価格転嫁は悪ではないが、メディアの報じ方次第で悪に映る | ホテルマネジメント技能士 Ma-Sa

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経済発展のために、宿泊産業を盛り上げたい。
宿泊産業について多くの人に知ってもらい関心を持ってもらいたい。

ホテルマネジメント技能士の目から見た「気づき」や「関心」を
ざっくばらんに記していきたいと思います。

こんにちは

ホテルマネジメント技能士のMa-Saです。

 

「不二家「ケーキ食べ放題」気づけば料金が3倍に…。店舗で“実食レポ”した本音」

という見出しで始まるこのネット記事

 

見出しを見た方がどのように感じるかはそれぞれですが、

望楼から、2009年から13回値上げをして、3倍になったと書いています。

 

食べ放題価格が2009年1,180円だったものは2024年3,278円になるとのこと

 

 

全国加重平均の最低賃金でみると、2009年713円が、2023年1004円と、140%増

ドル円相場でみると、2009年90円前後だったものが、2024年150円程度と、167%増

電気ガス水道も単価が上がっていますし、

輸送費のなかで大きなウエイトを占めるガソリン代も、110円前後から170円前後と、150%程度の増

掛かる原価のほぼすべてが上がっている実態の中で、

面白い調査で、ケーキ代の推移もネットに載っており、2015年との比較になるが、348円だったものが478円と137%増

 

 

ましてや飲食店はそもそも、人件費単価が安く、離職も多いなかで人材確保が難しい局面もあり、

これら上回るコストを今までの販売料金で吸収できないのはもちろんのこと、

他産業並みにするには、相当の転嫁が必要、つまり、3倍程度の値上げはやむを得ないと思ってます。

 

 

株価や、不二家の業績を見ても、

価格を上げて、利益が3倍になっているわけではないので相当な苦渋の判断の末と思います。

 

宿泊産業、飲食業は、

BtoCの業種のなかでも、利用者に相当近い位置にいる産業です。

 

だからこそ、こういう記事の見出しや書きだしは不快感がありますし、

我々産業に携わる人だけが、「ユーザーに転嫁せず、自分たちだけで努力しろ」といったニュアンスの記事が増えることで

かえって離職が高まり、入職が減り、さらに価格上昇になる可能性があるということに、

メディアはいい加減気づいてほしいと思います。