2/13記事「関東三十六不動霊場巡礼(その4)第24番札所飛不動」の続きです。

 

 坐禅累が淵の記事を予定よりも長く書いてしまっていたので、巡礼記事を中々書けないでいました。

 そんなわけで、今回は久しぶりに関東三十六不動霊場巡礼の記事となります。

 

第18番札所「瀧泉寺・目黒不動尊」

 目黒不動尊という名称で知られる瀧泉寺はJR目黒駅から徒歩1kmのところにある天台宗の寺院です。

 今さら説明は不要と思えるほどの有名寺院ですね。目黒区の名称の由来は、「瀧泉寺のご本尊の目が黒かったから」とも言われているほどの歴史と格式のある寺院です。開基は、慈覚大師円仁で、創建は808年という古刹となります。

 

 境内案内図によると、大日如来・阿弥陀如来・観音菩薩・地蔵菩薩・勢至菩薩・愛染明王・不動明王が祀られていることが分かりますが、意志不動尊、水かけ不動尊、前不動尊、護衛不動尊、腰立不動…と、様々なお不動様がおられます。

 関西出身の私でも昔から知っていた「目黒不動尊」。実のところ、「成田山不動尊」などと並ぶ日本三大不動尊の一つとも言われており、祀られている不動明王の種類の多さからは「お不動様のことじゃ他には負けん!!」という気迫を感じます。

 

 こちらは、独鈷の瀧といいます。円仁が投げた独鈷(密教の仏具)が落ちた先から泉が湧き出したことが由来で、以降1000年以上湧出し続けているのだそうです。修行者たちによって身を清める滝行の場として使われてきたとのこと。

 

 本堂となります。本堂は、1615年の江戸大火で焼失し、また、1945年の東京大空襲で焼失し、そして、1978年の不審火でも焼失する…と、何度も火災によって消失していますが、どういうわけか、ご本尊の不動明王だけは、いつも大火災からの脱出に成功しています。前回の飛不動尊は、「空を飛ぶお不動様」でしたが、目黒不動尊は、「大火災に負けない不動様」という個性でしょうか。

 

 こちらが円仁が自ら彫刻したとされるご本尊の不動明王です。秘仏ですが12年に1度開帳されるそうです。過去に三度も大火災からの脱出に成功しているという「すごい実績」を持ち、日本三大不動尊として尊崇を集めるにふさわしいお不動さまと言えそうです。なお、写真については、「関東三十六不動霊場ガイドブック」から許可をいただいてお借りしました。

 

 ご本尊の参拝を終えてお堂を出ると、大日如来の案内立札を見つけたので、案内に従って行ってみます。

 

 今回の参拝における一番の驚きがこちらの大日如来でした。こ、これは…と。見とれてしまう素晴らしいお姿です。高さはなんと385センチもあり、これほど立派な大日如来像はあまり見ることはできません。そして、なんといっても屋外にあることが意外でした。そして銅製で表面ツヤツヤなので、新しい仏像かと思いきや、1683年に作られたものだそうです。古いというのにもまた驚き…。

 

 帰り、御朱印を頂く際、お寺の方と雑談をしたのですが、「目黒不動尊って、全国的に知られているんですけど、実際に参拝をしたことがある方って意外と少ないんですよ」などと言っていました。確かに…少し不便なところに立地しているイメージはあるかもしれません。しかし、やはり日本三大不動尊と言われるだけあって、「一度は参拝すべきお寺」という魅力を持った寺院だと感じました。近くに来られた方には参拝をおススメしたいと思います。

 

 次回に続きます。