「退職日までまとめて有給消化したい!」を園は拒否できるのか?
退職日までまとめて有給消化できますか!?
ということで
今日は「時期変更権」がテーマです。
年次有給休暇は、
職員の先生が
「●●日に休みたい!!」
と指定することができます。
で
指定した日を園側は拒否することができません。
これが原則です。
ただ例外があります。
その請求された日に有給を与えることが
園の正常な運営を妨げる場合には
他の日に変更することができます。
この園側が変更できる権利を「時季変更権」といい、
労働基準法39条4項に定められています。
で
このことを職場の理事長先生や園長先生が知っていると
時季変更権(園の正常な運営を盾に)を乱用し、
実質年次有給休暇が取得できな場合もあると聞きます。
ただ
時季変更権を、本当に行使するのは難しいと思います。
園が行使するのは最後の最後の最後の手段と
考えると良いと思います。
最後の最後の最後の手段で
行使する場合でも
以下のような判例がありますので注意が必要です。
(1)代替要員
業務運営に不可欠な者からの請求であっても、
使用者が代替要員確保の配慮をしないまま、
いきなり時季変更権を行使することはできせん
弘前電報電話局事件
最高裁第二小法廷判決昭和62年7月10日
→
その日が駄目ならいつ位なら取得しても良いの?
代替要員を確保する努力をどれくらいしたのか?
本気で代替要員を確保しようとしたか?
(2)人員不足
恒常的な人員不足を理由として、
代替要員確保の配慮を尽くさない場合
西日本ジェイアールバス事件
名古屋高裁金沢支部判決平成10年3月16日
→
先生の数が足りないからシフトに影響がでる!!
をずっ~と理由にするのは×
ちなみに
この時期変更権は
退職日後に行使することができません。
つまり、退職が決まった職員の先生の
退職日までまとめて有給消化します
↑を拒否(時季変更権)することができません。
●引継ぎがしかっりしていなから・・・
●うちにはそういう制度がないから・・・
●シフトが回らないから
とか色々な理由があっても
退職に伴うまとまった上記ケースのような
有給消化を使用者(園側)は、拒否できません。
特に在職期間中に有給を消化させてくれない職場の場合、
この退職時にまとめて消化を請求するケースが
多いです!!
これを「法律」で拒否することは出来ません。
もし、
このブログを読まれている方が職員の先生で
退職に伴う年次有給休暇をまとめて消化したい場合、
園側は拒否(時期変更権の行使)できませんので
法律上は問題なく消化できます。
(決してまとめて消化を
推奨しているわけではありませんが・・・)
もし
このブログを読まれている方が園の運営側だったら
上記をある程度、予防!?することができます。
(時期変更権は使えませんので・・・)
それが先月紹介した
「年次有給休暇の計画的付与
」になります。
園としては、時季変更権ではなく
「年次有給休暇の計画的付与」を
行うことをオススメいたします。