重い扉を開けた 。
マイクの前で喋っているのは間違いない、チホちゃんだ。
だが声が違う。
「…チホちゃん?」
そう…
驚いた事に彼女はチホちゃんではないのだ。
声から作り上げたイメージにぴったりの女の子がたまたま放送委員だったので勝手にチホちゃんだと思い込んでいた。
実はまったくの別人のサリという女の子だったのに。
じゃあ、本当のチホちゃんはというと─。
そう、本当のチホちゃんはさっきまで編集作業をしていたTVモニターの中のあいつ。
「あの、チホならもう─。」
サリちゃんの呟きを跳ね飛ばすように叫ぶ。
「分かってる!
〇〇駅だろ!」
俺は走った。
下駄箱を出て校庭をダッシュし、校門を駆け抜ける。
今頃〇〇駅だって事は一昨日の別れ際、
「昼の時間だし見送りなんか来たくても来れないしさぁ…。」
という一言とともに無理矢理あいつから聞き出し、知っている。
その晩、俺はラブレターを書いていた。
チホちゃんではなくあいつ宛てのラブレター。
自分でもびっくりだったがそこは夜中に書いたもの。
朝読み返してみるととてもじゃないけど寒い。
これを駅まで見送りにいって渡すなんて今時ドラマでもやっていないくらい、…寒い。
学校だし行けないな、自分でも分かっていた。
でも、今…
自転車を盗み、坂道を上り汗だくになって〇〇駅を目指している。
あいつが他でもない恋の相手、DJチホちゃんだと知ったからだろうか?
いや、多分それだけじゃない。
あいつがチホちゃんだった事でやっと自分の気持ちを認めたんだ。
最初からあいつの事が好きだった。
〇〇駅の上りホームにあいつ…
そう、『チホちゃん』がいた。
「チホ!」
家族とともに列車に乗り込もうとしていたチホが振り向く。
「…あ。」
発車の呼びベルが鳴る。
階段を駆け上ってホームを目指す。
本当の発車ベルが鳴る。
チホが列車の窓を開け俺を見ている。
溢れる涙を必死に堪えている。
もう間に合わない。
残された時間はたった一言分。
俺は叫んだ。
「映画!
いつかまた絶対やろうな!」
泣きそうな微笑みを残し、彼女を乗せた列車は旅立っていった。
…ラブレターは渡す事のないまま今も手元に残っている。
あの後、チホとは何度かポケベルでやりとりを重ねた。
彼女抜きで完成させた映画はあまり評判が良くなかった事。
転校したのは父親が商売で不渡りを出し、家族揃って夜逃げしなければならなかったからだという事。
誰にも言わなかったのは自分でも納得がいっていない事を他人に納得させるわけにはいかないという、彼女自身の筋の通った頑固さが理由だった事。
渡せなかったラブレター、と…
あの日…
駅のホームで言えなかった…たった一言─。
途中から事実とはズラした部分ばかりだけどそこに流れていた俺の気持ちはすべて真実…。
『氷室京介!(1/3) 』。
『氷室京介!(2/3) 』。
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