五木寛之氏 今、大切なのは、『励まし』でなく『慰め』 | 『唯唯普通に生きる』

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『感情』を超えていきたい人の戯言です。


人間の心の傷を癒す言葉は二つあり、
『励まし』と『慰め』だが、

まだ立ち上がれる余力と気力が
ある時の
『励まし』は、
再び強く立ち上がれるが、

『もう立ち上がれない』
『自分はもうダメだ』
と覚悟してしまった人間には、

励ましの言葉など、
『上滑り』していく、

とおっしゃっています。


『頑張れ』と言われば言われる程、
辛くなる状況もあり、
そういった場面で大事な事は、

『励まし』でなく『慰め』であり、
慈悲の『悲』という言葉、

であるとも、おっしゃっています。

『黙って一緒に涙を流す』

事によって、『その人の心の重荷』
を、

『少しでも自分の
ほうに引き受けよう』とする、

そういう態度を『同治』といい、

いつまでもくよくよしてないで、
気持ちを立て直して頑張ろう、

さぁ、元気をだそう! 

という『励まし』
から立ち直らせるのを、

『対治』というそうです。

『対治』は、

悪を否定する、病気を否定する、
不自由を悪と考え、それを叩きつぶし
切除する事で、善を回復しようとする、

そういう『対立と攻撃』の思想が
ヨーロッパ近代文明の一面であるが、

『老い』『死』を否定できるでしょうか?

それは出来ません。

とことん打ちひしがれた人々を
救うのは、肯定の思想である
『同治』なのではないか?

今大切なのは、『励まし』でなく
『慰め』であり、『悲』なのだと
強く感じるのです、と、
五木寛之氏が、おっしゃっている。

今の自分には、
心が救われるお言葉だ。