前回記事「関東三十六不動霊場巡礼(その8)第9番札所「高幡山明王院金剛寺」」の続きです。

 

 江戸川区の平井にある天台宗の寺院「最勝寺」を参拝しました。最勝寺のある地域はかつて仕事の担当区域でしたので馴染みがあります。昭和の家屋が立ち並ぶ古い住宅街で、東京23区とは思えない雰囲気が漂っています。高齢化が進んで活気が失われているのでしょうけど、私としては高齢者の方々が穏やかに過ごす街とイメージできるので好きな地域です(引退後の穏やかな祖父母や両親を思い出す)。そして、こうした古い街並みを歩くと時間の流れがゆっくり感じられて良いのです。

 

第19番札所「牛宝山明王院最勝寺」

 

 

 

 最勝寺に祀られる不動明王は、良弁作と伝えられ、通称「目黄不動」と呼ばれ、江戸五色不動の一つに数えられます。江戸五色不動とは、東京都内にある目黒不動、目白不動、目赤不動、目青不動、目黄不動という五つの不動明王のことを言います。江戸幕府三代将軍の徳川家光が天海和尚の助言を元に五つの不動尊を選び、天下太平を祈願したことが始まりという伝説がありますが、諸説入り乱れていて、どうも成立はハッキリしないようです。そして、五色不動のうち最勝寺が「黄色」を担当しているのですけど、台東区三ノ輪にある永久寺も黄不動と呼ばれているらしく、黄不動は2つあるという状況になっていたりします。

 

 平日の昼過ぎの参拝時には、境内に人の気配がなかったため、大きな声で遠慮なく経を唱えさせていただきました。ちゃんと読経できたことで感じ得るものがあり、手応えを感じる参拝となりました。境内の見どころは不動堂ですが、そのほか、無数の観音様と地蔵様から構成される供養塔が大きく目を引きます。

 

 

 参拝の帰り、最勝寺の最寄り駅「平井駅」にある二郎系ラーメン店「らーめん大」に立ち寄りました。二郎系の中ではこの店が一番美味しいと思います。仕事での外回り中、昼休みによくお世話になりましたが、大盛を食べようものなら、午後の仕事ができなくなります。

 それにしても、僧籍を持った自分が、チャーシューと動物油の塊をつっこんだラーメンを食べてもよいものか…などと最近よく思います。食べ物との付き合い方は、今後の課題です。

 

 次回に続きます。