シアーシャ・ローナン、ポール・メスカル主演他。2065年。ヘン(シアーシャ・ローナン)とジュニア(ポール・メスカル)の夫婦は、ジュニアの家系が代々受け継いできた人里離れた土地で静かに農業を営んでいた。ある日、そこへテランス(アーロン・ピエール)という見知らぬ男が訪れてくる。テランスはジュニアが宇宙への移住要員候補に選ばれたことを告げ、夫婦を驚かせる。テランスの説明では選ばれたのはあくまでジュニアのみで、ジュニアが宇宙に行っている間は、彼の代わりとなる人物をヘンのもとに置くという。この提案をきっかけに、ヘンとジュニアの静かな生活は大きく変化していく。「LION ライオン 25年目のただいま」のガース・デイビス監督最新作。夫婦、個人のアイデンティティの揺らぎを描いた近未来SFドラマ。

5/10点!!愛は盲目的なもので価値観は現実のもの。相反するものなのにこの二つはいつもセットだ。そして悲しきかな、結婚生活も現実なので、愛<価値観が勝っちゃうんですよね。結構ぞっとしたけど、サスペンスでもないし、SF入り口の割に全く2065年を感じさせない設定だし、結局のところ、ディスコミュニケーションの話だし、好きな人は好きだし、抽象的な話が苦手な人は苦手な作品だろうなと感じました。しかも、SFの悪い所→時系列の複雑さ、現実かどうかわからなくなるところだけはガッツリ取り入れてるから、終始、夢なの現実なの?過去なの?現在なの?本物なの?偽物なの?と疑いながら観る羽目になり、疑う事が多すぎるから、途中から疲れて流されるままに観ちゃったところが勿体ないかな。もう少し、強弱と焦点を絞ってくれればこうはならなかったかも。偽物の中に本物の愛を見出してしまったヘンと本物の愛を維持する為に偽物を受け入れることにしたジュニア。価値観は変わっていくものだから、ラストから本物のヘンとジュニアが過ごした分の月日が流れたら再び、同じ悲劇が待っているかも知れない。AIだから取り換えればいい?今のジュニアの考えはそうなんだろうな。でも、そもそもこの二人、二人ともが「私が俺が」で終始、YOUメッセージでしか言葉を発していないから、観ていて気分が良くない。価値観の違いは力技で抑え込んではいけないもの。一見、ジュニアの方が超モラハラ男に見えるけど、ヘンも合わせ鏡かというくらい、互いに投げ続けてるだけだからね。色々な初期設定で疑いに拍車がかかる仕掛けになっていて、中々明かされないので疲れた~。2024年劇場未公開・AmazonPrime作品。