アベノミクスについて | ほしゅぶろぐ

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純粋に「日本に生まれてよかったなぁ」という幸せな気持ちを、日本人みんなで共有できればいいなと思ってます。
※決して他国を貶めることを主な目的としてる訳ではありません!(ここ重用)

アベノミクスって言葉は聞いたことあるけど
具体的に説明しろと言われるとなかなかできない…っていう大学生は多いと思います。

今日はそういう政治経済に疎い人のためにアベノミクスについて簡単に説明しようと思います。

(※なるべく専門用語の使用は避けます。深く理解してる人が読むとかったるい内容かもしれませんのでご了承ください。)


日本は今まで20年間デフレで苦しんでいました。
この前の記事でも書いた通り、デフレは恐ろしい病です。物価が下がり続け、逆にお金の価値が上がり続けます。みんな「今お金を使って物を買うより貯金しておく方が得だ」と思うので、お金の流れが悪くなります。
景気は悪い、給料カット、頑張っても出世できない、就活で内定貰うのも大変でバイトや派遣しか職のない若者、毎年3万人の自殺者・・・
なんとなく日本全体が暗い雰囲気でしたね。

そしてよく耳にしたのが
日本は借金大国だから破産する」という声。

2000年以降少しずつ回復し始めた日本経済でしたが、
リーマンショック、東日本大震災と立て続けに災難に襲われ、日本経済はホントに死ぬ寸前のところまで来ていた気がします。


ザッとこれまでを振り返るとこんな感じで良いでしょうか。

しかし、何故か去年12月の政権交代を境に一気に円安株高が進み、日本全体が明るい雰囲気になりました。
去年までの民主党政権と今の安倍政権ではいったい何が違うのか。

まず民主党政権について書きます。
彼らは「日本は借金大国だから借金返済のために節約するんだ!税金の無駄遣いはやめるんだ!」と連呼して、とにかく財政を立て直すことにだけ集中していました。
公務員の給料をカットしたり、公共投資を減らしたり、などなど。
そして増税

まぁ分かりやすいですね。
一般家庭に置き換えると、
家のローン返済のために節約して、無駄なものは買わずに、できるだけ家計の収支を黒字にもって行きたい・・・みたいな。


しかし、ここに大きな間違いがありました。
日本という巨大な国家の経済と一般家庭の経済ではその性質が大きく異なるからです。
大きく異なるものなのに、同じもののように捉えて同じような対処をしようとすると失敗するのは当たり前の話です。

例えば、
マクドナルドで働く人の給料はマクドナルドの売り上げから支払われます。
吉野家で働く人の給料は吉野家の売り上げから支払われます。
その売り上げは、お客さんがその商品を買うことによって生まれます。
つまり、誰かがお金を使ったときに始めてが誰かが給料を貰える、ということです。
お金を使う人が少なくなれば、給料を貰える人またはその金額が少なくなります。

で、みなさんは給料を貰ったら全部使いますか?

25万円の給料を貰ったAさんがそれを全部つかってしまった場合、Aさんの手元にお金は残りません。(代わりに買った物や遊んだ思い出が残ると思いますが)
しかし、その25万円は確実にどこかの誰かの給料になります。
例えば、家賃に10万円、食費に5万円、お洋服に10万円、使ったとします。(あり得ない設定ですが)
この場合は、その金額がそのまま受け取った人の収入になります。

でも、実際はほとんどの人が貯金するはずです。

25万円の給料を貰ったAさんが5万円を貯金した場合、その5万円はAさんの銀行の預金残高として残ります。
そして家賃に10万円、食費に5万円、お洋服に5万円、使ったとします。
この場合は、先ほどと比べるとお洋服屋さんの給料が5万円減ります。


ここまで読んでみて、あれ?と思いませんか?


誰かが貯金をしたら、その分だけ誰かの給料が下がるんです。
しかも、巡り巡って最後には自分の給料も下がるのです。


先ほどの例え話をもうちょっと続けると恐ろしいことになります。
最初の例では10万円の給料を貰っていたお洋服屋さんでしたが、Aさんが5万円を貯金したことによってお洋服屋さんの給料は5万円になってしまいました。
そして、お洋服屋さんはその5万円のうち3万円を使って2万円を貯金しました。
すると次に給料を貰う人は3万円しか貰えません。

これが延々と続いて行く訳ですよね。

(さすがにここまで単純な話ではないですが、簡単に言うとこんな感じですw)


で、こういうことが続いていくと国家の経済はどうなってしまうのか。
個人単位で考えると貯金するのが良いことのようにも思えますが、それを国家の政策に当てはめて考えると大変なことになりそうじゃないですか?

誰かが貯金する度に、誰かの給料が減る。この繰り返しで、国民全体の給料の合計は減ります。
つまり国内総生産(=GDP)が減ります。
国内全体の貯金額が増えれば増える程、市場に流れるお金の量が少なくなるので国内全体の所得(=GDP)が減るということです。


そして、銀行に眠っているお金だけがどんどん増えて行く訳ですね。

ここまでは大体理解出来ると思います。
大変なのはここからです。


単純に個人の家計で考えれば、自分の貯金額が多い方が良いことのように思えるし、その方が将来への安心感が大きくなると思います。

しかし、その銀行に眠っているお金を何とかして市場に流さないと、いつまで経っても国民全体の所得が減り続けてしまうんです。

じゃあ貯金を使って車や土地や家を買えばいいじゃないか!!と思うかもしれません。

でも実際はそうはならないのです。
理由は物価が下がり、お金の価値が上がるから。

先ほども書きましたが、消費が減って市場に出回るお金の量が少なくなると、物価が下がりお金の価値が上がります。
その状態が続いている状況では、物を持っているよりお金を持っている方が得なのです。

まぁ1万円以内の安いお買い物だったらそこまで気にならないかもしれませんが、
1億円を持っている人にとっては、1億円の土地を買ってしまうよりも現金1億円を銀行に眠らせておく方が得なのです。
つまり、お金持ちであればあるほど、お金を使いたくないという心理状態に陥ってしまいます。
(これが長引くデフレの正体です)


これがもしインフレ下の場合なら何の問題もないのです。
なぜならインフレ化では物価が上がり、お金の価値が下がるからです。

銀行に沢山お金が眠っているのなら、それを借りて使ってくれる人が現れるから
デフレ下であれば銀行に眠っているお金は、市場に流れることのないお金(=死んだお金)なのですが、インフレになれば色んな企業や消費者が銀行からお金を借りて市場で使うという動きが活発になるので、
誰かが貯金をしても、誰かの給料が減るということにはなりません。貯金されたお金も市場に流れるので、必ず誰かの給料になるということです。
そういうバランスを取るために銀行があって、お金の貸し借りをやりながら上手くお金が世の中に回るようになっています。


ただ、これもインフレ下でのお話です。
今まで日本は20年間デフレだったので、そう上手くは行きませんでした。



普通の損得勘定を持っている人であれば、デフレ下ではお金は借りません。
企業も一般家庭も、自分が損をすると分かっていて借金するほどバカではありません。

こんな状況家で日本国政府はどう対応するべきなのかというのがもの凄く重大な課題なのですが、
その対応が民主党政権安倍政権では真逆なのです。


民主党政権では、「政府も借金をしてはいけない」と言って、ひたすら節約し、公共投資や技術開発の予算を大きく削減。そして消費税率を上げようとしました。

安倍政権では、「景気を回復させるために政府が借金をする」と言って、日銀にお札を刷らせて、公共投資などにお金を使う。景気が回復するまでは消費税率は上げない、ということです。


まぁ民主党政権の政策の是非は現状を見れば誰にでも分かることなのでこの辺にしておいて、
ここでようやくアベノミクスについて書いてみます。

すっごく単純に言うと、
日本銀行に大量の1万円札を刷らせて、その現金で市中銀行から国債(借金の証明みたいなもの)を買わせる。そして、市場に大量のお金が流れて行く。(=金融緩和)
これをやると、円の価値が下がるので円安になります。円の価値が下がるのであれば、円を沢山持ってる人は円を売ってドルやユーロに変えたり、株を買ったりして円を自分の銀行の口座から手放そうとします。
だから選挙前の段階で安倍自民党総裁が「大胆な金融緩和をする」と言っただけであれだけの変化が起こりました。
円安になると、日本国内でこれまでと同じ価格で製品を作っても外国からしたら値段が下がって見えるので、日本製品は売れます。つまり日本の輸出は増えます。輸出関連企業の業績が上がるので、そういった企業の株が買われます。だから円安株高になるのです。

でも、日本銀行が大量にお金を刷っても、それが実際に消費されないというのでは困りますよね。結局動かないお金が増えるだけでは国民の所得は増えませんから。
そこで、政府による公共投資が必要になってきます。
高速道路、新幹線、橋、トンネル、などなど。政府が国民から借金してこういったものを作ります。当然のことですが、こうして公共投資によって作られたものは日本国民全員が共有出来る財産にもなりますし、何よりも新たな雇用が生まれる訳です。そこで給料が支払われ、お金が市場に流れて行く。
デフレ下では自然発生的に需要が増えることはほぼありえないので、こうやって政府が借金をしてまでも人工的に需要を生み出して行くということが必要です。

そして、さらに民間企業の投資を増やす必要があります。
こればっかりは、これからどうなっていくのかは分かりません。しかし、希望の光は見え始めています。
企業が莫大な貯金(内部留保金)を使って、土地を買い、工場を建て、人を雇う。こうやって経営規模を拡大していくことによって、銀行に眠っていたお金国民の所得に変わって行くわけです。もちろん企業の業績が上がれば、給料やボーナスが上がるかもしれません。

そうやって投資が活発に行われるようになれば、新エネルギー開発などの新たな分野もより成長し易くなっていきます。


あくまでこれはアベノミクスが上手く軌道に乗ったら・・・という希望的観測です。
しかし、現状考え得る中では、最善の策だと思います。


政治は人間が行うものなので、理想と現実には大きなギャップがあります。
学問が理想なら、政治は現実です。経済学的な理論では上手く行くことでも、政治で実際にやってみなければ分からないことが多いのです。

今まで日本はデフレだったので
デフレ脱却を目指すのか、借金返済を目指すのか、という二者択一の問題を前にして、前者を選ぶのは真っ当な政治的判断だと思います。
(そもそも日本国政府の借金は差し迫って返済しなければ破産してしまうようなものではないので)


ちなみに後日また書く予定ですが、この政策は基本的には2008年の麻生内閣がやっていた政策を引き継いでいるようなもんなんですよ。
もっと遡ると、80年前に人類史上初のデフレ脱却を成功させた大日本帝国大蔵大臣、高橋是清の政策を真似しているだけなんです。


アベノミクスというと、なんだか安倍さんが従来の常識を破って規格外の政策を始めたのかな?と思う人も多いかもしれませんが、
そうじゃないのです。

歴史上の成功例から謙虚に学ばせて頂く、という保守政治家としての姿勢を貫いているだけなのです。
過去に成功例があるのだから、現代の状況を鑑みながら、謙虚に学んで行けばいいいと思います。





僕は大学の経済学部の講義とかは一度も受けたことがなくて、完全に独学です。
専門的な細かい話になると間違ってる部分もあると思いますので僕の言ってることを鵜呑みにするというのはやめて下さい。

間違ってる部分があれば教えて下さい。
僕ももっと経済について深く学びたいと思っておりますので!
(ちなみに僕は法学部w)