前回と前々回の日記「息子ともう少しで殴り合いの喧嘩だった」で私と息子は騒動を起こしましたが、最後までお互いに無愛想ながらも父親と息子の絆は確かめることができました。

アメリカに向けての飛行機の中で撮った写真が息子達から送られてきました。

息子から私に「日本では楽しかった。色々とありがとう」というメッセージが添えられていました。

 

それを読んで、何だか気持ち悪いです。笑

 

 

嫁さんは息子達に飛行機の中で食べられるように鰻のひつまぶしのオニギリや鮭のオニギリを作って彼らに持たせました。

 

 

Gちゃんはそのオニギリを食べた瞬間に御飯の味が最高だったので、お礼のメッセージを嫁さんに送りました。

このブログに何度も書いていますが、嫁さんが使ったお米は特別なもの。

親しくしている野菜博士のSさんが家族だけが食べるために凄く手間がかかる稲木で作ったお米を特別に頂いたもので作ったオニギリですので、美味しくないはずがないのです。笑

嫁さんは最後の稲木米を使って息子達のオニギリ作りました。

 

 

先日の日記で息子ともう少しで殴り合いの喧嘩だったことを書きましたが、その翌日には予定通りに息子とGちゃんが行きたい場所に連れて行ってあげました。

 

息子もGちゃんも両方共30歳を超えているのに一番に行きたい所は鮎の手掴みでした。

アメリカではそういうことをさせてくれる所がなく、ネットでは日本に旅行に行った時に訪れる人気スポットらしいです。

 

私のバイクコースである鯖街道は安曇川に沿った道なのですが、その川でも鮎の手掴みをやっているのを知ってました。

そして息子達が示した鮎の手掴みを行っている施設は正しく私のバイクコースにある所だったのです。

あの施設がアメリカでも紹介されている人気スポットだとは夢にも思いませんでしたよ。

ハーレーで走っていると河川敷に沢山の車が停まっていることは見ていましたが...

 

その場所に行くのにナビなんて全く要りませんでしたよ。笑

 

嫁さんは息子達がその施設で鮎の手掴みがしたいと事前に聞いていたので、予約をし、獲った鮎を焼くBBQセットや一通りの道具を購入しました。

万全の状態で行ったのですが、飛んでもないことが起きてしまったのです。

 

大人2500円だったので、私は4人分の1万円を払いました。

一人の鮎は二匹、4人で8匹を放流してくれました。

鮎を8匹獲って、もっとやりたいなら1匹500円で放流してくれるシステムです。

 

係の人の話では幼稚園児や小学生でも手掴みできるので、そんなに難しくないということでした。

田舎育ちの嫁さんと私は幼い頃に近くの川や田んぼの用水路で鮒などの魚の手掴みを散々やっているので、たった8匹なら息子達2人に獲らせてやろうと思いました。

8匹ぐらいは直ぐに捕まえられるだろうから、8匹の鮎の追加をお願いする積りでした。

 

 

そして私はBBQの準備をすることにしました。

 

 

ところが1時間以上経っても彼らは一匹も捕まえられないのです。

BBQの炭は全開になっており、早く鮎を焼かないと単に炭を灰にするだけになってしまいます。

息子達は鮎を追いかけまわしているのですが、息子が一瞬だけ鮎に触れただけで捕まえるまでにはいきません。

嫁さんも鮎掴みに協力することになりました。

 

それから30分ほど経っも収獲ゼロだったので、私は事務所に行って大きな網を貸してもらえるようにお願いしました。

 

事務所の係の人は「えっ、まだ一匹も獲ってないの❓ 随分前からテントに煙が出てるやん」と言ったので、BBQトレイの上には何もなく、ただ煙が出ているだけであることを説明しました。

この時期は梅雨なので、お客は我々だけだったので貸し切り状態。

係の人は今日は我々だけなので、特別に2個の網を貸してあげると言ってくれました。

大きな網だったので、これでやっと鮎を掴んで食べられると思いました。

 

 

 
それから1時間後、こんな大きな網を2個も貸して貰ったにも関わらず、収穫はゼロなのです。
 
大きな網を使ってから1時間も経つのにまだ必死でやっている姿を見た係の人が心配になって来てくれました。
BBQのトレイの上には既に肉や野菜が焦げ付いているのですが、鮎だけがまだである状況を係の人が見て、取り敢えず一人一匹を食べられるように鮎を掴んであげると言ってくれました。
 
助かりましたよ。
鮎手掴みに来て、一匹も鮎を食べずに焼肉だけを食べて帰ったなら悲しいじゃないですか。笑
 
流石に係の人はプロですね、1匹を5分から10分ぐらいで手掴みで4匹掴んでくれました。
我々はプロの仕事を見て感動しましたよ❕
 
 

 

 

一匹だけでしたが、美味しかったですね。

息子達も獲れたての鮎を食べられて喜んでました。

 

こんなに鮎を掴むのが難しいとは思ってませんでしたよ。

そして残りの4匹が泳いでいるのが私にはしっかり見えました。

仕方がない、父親の私が実本を見せてやろうと思いました。

さすがにプロのように泳いでいる鮎を手で掴むのは無理だと思いましたので、網を使いました。

 

15分ぐらいですかね、私が鮎を網で捕まえたのは。

 

 

係の人がまた心配になって我々を見に来てくれたのですが、その時に我々の会話が英語だったことに気付き、外国からこられたのですか❓と訊かれました。

我々二人は日本人だが、息子夫妻はアメリカ人であることを話し、セントルイスから遊びに来たことを話しました。

そしてこの鮎の手掴みの施設がアメリカで日本で観光する際の人気スポットであることも話しました。

係の人は梅雨明けになると外国の方も来られると話してくれました。

 

日本人であってもアメリカ人であっても、普通の人はちゃんと鮎を捕えることが出来るらしいのですが、折角セントルイスから遊びに来たのに鮎を一匹も捕まえられないのは気の毒だと言って、息子達のために特別なことをしてやろうと言ってくれたのです。

 

何をしてくれたと思いますか❓

 

私はびっくりしましたよ。

そんなことをしてくれるのかと。

 

川の水を止めてくれたのです。

そうすると水嵩が低くなり、川の地面が露出してくるので鮎を容易に捕まえられるのです。

他のお客さんがいたならそんなことは絶対に出来ないが、幸いにも客は我々だけなのでやってあげると言ってくれました。

 

そしてどんどん水嵩が低くなり、川の所々の地面が露出してきました。

川の地面は平坦ではないので、川の水は完全にはなくなりませんが。

 

ところが鮎は非常に手強いのですよ。

 

水嵩が低い所でも鮎は飛び跳ねて逃げて行くのです。

あんな凄く速度で飛び跳ねて逃げて行くのだから息子達が網を持って待ち構えていても捕まえることができないと思いましたね。

 

だから私は息子達に我々は鮎よりも賢いのだから、皆で協力した作戦でやれば鮎は必ず捕まえられると提案しました。

この方法は私が子供の頃に友達と川で魚を捕まえる時にいつもやってたものです。

三人は上流から足で水面をバシャバシャ叩き、下流の隅に網を持って待ち構えている息子の方に追い込むのです。

 

そしてその作戦は見事に成功しました。

息子は人生で初めて鮎を捕まえることが出来たのです。

 

喜んだ息子はGちゃんに写真を撮ってくれと頼み、網の中の鮎を掴んだ瞬間に鮎は息子の手の中から空に向かって飛び跳ねました。

Gちゃんがその瞬間を捕えていました。

 

 

幸いにも飛び跳ねた鮎は網の中に落下したのですが、川が流れている直ぐ側の地面に落ちたら、鮎がもう一度飛び跳ねたら間違いなく川の中に戻っていったでしょう。

 

もう一度同じ方法で今度はGちゃんに鮎を獲らせてあげたかったのですが、鮎が入った網はGちゃんではなく、息子が握っていた網でした。

 

 

あと一匹残っていたのですが、それまでの霧雨が本格的な雨になってしまい、我々はその時点で中止せざるを得なくなりました。

雨が降って残念だというより、梅雨の真っ最中にここまで雨が降らなかったことに感謝すべきでした。

 

獲った3匹は息子とGちゃんが食べました。

嫁さんと私は琵琶湖の鮎を幾らでも食べる機会がありますが、セントルイスの息子達にはありません。

 

 

滋賀の田舎町育ちの息子がこれだけ魚掴みが下手なのは私のせいだと思いました。

息子が保育園や幼稚園児の頃は毎週末に息子をバイクの後ろに乗せて、スガキヤラーメンを食べに行った後に魚釣りなどによく行ったものですが、遊び盛りの8歳の時に我々がシカゴに連れて行ったので、自然豊かな滋賀県で生まれたのに息子はそういう遊びが全く出来なくなりました。

 

息子はシカゴで瞬く間にNativeレベルの英語を話すようになりましたが、滋賀の田舎町の子供なら誰でも持っている能力は得られる機会を失ったのです。

滋賀なんて農業地区なのですが、息子が私のレモン農園に興味を示さないのは8歳の時にシカゴに連れて行かされたからかもしれません。

 

今回の鮎の手掴みの施設の人達には本当に感謝しています。

まさか、息子達に鮎を捕まえさせるために川の水まで抜いてくれるなんて...感謝の仕様がありませんよ。

そのお陰で息子は鮎を2匹も捕まえるという体験をし、非常に喜んでいました。

ほんとに鮎は強敵であり、川の水まで抜いてくれないとあの息子では絶対に鮎を獲ることはできませんでしたよ。

 

残念ながら土砂降りの雨になったので、最後の一匹は捕れませんでしたが、我々は十分に満足していました。

 

セントルイスから遊びに来た息子とGちゃんの為に鮎の手掴みの施設の人達は川の水を抜てくれるという大掛かりなことをしてくれました。

私も人生で初めて川底が浮き上がってきた光景を見ましたよ。

ほんと、驚きでした。

 

これが日本のオ・モ・テ・ナ・シなのです

 

息子もGちゃんもその親切には大きく感動していました。

鮎掴みよりも日本人の親切に感動していた2人でした。