『ル・シッド』@あうるすぽっと | みゅうのARTのある暮らし

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私の好きなARTについてワクワクした体験・経験を綴ります♪

前日のレ・ミゼラブルに引き続き、舞台を観てきました。

>>レ・ミゼラブルおけぴ観劇会レポ


ARTストレートプレイ編


7/24(土)12時〜14時25分

『ル・シッド』@あうるすぽっと

に行ってきました。


あうるすぽっと、皆さま行かれたことはおありですか?

300人規模のキレイな劇場ですが、池袋駅からだとそれなりに歩くので、気候によっては少々キツい。

東池袋駅からだと直結なので、楽ですよ!!


ちなみに、私は10年前の『11人いる!』(StudioLife公演)以来のあうるすぽっとでした。

記憶と大分違ったわ…



さて、『ル・シッド』ですが、日本では初演になるそうですが、もともとは、1637年にフランスで初演されて大ヒットし、以来、オペラなどでも人気のある作品です。


11世紀後半に実在したカスティーリャ王国の貴族ロドリーゴ・ディアス・デ・バビール(通称エル・シッド)の伝説を題材として、17世紀にピエール・コルネイユが書いた戯曲で、古典主義に反した悲喜劇として大ヒットし、それを良しと思わない者の間でル・シッド論争が起きています。


悲喜劇とありますが、本来は悲劇で終わるはずが、ル・シッドは、ハッピーエンドに終わることが、当時としては、異色だったようです。


時代的に分かりやすく言うと…シェイクスピアが活躍した時代の四半世紀後、くらいのイメージですね。


ちなみにLE CID、もとのEl Cid

スペイン語は少しかじった程度ですが、もととなったスペイン語の意味は…

Elは、男性、単数の定冠詞で、そのままエルと読みます。

Cidは、アラビア語のSayyid「主人、主君」が起源の言葉で、どちらかというとシッドでもシドでもなく、シッ(ドは殆ど聞こえない)と発音します。


ということで、ル・シッドは、物語の中では王位に準ずる者という意味で使われていました。



ざっくりとしたストーリーは…

舞台は11世紀のカスティーユ。

ドン・ロドリグは恋人のシメーヌの父ドン・ゴメスに家門の名誉を汚され、父ドン・ディエーダの命令で、苦悩の末に恋人の父を決闘で倒す。

シメーヌも父の名誉のため、仇としてロドリグの死をカスティーユ王ドン・フェルナンに求めるが、最終的には恋人と将来を誓い合う。



今回は、女優のみの公演。

出演者のうち8名はタカラジェンヌOG、1名は元劇団四季、1名は劇団新派の女優さん。

皆さん、劇団出身で基礎がしっかりしておられるので、安心して集中して観ることができます。


ジェンヌさんOGは、みみちゃん(舞羽美海)しか現役時代を観たことがないと思ってましたが、帰ってから確認したら旺なつきさん以外は、全員拝見したことがありました…申し訳ない…


元劇団四季は、井上希美さん。

朝ドラ「エール」で藤丸役を演じていらした方というと、ピンとくる方も多いでしょうか?

今回はドン・ゴメスと王女の侍女レオノール役の2役を演じられていました。

さすが劇団四季出身。台詞の聞きやすさはピカイチです☆


ここで、王女の侍女⁇ざっくりストーリーに出てきてないけど⁇と思われた方もいらっしゃるかもしれません。

王女は、ロドリグに恋をしていながら、身分の違いからシメーヌに自身の恋を託しており、ロドリグがル・シッドとなり、自身に相応しい身分となったことで、揺れ動くという役どころです。



それにしても、みみちゃんをはじめ、皆さまかなり長台詞が多くて、すごいですよね。

皆さん、どうやって覚えられているのかしら⁈



今回の公演では、ピアノの即興生演奏が入ります。

演奏されるのはTAKAさん

TAKAさんの即興演奏が目当てで観に行きましたが、すっかり舞台に引き込まれ、視界からTAKAさんが消えました。


TAKAさんのピアノが心地よく、お芝居に静かに寄り添いつつも、時にドラマチックに盛り上げてくれることで、音楽とお芝居が一体となっていたからなのでしょう。



感想としては…

身分によって結婚できる相手に厳密に線引きがされていたり、名誉や誇りが第一という価値観があったりした時代。

それゆえに巻き起こる、色々な人の葛藤。

現代に生きるものとしては、なんと面倒な時代だったのだろう…と思ってしまいました。


全く違う価値観の時代なのに、現代の私たちがそれぞれの感情に対して、共感できたり、理解できたりするのは、人を思う心はいつの時代もきっと変わらないということなのだろう、と感じました。



お芝居が苦手な方でなければ、是非。

と言いたいところですが、緊急事態宣言下で、7/12以降は半数以上埋まっている公演は売り止めがかかっているんですよね。


ですので、私たちはG列でしたが、それより後ろはポツポツ程度(両手で足りる人数)で、空席だらけだったのが、悲しかったです。


早く普通に観られる時がやってきて欲しいものです。



おまけ。

昼食を取る時間がなかったので、帰りにサンシャインシティにある伊豆高原ケニーズハウスカフェで、さくっとミルクソフトを食べて帰りました。


アクリル板ごしの友人が写ってます(汗)


ミルクソフト、黒蜜きなこにしました。

ソフトクリームが牧場で食べるみたいに美味しかったです!!