昨年の暮れにJERRY氏から借りていた、椎名誠の「銀座のカラス」を読了した。途中モンハンの発売もあってなかなか手こずったが、土日の深夜を利用して何とか読了まで辿り着いた。
やっぱり上下巻あると読み応えがある。
しかし、物語はふわふわとしていて面白かった。まぁ本の内容は椎名誠の編集者時代の青春ストーリーなのだが、60~70年代の銀座や新橋、そしてトーチャンカーチャンの印刷屋から活版屋など、ボクら世代がギリギリ最後に体験した、アナログ時代の出版業界なんかもリアルに描写されていて、イッキに読み込めた。ボクは90年代からこの業界に入ったのだが、ここまではまだアナログしか世の中に無かったのだ。出版、印刷業界のデジタル化は効率を高めたが、あの時代のゆっくりとした時間の流れは、今思えば古き良き時代だった。
そもそも椎名誠作品との出会いは出版社の人から活字離れしていた時に、読みやすいからと薦められた。そこから読書が好きになるのだが、読み始めた時は椎名誠の「あやしい探検隊」や「東ケト会」に思いっきり影響を受けた。
みんなでキャンプ場や登山に行ってはあちこちで一人用テントを張った。
式根島ではアシタバを拾い、魚屋さんのオババから普通、鍋には入れないトビウオを買ってきて鍋にブチ込んだり、海水が入ってくる温泉を探して、島の外周を全裸で歩き回ったりしていた。
そんな若かりし頃を思い出しながら、深夜に「銀座のカラス」を読み終えた。
銀座のカラス〈上〉 (新潮文庫)/新潮社
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