今朝早く野菜博士のSさんから嫁さんに電話があり、午前8時から12時までは我が家の裏にあるSさんのお米工場が止まるとの連絡がありました。

お米工場が止まった時間に我々はSさんのお米工場に山積みされた籾殻を私の軽トラに積めるのです。

 

ほそみち農園は毎年大量の籾殻が必要なのです。

 

マイヤーレモンは耐寒性が普通のレモンよりはありますが、マイナス5℃を下回ると苗木が枯れてきます。

苗木を植えて3年以内のものは根が十分に成長していないので体力がなく、マイナス3℃以下になって霜が降りると枯れてくる苗木があります。

 

マイヤーレモン栽培を始めた当初は寒冷紗(防寒袋)を全ての何百本もの苗木に被せていましたが、我が農園の気候ではそれが仇となることがあったのです。

比叡山の麓にある本農園は温度差が大きく、昼間に苗木の葉から蒸発した水分が寒冷紗に付き、その水滴が葉に落ち、その水滴が夜間に凍ってしまうことで葉がダメになってしまうのです。

寒冷紗は通気性が良いはずなのですが、我が農園の気候には合いませんでした。

 

一番大事なのは霜が降りた時に根が凍ってしまえばアウトです。

春になれば枯れてしまいます。

それを防止するのが苗木の根元に籾殻を盛るのです。

この方法を採用した3年前から苗木が寒さで枯れることが見事に一本もなくななりました。

 

比叡山の麓にある本農園でマイヤーレモンの苗木を育てるにはこういう特別な措置が必要なのです。

 

現在植えた苗木は500本を超えていますが、残りの100本を今年中に植える予定をしていますので、600本分の籾殻が必要になります。

4年目の苗木からはもう籾殻が必要ありませんが、苗木の根元に籾殻を盛ることによって雑草が生えてこなくなりますので、草刈り作業が楽になるのです。

 

600本分の籾殻の量は軽トラの荷台にテンコ盛りに積んで6杯分です。

つまり軽トラには100本分の籾殻が積めます。

今日は軽トラ3杯分を貰いました。

午前8時から12時までの4時間では嫁さんと私が休憩なして必死でやっても軽トラ3杯分が限界です。

残りの分は後日にやります。

 

Sさんのお米工場の精米機が何時止めるのかはその日の早朝に工場長が前日の生産状況や配送ドライバーのスケジュールによって決めるので、籾殻を貰える連絡は急に連絡があるのです。

ほそみち農園にとって籾殻は必須ですので、手術の予定でもない限りは他の予定をキャンセルして我が家の裏の工場に籾殻を貰いに行きます。

 

今日は私のバイクツーリングの予定がぶっ飛んでしまいましたよ。

 

Sさんの会社は田んぼだけでも1500反やっておられる大津で一番大きなお米会社であり、精米する際に発生する籾殻は私の計算では軽トラの荷台500杯以上ですので、我が農園で必要な分なんてしれているのです。

コメリで籾殻が1袋500円で売っているのですが、毎年我々は籾殻を好きなだけ貰っています。

 

果樹園をやっている他の農家さんも軽トラで籾殻を貰いに来るのですが、精米機械から籾殻が噴き出す場所には軽トラが1台しか停められないので、順番待ちをしなくてはなりません。

我が家は毎年リストの一番最初に載っています。

それはSさんと私の嫁さんが親しい友達だからです。

 

Sさんは姉二人と趣味で工場の横にある3反ほどの畑で珍しい野菜や珍しい花を育てて楽しんでます。

Sさんの夫(社長)は仕事でお米の他に沢山の野菜も育てています。

タマネギ10万個とか大根5万個とか...

学校給食やホテルなどの大口消費者に収めています。

 

Sさんは趣味の畑作業を休憩する時に我が家の会議室(外にテーブルと椅子が置いてあるだけ)に遊びに来て、嫁さんの作った自慢のアイスコーヒーやイチゴチョコアイスを食べながら共通の趣味である花の話をしています。

Sさんにとってお花は趣味でも嫁さんはSさんに頂いた花の苗や種で随分儲けさせてもらっています。笑

 

タマネギ10万個とか大根5万個とかSさんの会社は作っておられるので、いつも我が家に遊びに来る時に色んな野菜をテンコ盛り持ってきてくれるので、嫁さんはカイワレ大根みたいなもの以外にはスーパーマーケットで野菜を買っていないと思います。笑

 

以下の写真の嫁さんの後ろにいるのが野菜の育て方のプロのSさんです。

年商ウン億の会社の奥さんですのでSさんのヘソクリは1000万円どころじゃないのです。

帰国した当初は普通の農家のオバチャンだと思って接していましたが...

京都に嫁いだ娘が孫達を連れて遊びにきたら昼飯によく近江牛のステーキハウスに行って10万円を平気で使っている人ですからね。笑

Sさんが美味しいと勧めた鰻屋さんに嫁さんと行ったら鰻重が7000円もしました。笑

 

ほんと、人は見かけで判断したらダメですよ❕

 

 

午前8時から12時までの4時間で積める籾殻は軽トラ3杯分が精一杯です。

自宅にそれだけの籾殻は置けないので、本農園に軽トラに積み込んだ籾殻を置く作業もあります。

本農園で軽トラに積み込んだ籾殻を下ろすと工場に戻る作業を3回やりました。

 

山積みにされている籾殻を袋に詰めて軽トラに載せる作業の4時間は地獄ですよ。

私は毎年この作業の途中で籾殻が積まれた山の中で倒れてしまいます。

倒れたと言っても、過労で身体がしばらく動かなくなるだけです。

ジュースを飲んでしばらく籾殻の山の上で横になっていると体力が回復し、また作業が再開できるのですが。

 

こういう作業を悪友達に手伝って欲しいのですが、肉体労働には縁のない仕事をしているので、この時期に外で立ってるだけでも熱中症になってしまう奴等です。

高校や大学で陸上やラグビー選手であっても、この歳になると日頃身体を鍛えていないと暑さには勝てないのです。

 

弟子の甥のK君も仕事が入っていたので応援に来てくれませんでした。

もし私が倒れても、その工場の裏に自宅がありますので、歩いて帰って冷房の効いた部屋で3日間でも5日間でも寝ていればいいのですが、嫁さんが倒れてしまえば大変なことになってしまいます。

 

毎朝の出荷が止まって収入がなくなるのは問題はありませんが、息子達が「お父ちゃんはお母さんを無理させて働かせた❕」と凄く叱られるのは間違いありませんからね。

筋金入りのマザコンを怒らせると飛んでもないことになるのです。

だから私は嫁さんに2時間だけ手伝ってくれと言ったのですが、嫁さんは「いつも倒れるのはアンタの方やんか。私が付いてないとアカンやろ❕」と言って最後まで4時間、嫁さんは休み無しで頑張りましたよ。

 

今回私は倒れなかっただけでなく、休憩無しの4時間連続で作業できました。

毎年毎年嫁さんと私が連続して働ける時間が伸びているのですよ。

 

還暦を超えたオッサンオバサンでも体力は向上します❕

 

 

監視カメラが我々の写真を撮ってました。

 

 

 

 

今日は嫁さんにとって嬉しいことがありました。

パンパスグラスが穂を付けたのです。

私はパンパスグラスはよく知らないのですが、直売店でパンパスグラスが一本1000円近くの値段で売っていたのは知っています。

ドライフラワーとして他の花とフラワーアレンジメントをして出荷するものだと嫁さんは言ってました。

 

パンパスグラスは幾つか異なった色があり、希少なものの苗は5000円もしたのですよ。

それを嫁さんは何本も何本も買って植えたのです。

これで少しは元が取れると思いましたが、嫁さんは今年成ったものはSさんや親しくしている人達にあげて自慢するそうです。

去年嫁さんはパンパスグラスの苗を3箇所に植えました。

 

 

 

ほんと、今日は嫁さん、滅茶苦茶頑張ってくれましたよ❕

 

毎日嫁さんは私の顔を見れば小馬鹿にすることしか言いませんが、嫁さんが手伝える作業があれば辛い仕事でもいつも最後まで私を助けてくれます。

掲載した写真を見て貰えれば判ると思いますが、嫁さんは非常に辛い仕事をしていても絶対にしんどいと言わず、常に私を小馬鹿にして笑ってます。

普段は憎たらしい奴ですが、これだけは素直に嫁さんに感謝したいです。

だから38年も一緒に暮らしていけたのでしょうね。

 

嫁さんは3回目の籾殻を本農園に下ろした時に自分で歩いて自宅に帰ると言うのです。

私は台風が来る前に私は農園の入り口の扉を完成させなければならないので、そのまま本農園に残って作業を続けなければならいからです。

そして天気予報では午後4時から豪雨らしいので、時間との勝負だったのです。

 

自宅まで軽トラで5分、往復10分。

こんなに頑張ってくれた嫁さんを歩かせて自宅に帰らせたら夫として完全に失格ですよ❕

私はそう言って軽トラに嫁さんを乗せて自宅に連れて帰り、農園に戻ってきました。

 

変なところに嫁さんは優しいのですよ。

 

嫁さんは私を雨の降る中で作業させたくないという優しい心があるなら、昨晩に脱いだ靴下をリビングルームでソファの横に置いておいたことなんかにあれだけ怒ることはないだろうと思うのです。

靴下を洗濯機の中に入れてくれるぐらいは自宅まで歩いて帰る労力から比べたら何でもないものだと私は思うのですが...

 

以下の写真は監視カメラが撮ったものです。

電動ドリルでコンクリートに穴を開けていました。

 

 

 

小規模なコンクリートを砕く際に使われる一般的な道具は電動ハンマーです。

私はマキタの電動ハンマーをAmazonで買おうと思ってましたが、甥のK君が「オッチャンはそんな道具は一度しか使わないので、僕の電動ドリルを貸してあけるよ」と言って、彼は仕事に出掛ける前に持って来てくれました。

面白い道具に出会うと一回しか使わないようなものでも私は買ってしまう癖があります。笑

 

入り口の扉の右側の支柱を取り付ける時にK君が電動ドリルでコンクリートに穴を開けているのを私はじっと見ていました。

左側の支柱の穴を取り付ける時にK君が連れてきたプロは電動ハンマーを使ったので、容易にコンクリートの地面を掘削できましたが、電動ドリルだとその5倍くらい時間はかかりますが、不可能ではないのです。

 

私はコンクリートの地面を掘削するのは人生で初めてでしたが、K君がやっていたのをじっと見ていたので電動ドリルの使い方や掘削方法は頭に入っていました。

以下の様に順番に穴を開けていき、穴と穴の間に斜めに掘削すればコンクリートは思った方向に割れます。

 

 

私が取り付けているのは扉落としと呼ばれる扉を固定する金具です。

これを取り付けておかないと扉に鍵をしても風で扉が大きく揺れてしまいまので、傷んでしまう可能性があるのです。

だから私は台風が来る前に完成しなければならなかったのです。

 

 

電動ドリルでコンクリートの地面を50㎝ほど穴を開けるのに成功しました。

 

 

残念なことに小屋に置いておいたセメント袋の端が少し破れていたので、湿気でセメントが固まっていました。笑

ですので私は直ぐにコメリにセメントを買いに行きました。

 

 

時間切れでした。

嫁さんが心配した通り、私は大雨に見舞われてしまいましたよ。

 

 

セメントを付けた場所に青いビニールシートを被せ、私は青いビニールシートの中に入って最後まで作業しました。

こういう作業は一旦始めたら途中で放ったらかしにするわけには行きません。

何とか完成しました。

そして雨も止みました。

 

最後に私の右手を乾いていないコクリートの表面に手形を付けました。

手形を付けたのは衝動的なものでしたが、俺の手作りだ❕という跡を無意識に残したいと思ったのでしょうね。

この重い鉄製の扉は20年や30年は持つそうですので、私が死んだ後もこの手形は残るでしょう。

 

私は還暦になるまで電子機器業界で製品開発の仕事をしていたのですが、工場で使用される私の業界の電子機器は10年を目安に新しい物に入れ替えられるのが一般的です。

これまで私が作った物の中で最後まで残っているのはこの手形であるのは間違いありません。笑