働き方改革による精神的肉体的障害の急増。本当は何の病気なのか?日本が忘れた”KAIZEN” | 情熱山脈(passion mountains)のブログ

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2019年より”働き方改革”が導入された日本。

 

 皆様のお仕事ではいかがでしょうか?

 

あくまでも従業員を雇っている組織での話で個人事業主は当てはまらないのですが。

 

 

 先日のクローズアップ現代では...

残業時間が抑制されているなかで精神障害を起こして休職に至ったり自殺に至る例が増えているという内容の報道がされました。

 

 

簡単に申し上げますと

  1. 労働時間の圧縮・・・労働基本法36条に規定されている協定に基づいて時間外労働や労働の評価を改革。

    具体的には、いままでサービス残業、ユニフォームに着替える時間は労働外などが当たり前にされてきたものをきちんと評価するという形に変わってきました。
     企業によっては、生体認証などを取り入れて作業中も出社状態でないと作業ができないシステムなどを導入したところもあります。

     
  2. 業務量の不変。
    これは労働時間圧縮だから業務が減って当然...なんて発想はないのであって、企業によってどう対応したのかはそれぞれでしょう。
     

さて、ここで今日のテーマ労働者が体調を崩してしまう...これが激増しているのはなぜか?です。

 

 労働時間を短縮して今までのやり方で作業をしていても当然業務は回らなくなるわけです。これは明快です。

 

 しかしながら企業に勤めている方はどうでしょう?

”今日から残業は1分単位、着替えの時間も業務とみなす、昼の休憩は必ず取ること。”という1通のメールが流れただけで終わったところが多いのではないかと...

 無責任すぎる!と思われる方も多いでしょうが、それには理由が2つあります。

  1. 業務のセクショナリズム化・・・特に大きな企業ではもともと業務分担が細かく定められていたのに加え、越権ができないような構造になってきたのです。
     要はコンプライアンスの名のもとで各従業員の行う作業の範囲が定められて、自分の担当業務以外の問題は見えても手を出してはいけない...的な。

     
  2. 2つ目の理由は以下に解説します。

 

 企業でマネージメントをとる人材...この人たちの年齢はおそらく40代が多いでしょう。

 ということは、1980年代に生まれた人たちです。

 

その時代を振り返るとそれまでの時代の血がにじむ努力が実って日本が元気になった時代だったはず。

 

 それではそれ以前の1950年代~1970年代って...

その時代に生きていた人でないとわからないと思いますが、日本は世界に誇れる
 ”KAIZEN(改善)”

という文化をもっていました。

 

 アメリカ人には”チープカー(安物車)”とバカにされた日本車のメーカーがいかに”KAIZEN”という手法を使って安くて高品質のものを作るか...そのような文化が当たり前でした。ともかく効率化することが善でそれが出来ないと生き残れない企業文化が中心でした。

 たとえば、製造業の工程がA→B→AだったのをAA→Bという工程に変えることでAとBの間に生じる工程の組み換えの時間を節約するなど。

 

 しかしながら、1980年代に入ると日本の文化が成熟してしまい...でそういう文化を学ばず社会人になってしまった人が大半を占めています。そうなんです。”KAIZEN”なんか不要な時代。

 よって、今回の”働き方改革” 今までの結果(業務量)を時間を短縮して成し遂げるために何をしたらよいかを指示できなかったのです。
 おそらく”効率よく作業をしなくては回らない”という頭はあってもその手法というものを学ばず社会人を歩んできた人間、特にマネージャーになってしまうと具体的にどうしたらよいかが浮かばない。

 

 よって、労働者は求められている結果は出せず...結局は隠れ残業をしたり36協定はあったも45時間越えも”特例条項”で逃げたり、残業時間が多い(法定時間外労働)を越える社員をナルティーで配置転換したりすることしか策が出てきませんでした。

 

 そんななかで、過労死、過労のための休職が大変増えてしまっています。

 そうして人が抜けた職場では残った人がさらに苦しくなり新たな自殺、うつ病、適応障害などで人が抜けていく。

 そんな悪のスパイラルに陥っているのです。

 

 さて、現在、うつ病は風邪症候群と同じような軽さで診断名がつきます。そのための休職期間も当然アバウトで。そりゃそうですよ。風邪症候群だったら何日くらいで治るという見込みがつきますが、うつ病なんて...下手したら一生もんです。自己申告疾患のため患者の申告のみが病名としてついてしまう。


 治療としてはうつ病そのものの治療ではなく随伴症状の治療を行ってそれが改善したら職場復帰でしょうか。
 随伴症状としては、睡眠障害、食欲低下などの症状。精神的な苦痛は休職すれば一時的に働いていた時の苦痛から解放されるものの、今後の復職、いや転職という不安要素が新たに発生します。

 よってそれらから逃れるためには最悪の場合自死を選択してしまう。

 

 私も体調を崩して休職したことがありますが、休職中は”仕事のことは忘れて休んでください”ですが...それはそれで"孤独との闘いが始まる”

 復職となると、やはりうつ病などで休職した人間に対する周りのコミュニケーションは大変難しいのが現状です。

 

 最後に働き方改革を成功させる秘訣としては...


”KAIZEN”

 

しかありません。

 

”KAIZEN"については次のブログで解説します。