為、優勝を心に決める。だが、彼が担当する事になったのは、第12地区のひ弱な少女ルーシー・グレイ(レイチェル・ゼグラー)だった。そして、彼女の唯一の武器は歌だった―。世界的大ヒットシリーズ最新作は、「ハンガーゲーム」でカットニス(ジェニファー・ローレンス)がプレイヤーとして志願する64年前にして、スノー大統領(ドナルド・サザーランド)がパネムの独裁者として君臨する数十年前。全てはここから始まった!究極のサバイバルアクションを体感せよ!

5/10点!!原作から読んでいて好きなシリーズだけど、本作は原作では描かれていないのでオリジナルなのかな?ダラダラ続けて後半失速していた本編と違い、独立しているお話なので、スッキリしていて良かったです。若き日のスノーは、最初からもうグラグラで中立というよりどっちに転ぶかわからない感じ。人間は生まれた時は善だけど、悪の入り口は広く開かれており、誘惑もとても多い。反対に善はマイノリティといっても過言でないほど、伝える人を選ばないと潰されてしまうくらい小さい灯火だ。環境、思想、経験などにより、その人の善悪バランスが決まってくるが、キャピトルにいるスノーの周囲は悪ばかりなので、彼はあっという間にダークサイドに堕ちてしまう。ゲーム初期の闘技場がめちゃ狭だったのは厳しい~と思いましたが、狭ければ狭いほど、過酷であれば過酷であるほど、人は人でいることが困難になっていく。戦争も世界規模で起こっているけれど、現場にいる人々にとってはそこで起こったことがすべてで、どんどん視野が狭くなり、情報が足りないことで疑心暗鬼になっていく。こういう実験を経て分かった人間心理を悪用する戦争って最悪だなホント。ただ、本作に関して言えば、もう少しあっと驚くような展開があっても良かったと思う。本編と比べてパンチが足りない。主要参加者以外の印象もとても薄い。ルーシー役のレイチェル・ゼグラーが可愛かったので、キャストに興味があれば観てもいいかも。2023年公開。