下手を前提にしてますから。

はずかしいことではないんです。

下手だなぞいってはいけませんね。

誰もが下手なままではいたくないのですから。

拙(つたな)さの理由を手探りして明らかにする。

せっかくのチャンスを無駄にし、

思考を停止させてしまいます。

かといって、

はい、へたです、それがなにか。

と開き直られても困るのですが。

 

脚元へのパスなど上手く扱えないと考えていますでしょ。

そもそもが。

ですから人のいないところへならミスかどうかわからないですから

「人のいないところに出すからね」

とでもいっておく。

そうしてみては。

 

ミスはかれらとてしたくない。

だったらミスかどうかわからないっていうのもあっていい。

かれらだってパスの精度にはこだわっているのです。

頭の中では。

 

けれど、

巧拙の見極めかたについて、

判断すべき基準をもっていないんですね。

だから、

精度をもとめても、

パスをもらう側の状況は急転しますでしょ。

しかたなく、

「えいやっ」

とやってしまう。

緻密にやってきたのに、

最後の最後に投げ出してしまう。

敵チームだって必死なんですから。

 

この、

「えいやっ」

と判断をうっちゃってしまうことのないように、

いまひとつの判断基準、

(一呼吸なのかもしれない、約束事をきめておくことかもしれない)をはさむことで、

「えいやっ」ではなく、

最後まで緻密なままでいける瞬間、

この経験をたくさん味あわせてあげたい。

 

そのための訓練を、

勇気づけながらしなくてはならないと感じています。