スキー産業ってどっちへ行ったらいいのかしら??ガンバレ!スキー場!! | 情熱山脈(passion mountains)のブログ

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ともかく山が好き...春~秋はトレッキングを...冬~春はバックカントリースキーを通して雪山の魅力を...

スキーにとって1970年代から約半世紀の中で起こった出来事...

  1. スキーバブルの崩壊・・・1970年代から日本が豊かになり、特に大学生はそれまでのイデオロギー的な活動に参加するのから学生生活を満喫する方向に変わっていきました。
     そこで、スキーは長い冬休みの間のイベントとして広がって行ったのです。

    巷では”私をスキーに連れてって”が火付け役みたいに言われていますが、それ以前からブームは盛り上がっていました。”わたスキ”はそれに油を注いだようなもんでスキーブームは盛り上がりました...が...バブルの崩壊とともに、スキーブームはしぼんでいきました。
     
  2. スノーボードの誕生
    スキーブームの凋落(ちょうらく)と同時期にスノーボードという遊びが流行り始めました。もともとは、アメリカのヒッピーがスケートボードの車輪を外して、冬に雪の上で滑ったのが元祖だとか...そんなわけで、はじめはスキー場からは嫌われてスノーボード禁のところが殆どでしたし、スキー95%に対しスノーボード5%みたいな、モノ好きな人の遊びだったんですが、ファッション性がスキーにくらべダントツに若者を惹きつけ、スキーの凋落に反比例して拡がり、スキー場も受け容れざるを得なくなりました。
     
  3. カービングスキーの登場
    2のスノーボードがそのきつい再度カーブを効かせてかっこよいカービングターンを披露するのに合わせて、スキーもおしゃもじスキーが誕生しました。
     以前に比べると板の長さが短くて取り扱いしやすく、容易にカービングターンが出来る。
それでスノースポーツは隆盛を取り戻したか?というと、どんどん実施人口が下がって行ったのです。その原因を考えてみると...
  1. スノースポーツはお金がかかるし、面倒(スキー場への移動、用具の用意など)
  2. 若者が車を持たなくなった。免許を取らなくなった。
     

など、他にもあるでしょうが、不景気などというのは、これだけ長い間デフレが続いていたのですから一概にスノースポーツ不振の原因とも言えないでしょう。

スノースポーツについては、

 

にデータもありますが、ここ数年のコロナの影響から脱して、今シーズンはスキー場来場者が600万人くらいでしょうか。

 その中で最大の競技団体であるSAJ(日本スキー連盟)の会員数が8万人くらい(2020年ごろ)まあ70人に一人(その中には級別テスト受かって合格証もらうために意に添わず?自動入会させられてる人もいる。そういう決まりなんだから文句言ってはいけない)で競技スキーをやる人口が1万人(アルペン、フリースタイル、ノルディックなどの合計)まあ、600人に一人ですからね...いずれにしても少数派です。

 スキーのイニシアチブをとれるのはどこにも無いということでしょうか?

 

であれば、楽しみ方は各スキーヤー、ボーダーが自分で見つけていくしかないのでしょう。

 

 SAJは、競技本部と教育本部に分かれていて、アルペンスキーと基礎スキーの部門に分かれていたのですが、前述のカービングスキーの出現もあってか、基礎スキー...つまりはゲレンデスキーにまで競技スキーの技術が勢力を伸ばしてきて、エッジギンギンのカービングターンが最終到達目標みたいな感じになってきました。
 ここ数日行われた技術選(いわゆるスキーコーチの上手い人を決める大会)をみても、アルペン競技とどこが違うのみたいな...違うのはコブ競技があることぐらいか?という状況になっています。

 

 ここで、気づかなくてはいけないのが、その競技会はコースロープで仕切られたバーンで一般スキーヤーが入れない貸し切りバーンで行われているということ。当たり前ですよ。
 大会だもの...

 

しかし、そのスピードにあふれたカービングターンを一般ゲレンデでやったら...

 

結果は見えてまして...衝突事故起きます!

ゲレンデは危険ゾーンと化すわけです。
SAJもそれはまずい、というわけで検定に”横滑り”なんて種目を入れたりしましたが...

 

 

かつて自分が1級をとった時...検定バーンは貸し切りではありませんでした。一般スキーヤーも当然入り込む中で滑って点数を出しました。
 検定員に、

”一般スキーヤーが邪魔で自分の滑りが出来なかったら?”と聞くと”そのような状況でもきちんと滑れるのが1級です”と返されました。
 

今、検定会場...必ず”検定中”のビブとコースロープでの仕切りがありますね...1級でも2級でも...

 

でも、一般ゲレンデは...いろいろな技術の人が滑っているし、コースに座り込んでいるボーダーもいる。そこに突っ込んだら突っ込んだ方の負け!
 でも、それが現実ですし、今シーズンはインバウンドがかなり帰ってきて、マナーを知らずして滑っている人が増えてるのも事実です。ほんと、スノーボードの板流しは勘弁してほしいですが、リューシュコードについて知らないボーダーも多いのが現状です。

 

この動画では実際に流れた板が下にいる人に突っ込んで当たっています。

 

そして、前述のカービングターン...

 

狭い、斜面の切り替わりで人が多数のところにカービングターンでいきなり前に割り込まれる。当人は自分は上手いから上の人に迷惑を掛けていないと思っていても、自分はかなり不愉快です。さらに、そこに突っ込んでしまったら自分は上だから悪いのでしょうか...です...

 

 この動画を見てください...なんのことはない、スノーボードの上級者4人がトレーンという電車が連なって走るのと同じような滑走をしているのですが...

 

これ、スキーヤーもやってますよね。レーサーかレーサー気取りか知りませんが、数名でタンデム滑走してる。一般スキーヤーをまるで人間ポールの如く巻いて滑っている...でもね...

 

これは、どちらが悪いでしょうか?単純に上から滑ってきた人間が悪い...それで片付くのか?自分は上級者だ止まれなかったお前が悪い?

 

 さて、いかがでしょうか?
昔は”スキージャーナル”という、SAJの情報発信のツールが月刊誌として発売されてましたし、雑誌が今よりも売れていましたが、このインターネット時代というかスマホ時代...情報は以前のように狭き分野から幅広くなっています。バックカントリースキーなどもスキージャーナルの束縛?から解放されたからこそ楽しむ人口が増えたともいえるのではないでしょうか。

 

 逆にスキーがSAJを頂点に1級→5級のランキングで理解できた時代は当の昔に終わって、なにが正しいのか、いや、正しいとか間違いといった価値観は馴染まない世界になってきたように感じます。

 

 実際、オリンピック放送でも、昔ながらのアルペンスキーは放送があるのかないのか(北京五輪ではCSの深夜に細々と放送されてました)というのに比べ、フリースタイル(モーグル、エアー)などはゴールデンタイムに...そりゃそうですよ、愛国心などをそんなに教育してない日本でもやっぱり自分の国の選手が活躍している競技の放送の方が視聴率取れてテレビ局は儲かりますからね。五輪はもう完全に商業主義になっていて...そうそう東京五輪も終わってみると悪代官と越後屋がどんどんあぶりだされて逮捕されて...

 

 実際ゲレンデを滑ってても、アルペンレーサーよりもモーグラー(コブを楽しむ)人の方が断然多い。20年前のスキーを知っている人にはコブ専用ゲレンデなんて想像できなかったでしょう。コブは自然にできるもので、ましてや、人工的に作るなんて。

 

 そろそろ結論を...

 

スキー産業の頂点は?

 スキー場です

これがなければ何も始まらない...最近のブログで広大な雪山の中に猫の額ほどのスキー場と書きましたが、それじゃ、スキー場無くてもいいね!そうじゃありません。
 スキーの用具メーカーがあってスキー場というものが無い...これはスキー=バックカントリースキーとなりますが、現実的ではない。逆にスキー場があってスキー用具メーカーが無いというのもあり得ない...のです。
 

それではスキー場はどんな提案を?

なんですが、ここで、最初に戻って”私をスキーに連れてって”を思い出しましょう。
そこで、描かれているスキーの楽しみ。単に滑ることばかりでなく、夜の宴会、往復の道中、スキー場のイベントなど...

 

今は、既存のスキー場の施設(リフト、レストラン、ホテルなど)をどう利用して楽しむかは各個人に任されています...それはそれで良いことですが...単発でなく長期に亘ってスノースポーツの振興を考えていく必要があるのだと思います。

 

ガンバレスキー場!!

 

春UV対策と共に首を怪我から守るためにも

 

以前、春になるとヘルメットをかぶらなくなる人が多いので山用メットをお勧めしましたが

 

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