【読書】夏川草介「君を守ろうとする猫の話」 | いつもだいたいむかいかぜ

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 走ればだいたい向かい風、止まっていても、逆に行ってもだいたい向かい風。

 そんなオヤジ顔のツーリングだったり、ローカル線だったり、散歩だったり、車に乗ったり、ゲレンデ滑ったり、本を読んだり、映画見に行ったり、

 そんなオヤジの徒然日常備忘録。

 

 名著を読みながらワクワクして寝る間を惜しんで読み明かした読書はいつ以来だろうか。
 「果てしない物語」「十五少年漂流記」「ハリー・ポッターシリーズ」は、中高生時代に読んで記憶に残る名作ばかりだ。
 それが、いつの間にか実務的な本を読むようになって、ベストセラーを追いかけ、いつしか忙しさで読書量自体が減ってしまっている。
 古典名著の冒険譚に、人生の大切なことが詰まっているはずなのだ。

 本を守ろうとする猫の話の新刊では、喘息持ちの女子中学生が図書館で本が無くなっていることに気が付いたことで物語が始まる。
 本こそが人間を誤った道に進ませる原因となっていると、灰色の世界の住人が本を全て焼いてしまおうとする。
 そこへ現れたトラ猫のいざないに、本を取り戻す冒険に足を踏み出す。

 感動したことも、いつしか人は忘れていく。
 人生に大切な人間の知恵はは、いつだってページを開けば載っている。
 そのことを人は忘れてしまうのだ。