あと一週間で夏休みというある日。
俺は決意した。
チホちゃんに会いに行こうと。
月曜のお昼の時間。
トランプをするわけでも読書をするわけでもないのに誰よりも早く弁当を食べ教室を出た。
目指すは長い長い廊下の突き当たりにある放送室。
お昼の放送を終えて出てくるチホちゃんに一目会いたい。
廊下を走りながら何て話しかけよう、どんな言葉でこの想いを伝えよう、そればかり考えていた。
「ではまた月曜日のこの時間に。
チホでした。」
誰もいない放送室前の廊下でどきどきしながら待っていた。
そして─。
重い防音扉の向こうから午後のオレンジ色の光とともに現れたのは清楚で可憐、肩まで切り揃えた髪からは甘い香りの漂うような、イメージしていたのと寸分違わぬ女の子。
衣替えしたばかりの夏服の白さが眩しくて…
言葉を失い何も言えないまま目の前を通り過ぎていく彼女の胸元の校章が同じ2年生のものであるのを盗み見るのがやっと。
彼女が自分のイメージ通りの女の子だったので恋心はもう爆発寸前。
夏休み前にどうにかチホちゃんに接触したい。
そう思った俺は…
お昼の放送は放送室前の無人ボックスで募集しているのだがそのリクエストカードを送る事に。
リクエストという形でラブレターを送ろう。
放課後、部活前の少しの時間帯に図書室へ行った。
何しろ手紙なんて書いた事もなかった俺がリクエストという形でチホちゃんに読ませて実はラブレターだったというようなテクニックを必要とする手紙を、そして人生を大きく左右するような1通を書こうというのだ。
それは小説を読んだ事もない人間がいきなり芥川賞に挑むくらいの無謀さだった。
まず手紙の文例集みたいなのを探すだけで一苦労。
どこにあるのか皆目見当がつかない。
最初の一歩から挫折した俺は参考になるような本を探すのは諦め、いきなり書き始めた。
「チホさんへ。
お昼の放送、いつも楽しみに聴いています。
リクエストは『BOØWY 』の『ONLY YOU』です。
俺には好きな人がいます。
こないだ放送室の前で初めてその人を見た時に頭の中でこの曲が流れました。
もしもこのリクエストが採用されたらその人に告白したいと思います。」
書いては消し、書いては消して何とか1時間ほど掛かってそこまで書いた時。
「あれー、部活始まってんのに何してんのー?」
あいつの声が聞こえた。
俺の天敵。
女子バスケ部のポニーテール。
慌てて手紙を隠そうとしたけどそいつはコートで見せるような鮮やかなインターセプトで素早く手を伸ばし、奪い取った。
「何これ?」
それが一読したそいつのリアクション。
「何すんだよ!」
恥ずかしさと腹立たしさで真っ赤になって怒る。
ポニーテールのしっぽを掴んでぐいっ。
そいつはワックスの掛かった図書室の床にバタンと倒れた。
ブチッという音がして何本かの髪の毛が手の中に残る。
すべては誰もいない図書室での一瞬の出来事。
腕を押さえ、うずくまっている。
怖くなって置き去りにしたまま、逃げるように走り去った。
夏休み。
ずっと気になってて…
何て謝ればいいか考えたりもしてたけど結局そいつとは一度も会う事ができなかった。
体育館を覗いてみたりしてたんだけど。
それとチホちゃんに書いたリクエストカードはあの日、図書室に置き去りにしたままどこかへ消えてなくなりとうとうリクエストボックスに投函する事ができなかった。
キリが良いのでこのへんで。
『氷室京介!(1/3) 』。
『氷室京介!(2/3) 』。
『氷室京介!(3/3) 』。
『映画を!(1/7) 』。
『映画を!(2/7) 』。
『映画を!(3/7) 』。
『映画を!(4/7) 』。
『映画を!(5/7) 』。
『映画を!(6/7) 』。
『映画を!(7/7) 』。
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