伊賀の文化財 ・・・ 伊賀は文化財の宝庫されど・・・市場寺で感じたこと | 余所モノ社長の伊賀・三重大好き日記

余所モノ社長の伊賀・三重大好き日記

三重県伊賀は青山地区にある青山ガーデンリゾートホテルローザブランカ。このホテル、バブル崩壊で所有者が3回変わり、オペレーターも私で4代目。経営変更により地元とのつながりも切れ、集客に苦戦する日々、でも、でも、と~っても素敵なホテルなんです。


伊賀学検定の勉強のために「伊賀市の文化財」伊賀市教育委員会編 を購入しました。
伊賀市に在る国指定の重要文化財(建物・美術品等)は実に31件、三重県全体で183件なので、市町村別では津・伊勢に次ぐ3番目の数です。
建造物は8件、絵画が2件、仏像18件、書・資料が3件です。戦国時代に天正伊賀の乱で、拠点となった寺社が焼き払われたことを考えると建造物や絵画・書が少ないのは判りますが、仏像が18体というのは如何に地域の人々が大切に守ったのかを感じます。
そこで、伊賀大好きの余所モノ社長は、伊賀の文化財を鑑賞するために、重要文化財 木造阿弥陀如来坐像・木造四天王立像の2件の重要文化財を持つ伊賀市菖蒲池の市場寺に行きました。


市場寺の本堂です。ここに阿弥陀様と四天王が・・・・
でも人気がない・・・・


歌碑があります。
「香に匂へ うに掘る岡の梅の花」 「うに」とは泥炭のことで、芭蕉がこの地を訪ねた時に、泥炭の異臭を消すような、梅の香りと早春の情景を詠ったとか・・・・


境内に梅の木は在りませんでしたが、近くに1本の木で紅梅・白梅の二色の花を咲かせる梅がありました。
ご近所の方をお見かけしたのでお話を聞くと、市場寺は住職が不在で、光明寺のご住職が兼務されていること、本殿の鍵は檀家総代の方が管理されているとのこと。
市場寺は、地域の檀信徒で維持されており、ご本尊の一般公開は事前連絡の上、都合が合えば拝観出来るとのことでした。
写真は無いかと検索しても大変データが少なく、三重県の文化財検索から・・・


木造阿弥陀如来坐像


四天王像なのに、データでは1体のみ・・・・

ご本尊は、戦乱の時代を含み、平安時代から1000年の時を経て守られた地域の信仰の依代です。
一方で、貴重な文化財として、美術品として保護し、また広く公開されても良いのでは?
と考えさせられました。
観光を業としている私ですが、伊賀には「忍者」という世界的なコンテンツもあり、行政も観光振興に力を入れてますが、「忍者」だけでなく、「俳句」「能」の故郷で、歴史と文化、豊かな自然があります。
京都や奈良には多くの寺社があり、観光資源として寺社の宝物展示やまた公立・民間への博物館への貸し出し等により、広く公開するとともに、結果として、博物館・美術館で見た仏像や絵画を見に、本拠地の京都・奈良への観光に繋がってます。
人口が減少し、高齢化のすすむ当地では、観光による地域活性化や国内外の人・消費の誘致の為、伊賀の貴重な文化財の保護と活用、そして、伊賀の歴史ストーリー、伊賀物語を作ることが大切だと思いました。