心に残る想い出のシーン5 | スペアリブ屋の料理日記

スペアリブ屋の料理日記

バックリブの伝道師 『モアスタッフ』 のマスターが綴る日々の奮闘記!


《心に残る想い出のシーン 5》

◆地獄の二丁目◆


そんな駅があるとすれば
私はその停車場に降りたって、一ヶ月間も滞在してしまった






その停車場に到着したのは
オープン初日に応援に駆けつけてくれた
モモちゃん が帰ってからすぐに訪れた


モモちゃんが、
自分の店の開店時間に間に合うように帰った時刻だから…

たぶん四時頃だったと記憶している




そして
それが意味していることとは

調理人が私独りになったということなのだ




様々な理由が交錯して
事前に料理人を雇える状態ではなかった現実があった

この苦難は想定内のことではあったが
現実の厳しさ…
それは言葉では今もって表現できない



そして人を育てることの大変さ
身をもって体感するひと月でもあったが
そのことについては後述に譲る






地獄の二丁目に下車した私

そこで待ち受けていたものとは




仕込んである「リブ」が底をついた💦


これは非常に厄介な問題…
というより大問題なのだ!




ここで若干の補足説明をしよう



💡スペアリブの料理ポイント

まずリブという食材の特性を知ることにある

骨がしっかりガードして、その周りの肉に火が通り難いという点である

失敗例をひとつ挙げるとしよう

前日に自慢のBBQソースで生肉の状態で漬け込んでおく
一晩、タップリとタレに寝かせてあるから肉の繊維に自慢の味がしみ込んでいる
それをアウトドアで炭火焼で焼くのだ
缶ビール片手に焼きたてのスペアリブ♬
想像しただけでも生唾ものである…


現実は、スペアリブの骨周りが生焼け
おまけにタレに漬け込んであり、自慢のタレが焦げを誘発してしまう

で哀しい結果となってしまう


ではどうしたら?

豚の角煮みたいに煮込み料理するか

事前に骨に食いついている肉の部分まで火を通しておく下準備がポイント
例えばじっくりと“スモーク”するとか“ボイル”して火を通しておく
それからタレに付け込む


Hot Stuffのリブのレシピを公開するわけにはいかないが、
仕込みにタップリ時間がかかってる


だから仕込んである肉が終了したら
お客様にプレゼンテーションできないのだ


しかしフロアでは
お客様が溢れかえっている

それも半端ない数であり異様な雰囲気なのだ




これにはさすがの私も困った💧

しかし現実に対応しなければならない




開き直った私は

ウェイティングの客数と、残りのリブとの数を照合をした

さばき切れると確信した私は
店自体をいったんクローズする決心をした




至急、施設の館長、プロジェクトの責任者、㈱ナムコの現場責任者にその旨の伝令を飛ばした💨


各セクションの責任者が
壊れたぜんまい仕掛けの人形のように
我が店に飛んできた💨💨💦


私はオーダーを出しながらの状況説明である


素早い協議の結果

店をいったんクローズすることに決定



再開の時間は、二時間後とした


現在のウェイティングをこなすのに30分

実質、一時間半でどれだけの数のリブの仕込みができるのか…

頭の中は電光石火のごとく
グルグルと回転していたが、ただの空回転であった💧

しかし決定したことだから
頭を切り替えて全力で取り掛かることにした
施設にも迷惑はかけれなかった…  









……………
    ……………
         ……………
             ……………

仕込み開始

バックリブの生肉の掃除からだ

当時、ホットスタッフを豊橋でオープンしたとき、
日本国内でバックリブを取り扱っている日本人オーナーシェフは私が先駆者であった

したがって私に教えてくれる人は誰もいなかった

私はWebを通して
アメリカ内のサイトに入り込み勉強した
勿論、文字も動画も英語であり苦労したものだ

掃除したバックリブを軽くボイルする
これは豚肉特有の臭みを抜くためで最終仕上げではない

しかし限られた時間での仕込みには
あまりに火元が少なかった
(この問題点は一週間後に電磁調理器を並べることで解決した)

仕込みができる数には限りがある

再開時間まで残り30分

ウェイティングの予約シートに書き込みが始まっていた
すでに10組以上だった

これは仕込みが追いつかないと判断した

その最初の10組はこなせるが
常に10組のウェイティングがあるとすれば…

私は覚悟した

仕込みをしながらのオーダー出しをすることに…

これは一人の人間がやりきれる工程ではなかった

あまりに無理で無茶苦茶でもあった

でも、やるしかなかったのだ
逃げ場はない

それ以外の事は考えを中断した


テイクアウトコーナーはドリンク以外は中止した










さて!!



お約束の時間がやってきた



たしか19時頃であったと記憶している

ゲートを開けた



津波のように💨

お客様が店内に雪崩れ込んできた瞬間だった!!

        ・・・続く💦