へなちょこハイカー〜米子大瀑布スノートレッキング&狩猟活動上田編〜 | いつもだいたいむかいかぜ

いつもだいたいむかいかぜ

 走ればだいたい向かい風、止まっていても、逆に行ってもだいたい向かい風。

 そんなオヤジ顔のツーリングだったり、ローカル線だったり、散歩だったり、車に乗ったり、ゲレンデ滑ったり、本を読んだり、映画見に行ったり、

 そんなオヤジの徒然日常備忘録。

 

 薄い青色に輝く氷の柱が岩壁にいくつも垂れ下がっている。

 立ち並ぶ、巨大氷柱。

 その中でも大きい氷柱が権現滝と不動滝の2つ。

 普段は岩から勇壮に流れ落ちる瀑布だが、凍った姿が見られるのは冬の時期だけ。

 しかも、クルマに乗って駐車場まで行けるのはツアーの許可車両だけ。

 

 見上げる氷の容量に圧倒される。

動機

 もう半年どころか、1年前?(去年5月でした)に、クラウドファンディングで根子岳山荘再生プロジェクトを支援した。

 米子大瀑布に位置する山荘だが、閉業して以来荒廃していたのを再生しようというもの。

 元須坂市民(半年だけ)であり、日本の滝百選制覇の滝好き俺氏が見逃すはずもない。

 いくつかある支援のリターンに選んだのが米子大瀑布の氷瀑ツアーだった。

 

 2月3日土曜日の開催を選び、せっかく土曜に長野に行くならと、金曜土曜に泊まって日曜は滑りに行くことにした。

 宿を探すと、土日を挟むと長野駅周辺は値段が高い。

 隣の上田で探してみたら、値段が安い。

 上田を起点にして、日曜は菅平に滑りに行くとするか。

 

 こんなときに、上田の猟のお手伝いに誘われないかなぁ。

 そんな都合のいいことはないか。

見聞録前日〜2月2日(金)〜

終電で上田へ。勝手知ったる上田駅

 

 今週もなんとか平日を乗り切った俺氏は19時過ぎに逃亡する。

 ボードを担いで帰宅ラッシュに巻き込まれたくないので終電狙いで21時半過ぎに家を出る。

 上野で乗り換えて上田に着いたのは23時半。

 う〜ん、さすがに東京より寒いか。

 駅前通りを少し歩いたところのビジホにチェックイン。

 昭和感溢れる。

 風呂にお湯貼ってる間にコンビニで買ったビール飲んで、1時過ぎに寝た。

見聞録一日目〜2月3日(土)〜

ビジホの部屋から美ヶ原が白い

 

五里ヶ峰トンネルを過ぎたところ。五竜と鹿島槍が白い

 

勝手知ったる長野駅

 

 長野駅集合9時に間に合う新幹線は上田を8時半ちょい前発。

 のんびり7時半に起きてモーニングして、ほとんどの荷物は部屋に置いたまま出かける。

 そういえば直前まで案内がなかったなぁと思って、ふとメールボックスを開いたら、迷惑メールに今回の案内が分類されていた。

 帰りに温泉に寄るから着替えが必要ですって。

 持ってないです。

 昼飯もいるんだ。

 てなわけで、10分ちょいで長野についたらコンビニのおにぎりを買いに行く。

 からの長野駅東口をウロウロしてたら声をかけられてツアーに合流。

 長野駅からは5名の参加者が須坂を目指します。

 

村山橋から若穂太郎と皆神。その奥は雲がかかる

 

こういうツルツルの道は怖い

 

 千曲川を越える村山橋あたり、向かう先の山は雲がかかっている。

 須坂インターを過ぎて山に向かっても雪がない。

 1月に雨が降ったらしいけど、須坂でそれは異常気象だなぁと思う。

 仁礼温泉の下の湯っ蔵んどに10時着で、更に参加者が2人増える。

 そして向かうは米子大瀑布。

 林道の手前でチェーンを履いたハイエースが雪道を進む。

 

MSRのスノーシューでトレッキング

 

それでは行って来ます

 

 林道から駐車場まで10kmちょっと。

 時速30kmほど、ゆっくり進む。

 途中、雪でボコボコしたり、通行止めガードの前にクルマが数台止まっている横を、ツアーの許可車両が進む。

 俺はといえば後部列の真ん中に座って意識が飛んでいた。

 そして11時15分、駐車場に到着。

 アイゼン代わりにスノーシューを装着し、ストックは一本片手に持って歩き始めた。

 

森の中を行く

 

吊り橋の踏むところの間隔が思ったよりも広い。踏み外すと落ちる

 

 米子大瀑布は周回コースだ。

 往路は米子川の谷沿いを歩き、復路は米子鉱山跡から戻る。

 前に入笠山でスノートレッキングした時は、借りたスノーシューが年代物のベルト留めで、むしろ着けたほうが邪魔だった。

 今回のMSRの良いものは、ちゃんとアイゼンとして使えて、急斜面も登れる。

 普通の機能なのに、素直にすごい!

 

米子大瀑布、不動滝と俺

 

 そうこうしているうちに、まず不動滝についた。

 これはまっすぐの氷瀑ではなく、ブロッコリーみたいにいくつもカサが積み重なっている。

 こういうのは何かに似ているなぁと思ったら、鍾乳洞で見るやつだ。

 

米子不動尊奥宮と根子岳山荘

 

奥宮周辺は石碑が多い。これは寺を見守る神さまの社ですとのこと

俺氏「本地垂迹説だ」

 

見上げる不動滝

 

氷柱の間に水が流れている

 

 米子不動尊の奥宮の前に、今回のクラファンで再生した根子岳山荘がある。

 ここには後で来るとして荷物を置いて、不動滝の前まで登る。

 真横から見る不動滝は、見上げれば高い。

 四阿カルデラの外輪山の岩から垂れる水がいくつもの氷瀑を作っている。

 

権現滝は一直線

 

 次に権現滝へ。

 こちらは一直線に氷瀑ができている。

 水が流れている時期に見ると、岩を挟んで二筋の滝が流れていて、それぞれに個性を見いだせないが、冬に凍った姿は個性が際立つ。

 これも滝の見所なのかと、滝巡り20年ほどやっているが、新たな境地にたどり着きそうだ。

 

根子岳山荘の中。とても暖かい

 

テラスからは谷が見下せる

 

 根子岳山荘に戻ると、中はとても暖かい。

 むしろ暑いくらいだ。

 中はカフェになっていて、崖に面したテラスからは谷の見晴らしがいい。

 山荘の奥には使われなくなった風呂もあり、いつかは宿泊許可も取りたいとのこと。

 ここを起点に根子岳、四阿山への登山もいいな。

 泊まれば月夜に浮かぶ米子大瀑布なんてのも見られるんじゃないか。

 

米子鉱山跡に登る。スノーシューを存分に活用する

 

米子大瀑布と氷瀑群と俺

 

見上げれば樹氷

 

あの山の向こうは群馬県の嬬恋パルコールスキー場

 

 帰りは米子鉱山跡へ。

 見上げる空は雲一つなく、青空。

 対面する米子大瀑布は岩に幾条もの氷瀑が続く。

 この氷瀑をトラバースして全部歩くツアーも計画中とのことで、いつかまた来て、見たい景色だ。

 

以上、米子大瀑布でした

 

 以上、米子大瀑布の氷瀑ツアーでした。

 楽しかった!

 

 帰りもハイエースはソロソロと下る。

 ケータイの電波が入ったタイミングで、メッセンジャー通知が。

 

「明日、どなかたカモシカのリリース手伝ってくれる方がいたら、ご連絡ください」

 

 いつもお世話になってる上田で鹿肉扱っている方からのご連絡が!

 まさか、こんなに都合いい展開になるとは。

 もちろん、行きます!

 

 俄然テンション上がって来た。

 メインイベントが終わったのに。

 

 帰りは結局、時間が無くて湯っ蔵んどで温泉タイムが無く、長野駅に戻って16時過ぎ。

 お疲れさまでした!

 解散!!

 

長野駅前のラーメン、俺氏は蕪村派

 

上田のゴールデン酒場でひとり呑み

 

 俺はといえば、腹が減ったので駅前の蕪村でちゃあしゅうそば。

 裾花峡温泉に行こうかと思っていたけど、上田のビジホに戻って風呂にお湯張って風呂読書するかと、MIDORIでリンゴの木、シードルと蕎麦買って上田に戻る。

 上田に戻って17時半、風呂で登美彦さんの新刊を読みつつ、風呂上がって、疲れた寝る。

 20時半、むくりと起き上がって出かけて、別所線の改札にできた美味だれ焼き鳥に入ろうとしたけど満席で、ゴールデン酒場に入って一人飲み。

 

 充実した一日であった。

 明日も楽しみ。

 

本日のコース:米子大瀑布周回

見聞録二日目〜2月4日(日)〜

 お誘いいただいたIさんとは9時に上田駅前で落ち合う予定にて、7時半にのんびり起きて、ビジホモーニング。

 8時45分にチェックアウトついでに、スノーボードを預かってもらう。

 ボードを持ってきて滑らない。

 どうせ長野には再来週行くし、その時に滑ればいいか。

 

 9時前にナップザックだけ持って、お城口交番前に行く。

 あの軽トラかなぁ~と思って近づくと、Iさんだった。

 こんちわっす!3週間ぶりです!!

 (※)3週間前に鹿肉BBQに誘っていただいた(しかも雪でレンタカーでたどり着けずに菅平口までピックアップしてもらってしまう)

 ひとりで週末のヒマつぶしに滑るつもりが、狩猟活動できる自分にとって最高の展開になるとは。

 やっぱり上田、魂のホームタウンは間違いない。

 

上田市内から、烏帽子が白い

 

まずはカモシカリリース

 

 軽トラに乗せてもらって、菅平に向かいがてら、真田町の罠ポイントの見回りにお邪魔する。

 この罠ポイントは去年に罠を仕掛けるお手伝いをした時に回った見覚え場所だ。

 そのうちのひとつ、谷間になっているところに子どものカモシカがかかっていた。

 天然記念物のカモシカくん、狩猟鳥獣ではないので、もちろんリリース。

 ちょいがけ使わず、ロープをかけて固定する方法あるんですね(この方法は長和町のTさんに教えてもらったそうです。Tさんもスゴい人だからなぁ)

 くくり罠のネジを緩めてリリースしたら、全速力で斜面を駆け下って逃げていった。

 

タヌキくん、とても獰猛。すげぇ威嚇してくる

 

メス鹿を軽トラに運ぶ

 

 数日以内に鹿肉を送らなきゃいけないけど、まだその分のシカがかかっていないとのことだったけれども、次の罠ポイントを見に行ったらメス鹿が一頭かかっていた。

 これでクリアとのことで、さっそく脚を縛って運んで軽トラへ。

 ついでにタヌキが一匹かかっていた。

 あとで解体してタヌキ皮をもらえることに。

 やったぜ!

 

 菅平の入口、3週間前に鹿肉BBQをやったところへ。

 鹿の解体は、のちほど菅平レストランのパキスタン人が来て、ハラールのための解体をするというので、シカはその辺に置いておく。

 目隠しをするとずっとおびえているので、特に目隠しをしないと、そのうち落ち着くらしいです。

 

タヌキ解体中の俺氏

 

タヌキ皮ゲット。そのうち鞣す

 

 その間にタヌキの解体をする。

 ひとりで一頭を解体するのは初めての経験だけど、2週間前に千葉県の有害鳥獣捕獲協力隊の活動で鹿の解体をやったのが予習になった。

 両脚をぶら下げて、腹の皮を割いて、脚の付け根から皮を剥ぐ。

 剥いだ後に難しかったのはシッポの部分。

 骨がシッポの先まであって、骨を取るのにシッポの皮を割くのが難しい。

 先端部分のシッポの毛が骨に残ってしまったけれども、まぁいいか。

 タヌキが臭いという話をよく聞くけど、そんなに臭くはなくておいしそうな肉のにおいがした(今回は肉は取らなかったけど)。

 タヌキが臭いというのは、習性のため糞のせいだと思う。

 そんなわけで、タヌキ皮ゲット!

 シッポまであるから、モフモフ毛皮に鞣して、これもカバンの材料にしたい。

 

 タヌキ解体している間に、精肉をしていたIさんの仕事がひと段落して、菅平にパキスタンカレーを食べに行く。

 ここで働いているパキスタン人があとで来て鹿の解体をするそうです。

 菅平にはパキスタン人のコミュニティがあるそうです。

 パインビークゲレンデのパキスタンカレー、本格的で美味しかった。

 

 解体場に戻ると、お一方いらっしゃる。

 スキー教室が終わったとのことで、菅平で銃猟をやられているMさんが合流して、三人でコーヒーを飲みつつパキスタン人を待つ。

 そして14時半過ぎ、クルマが来た音が聞こえて、パキスタン人(名前が分からない)いらっしゃった。

 ほとんど日本語がしゃべれないけど、聞き取りやすい英語。

 普段、全く聞き取れないインド人の英語に比べて、パキスタン人の英語はまだ聞き取れる。

 隣の国なのに、なんでこんなに違うんだろう。

 

 ムスリムが口にできるのはハラールだけ。

 鹿はムスリムも食べるそうで、その解体の仕方にもハラールのやり方があるようで。

 とまぁ、詳細は書かないけれども、血抜きの方法としては最も合理的なやり方だと思ったけれども、今まで見たことが無いやり方だった。

 とても勉強になった。

 さらにイスラムの考えに触れることができて、会話は60%ほどしか分からなかったけど、とても有意義だった。

 特に、去年NASAが発表した12光年先の恒星からの電波の検知について、コーランに「星はノックして音を出す」と書いてあるから、ムスリムはずっと前からそんなことは常識だったと言っていたのが印象的だった。

 コーランには全て書いてあり、その現象の証明を科学が後追いしているのだという。

 

 最後、後片付けして上田駅まで送ってもらって17時。

 今回も誘っていただいて、ありがとうございました。

 また呼んでいただけると嬉しいです!

 

上田駅にて。今回ボードはただの荷物だった

 

 タヌキの毛皮と、今まで存在すらしらなかった鹿バラ肉をお土産にもらって東京に帰る。

 ボードは持ってきたけど、バッグから出しもしない。

 

 家に帰って19時過ぎ。

 型付けしてから、JINSに注文しておいたサウナめがねを受け取りに新宿へ。

 ついでにヨドバシでスノーシューズを買う。

 10年前に買ったソレルのスノーシューズのゴムに亀裂が入って、防水性ゼロになっているのに気が付いた。

 唯一サイズがあったコロンビアのを買う。

 ついでにモンベルに寄ったあと、ムビチケで前売り券を買っておいた大室家を見にバルト9へ。

 

 そんな充実した週末だった。

 来週は2回目の罠猟同行に、また千葉県に行って来ます。

 

以上!