曹洞宗に「 こじきゅうめい 」を【 故事究明 】と説明している僧侶が

いるようです。
   温故知新もありますから、四文字熟語で【 故事究明 】も 

   「 昔からあった事柄を究明すること」でも意味は通じますね。

しかし、禅宗で言う「 こじきゅうめい 」は『 己事究明 』です。
己事究明=己の事を究明することです。
自分で自分自身を究明することです。
   ( なぜ、自分で自分自身を究明しなくはならないか、

     の理由は「禅友に贈る書」にあります )

禅修行は
   「 他を探し求めることではなく、自分自身の探求で、自らが決着を

    つけることで、誰からも助けられることのない道です 」

師は、修行者が『 己事究明 』で間違った方向に行かないように見ている

だけです。
師は、修行者を助けることは出来ません。
禅修行はどこまでも徹底的に『 己事究明 』です。

禅の指導者としている人の中に【 師の信じろ。師の言う通りに行じなさい 】と

公言している者がいます。
禅の指導者としてはよろしくありません。
信じる対象も、言う通りにする行も、認めることが出来ないからです。

禅修行はどこまでも徹底的に『 己事究明 』です。
非常に大切なことです。
憶えておいて下さい。