息子の嫁のGちゃんの祖父が危篤状態になり、世界中に散らばっているGちゃん一族が北京の病院に急遽集まりました。

息子とGちゃんは何とか祖父の最後に間に合いました。

 

そして現在敗血症で入院している私の妹のお見舞いに日本に来ました。

4日間だけ我が家に滞在します。

 

以前の日記に詳しく書きましたが、私の妹は投与された抗生物質があまり効かなかったので、病状は芳しくありませんでした。

両手、両足の感覚もなくなったので、両足を切断しなければならない可能性があることを聞いて我々は驚いたのですが、妹の家族には覚悟しておいてほしいとまで言われていたのです。

敗血症でも色々なタイプがあり、私にはよく判りませんでしたが、担当医の話では世界で初めての症例だそうです。

 

それを聞いた私の息子は大学で抗生物質を研究している同僚の助教授に相談しに行きました。

息子が勤務しているワシントン大学の抗生物質の研究は世界で最先端を走っており、土の中から抗生物質が効かない耐性菌を抑制する菌を発見し、その論文が2014年にイギリスの科学雑誌に発表され、医療業界では大きな希望になりました。

 

私は医療分野のことはよく判らないのですが、結局その耐性菌を抑制する菌も10年経った今でもまだ実用化には達しておらず、妹の敗血病の菌の特効薬みたいなものは現在のところは存在しなかったのです。

現在存在する抗生物質の色んなタイプを試してみる以外に方法はありませんでした。

 

妹を担当しているお医者さんは色んな論文を読んで妹の治療をしてくれていたのですが、私の息子がワシントン大学の助教授で、抗生物質を研究している同僚の助教授に相談したことを妹から聞いて興味を持ったらしいです。

京大医学部出身の40歳を超えたばかりの若手ドクターなのですが、息子の名前で論文を検索し、これまで息子が科学雑誌に掲載された論文を幾つも見つけました。

 

米国の国立癌研究所で癌の研究をしていた息子の嫁のGちゃんの論文もそのドクターは見つけたらしいです。

どちらかと言うとそのドクターにとってはGちゃんの仕事の方が仕事に関係しているそうです。

GちゃんはFDA(日本では厚生労働省)の科学者として癌に関する認可の仕事をしており、アメリカの基準は日本の基準にも大きく影響があるようです。

 

私にとって総合病院の京大医学部j出身のドクターは私よりもランクが上の人になるのですが、そんな人が息子や嫁のGちゃんと会って話がしたいというのは私には何だか不思議な気分でした。

治療してもらっている妹からも、もし出来るならそのドクターに会って息子達にお礼を言ってほしいということでした。

そのドクターに本当に親身になって治療してもらっており、妹が両足の切断もせずにこうして生きていられるのもそのドクターのお陰だと妹の娘から聞いています。

 

息子達を連れて妹の病院に行った時に残念ながらそのドクターは緊急処置で妹の病室まで来られませんでした。

私の妹はアメリカからやってきた息子達がお見舞いに来てくれたので凄く喜んでましたね。

 

 

 

京大医学部出身のエリートドクターが息子達に会って話がしたいというのですから、息子達が農業をやっている父親の私よりも世間では偉い人になったのかもしれません。

そして息子自身も自分が偉くなったように思っていることを私は感じたので、いけ好かない奴❕だと思いました。

 

嫁のGちゃんからはそういう匂いは全くしないのですが、息子からはエリート気取りのいけ好かない奴の匂いがしたのです。

そしてその匂いの正体が判るのです。

 

私は帰国してからの約4年間、必死で作ったレモン農園を息子達に見せたいと思いました。

私は息子達にレモン農園を見せるから車に乗れと言ったのですが、息子は「雨が降っているから行きたくない」と言うのです。

雨が降っていると言っても、霧雨みたいなものであり、濡れても大したことはないのです。

私なら普通にレモン畑で作業しますよ。

 

私は無理やり息子達2人を比叡山の麓にある本農園に連れて行きました。笑

 

 

普通の息子なら父親が残りの人生を賭けて頑張っているものを見たいと思うものですが、恐らく息子は農業という仕事を見下げているのかもしれません。

私はそういう匂いがする息子は大嫌いです
 
私のレモン栽培の弟子になったK君、嫁さんの一回り下の従妹のヒロちゃんの息子ですが、K君と一緒に農園で働くと若者らしい清々しさを感じますし、一緒に作業していても休憩で話をしていても楽しいのです。
「僕は頭が悪いから難しいことを言われても理解できないけど、体力だけは自信があります❕ 指示してくれたらしんどい作業でも何でもやります❕」と屈託のない笑顔で言われると何だか嬉しくなりますよ。
 
K君は息子とは真逆の清々しい若者です。
 

 

このブログにしばしば書いていますが、私が息子と話せば大抵は口喧嘩になってしまいます。

LINEのビデオ会話でスマホ越しに話しても口喧嘩になるのですから、面と向かって話せば大喧嘩になってしまうのは自然なことでした。

 

息子は若い時の私と同じです。

頭に来るとつい暴力的になってしまいます。

息子がMiddle schoolの時に筋肉隆々のロシア系白人のクラスメイトと殴り合いの喧嘩をして停学になりました。

血は争えないと思いましたね。

 

そして今回息子ともう少しで殴り合いの喧嘩になりかけたのは皆でユニクロに買い物に行ったことがキッカケでした。

 

ユニクロで楽しく買い物をし、帰りの車の中で息子が私に訊くのです。

「お父ちゃん、フィッティングルームの5番を使わへんかったか❓」

 

何故息子が私が5番を使ったことを知っていたのか不思議だったのですが、息子が5番のフィッティングルームに入った瞬間にお父ちゃんの匂いがしたと言うのです。

それは糖尿病などの生活習慣病を患っている独特の匂いだと言うのです。

 

シカゴでエンジニアをやっていた時期は仕事で身体を動かすことがなかったので、ホームドクターからは運動不足からくる生活習慣病の指摘をされ、薬を飲んでいました。

糖尿病にしても血液検査で正常値よりは上の値でしたが、インシュリンを投与するまでには程遠く、サプリメントみたいな薬を飲むだけでした。

そして帰国して農業を継いでからは毎日農園で倒れるまで肉体労働をしていますので、体重も8㎏も減り、現在では173㎝の私が体重61㎏です。

 

ですからシカゴ時代の様に3ヵ月に一度診察してもらうことはしていません。

帰国した翌年に腎臓結石の診察で大腸癌の疑いをかけられ、総合病院で胃カメラやお尻の穴から内視鏡検査をされる大腸癌検査も受けました。

CTやMRI検査も受けました。

結局は腎臓内に留まっている2個の大きな腎臓結石が悪さをしていると判断されました。

そして2年前の年末に結石が腎臓から出たので、内視鏡手術でその2個の結石を取ってもらいました。

 

息子は私の身体の精密検査をしたのは3年前になるので、直ぐに病院に行って検査してもらえと言うのです。

普通の人は私の歳になると最低でも年に一回は検査を受けるものだと言うのです。

そしてあの匂いは何かの病気を患っている匂いだと言うのです。

 

私は恐らくそれは加齢臭だと思います。

しかし嫁さんは私からは加齢臭も何も匂いがしないと言っているし...

普段一緒にいるとその匂いに慣れるものだと息子は言い張るのです。

 

いちいちお前にそんなことを指示されることはない❕

 

そんなことを息子と言い合っていたら、息子はお父ちゃんは家族を心配させる迷惑や奴や❕とキレてしまい、ちゃぶ台をひっくり返したのです。

実際はちゃぶ台ではなく、以下の写真に写っているテーブルですが。

 

 

もしひっくり返したテーブルが私に当たっていたら私は間違いなく息子を殴っていたでしょう

 

息子も私も両方共頭に来ていたので、もう少しで殴り合いの喧嘩になるところだったのですが、その時に私は怒りよりも悲しさの方が大きかったので、それ以上の喧嘩に発展することはありませんでした。

 

テーブルの上にはマイヤーレモンの挿し木の苗が並べられていたのですが、息子がテーブルをひっくり返したので、苗がぶっ飛んでしまったのです。

私は凄く悲しい気持ちでぶっ飛んだ苗を拾い集めました。

息子か私か、どちらかがやったのかは判りませんが、折角芽がでてきたのに苗木が踏まれたものがありました。

 

「お父ちゃんを殴ってもええけど、お父ちゃんが大切に育てているマイヤーレモンの苗木は傷つけるな❕ お父ちゃんとお母さんはこのマイヤーレモンで食べさせてもらっているんやぞ❕」と私は息子を怒鳴りました。

息子はテーブルの上にあったものはゴミか何かだと思っていたと下手な言い訳をしましたが、私が残りの人生を賭けてやっている農業に敬意を持っていたならテーブルの上にあったものはゴミには思いませんよ。

 

やはり息子は無意識に農業という職業を下にみていることがこれで判りました。

悲しかったですね。

 

息子はテーブルの上にあったものが私が大事に育てていたマイヤーレモンの苗木だったことを知り、そのことだけは素直に私に謝りました。

しかしそれ以外のことは自分の考えを最後まで絶対に曲げませんでした。

 

私が息子と喧嘩していることに気付いた私の嫁さんと息子の嫁のGちゃんが飛び出して来て、仲裁に入りました。

最終的には息子が私の大切な苗木を傷つけたことを謝り、私は病院で検査を受けることを約束させられました。

 

息子の怒りの原因は私の身体が心配であることなのは百も承知なのですが、息子が生意気にいちいち父親の私に指示するのが真っ平御免なのです。

しかも私が病院で検査に行かないことで皆に心配かけているトラブルメーカーだと罵倒されたら、私の身体を心配していることが起因になっていることが判っていても頭に来るものですよ。

 
息子と私の2人だけなら、とことんまで喧嘩していたと思いますが、嫁さんと息子の嫁のGちゃんが出て来て、我々2人の間に入って仲裁すれば直ぐに全てが解決してしまうのです。
 
要するに、息子や私は喧嘩出来る相手になりますが、お互いの嫁さんが出てくると、喧嘩しても勝てない相手には従う他はないのです。笑
最終的には息子も私も両方の嫁さんから叱られ、何も言い返せないのですからね...
まぁ、それでいいのかもしれませんね。