嫁さんのお父さんのお父さんの時代から付き合いのある地元の農機具販売会社があります。

私は購入した農機具は一つ以外は全てこの会社からです。

 
最初その会社を訪れた時に知ったのですが、嫁さんのお父さんが購入した全ての農機具の記録が帳簿に残っていました。

嫁さんのお父さんは先代の社長と現在の社長に好意にしてもらっていたのです。

そして私が農園を継いだことを話してからは本当に親身になって相談に乗ってくれます。

量販店の農機具の担当者とは能力も知識も大きく異なり、嫁さんのお父さんのお父さんの時代から我が村の農家の方達の農機具を受け持っていた理由がよく判りましたよ。

 
この会社、素人の私が馬鹿な相談をしに行ってもちゃんと対応してくれるのです。
 
「もう草刈りはしんどいですわ。5日続けてやってますけど、まだ終わらないんです。予算は100万円以下で、楽に1日ぐらいで終われる機械がないですかね。」
そんな馬鹿な相談で提案してくれたのが乗用草刈り機でした。
このブログに何度も書いていますが、ほそみち農園の入り口から一番奥のレモン畑までの1㎞ほどの軽トラが走る農道の草刈りが手作業の刈払い機でやってた時は丸2日かかったのに、乗用草刈り機でやれば20分ぐらいで汗もかかずに終わってしまうのには驚きましたね。
 
この乗用草刈り機(天国君と命名)無しではほそみち農園は成り立たないと言っても過言ではありません。
 
私が安心できるのはその会社は嫁さんのお父さんの時代から何度も我が農園に来ていますので、我が農園を良く把握していることです。
草刈りをする広さを把握しているので、どれだけのパワーのある草刈り機が必要であるかは私が知らなくても会社の方が適した物を選んでくれるのです。
 

そしてちゃんと乗用草刈り機を使用することで不利益になることも説明してくれました。

その乗用草刈り機を容易に使用するには苗木と苗木を植える間隔を乗用草刈り機が十分に通れる間隔で植えることを具体的な数字で示してくれました。
その具体的なアドバイスのお陰で当初は1000本植える予定だった苗木を600本に減らしました。
今まで植えた苗木を乗用草刈り機が通れる間隔に植え直す大変な作業が必要になりましたが、それをあの時にやっておいて本当に良かったと思っています。
 
次は斜面専用草刈り機のスパイダーでした。
 
ほそみち農園は比叡山の麓にありますので、段々畑であり、段差がある畑と畑の法面(斜面)は乗用草刈り機は走らないのです。
去年にその法面を手作業の刈払い機でやっていたら熱中症で何度も倒れてしまいました。
 
「乗用草刈り機だけではダメですわ。法面を楽に早く刈れる機械を買いたいのです❕」と相談しました。
そしたら斜面専用の草刈り機であるスパイダーを提案してくれました。
これは42度までの斜面は刈れる能力があるのですが、スパイダーの操作はかなり難しく、1年経った今でもまだ修行中です。
でも手作業でやるよりは10倍以上楽になりましたね。
 

 
このスパイダー、操作するのに技が要るのです。

去年は操作を誤って土手からスパイダー君と一緒に転げ落ちたことは20回ぐらいあったと思います。

農機具販売会社の方からはスパイダーは自走するので、慣れてきたら小指一本で操作できると聞いていました。

 
そして前回の日記に書きましたが、とうとう私は以下の写真に写っている法面をスパイダーで綺麗に刈ることが出来るようになったのです。
不器用な私はコツを掴むまで1年近くかかりましたが、コツを掴めば親指を人差し指だけの僅かな力で以下の様な急斜面も綺麗に早く刈ることが出来るようになったのです。
 
 
そうなると嫁さんが今度は嫁さんが鎌でやっている大変な作業も楽にしてやりたい気持ちになりました。
苗木の周りまでは乗用草刈り機の天国君とスパイダー君で楽に刈れますが、苗木の根元までは刈れません。
 
私は苗木の根元を手作業の刈払い機で刈っていたのですが、手元が狂って苗木を切ってしまったり、茎が傷ついてしまい、そこから黴菌が入って枯れた苗木は1本や2本ではありません。
現在まで植えた苗木は450本ぐらいですが、3日に一本だけ傷つけただけでも年間になると30本ぐらいになってしまいます。
私は下手なのでしょうね。笑
 
だから嫁さんが鎌でやることになったのです。
 
植えた450本の根本に生えた雑草を手作業の鎌で刈るのは気の遠くなるような作業です。
私は次々に新しい苗木を植えていますので、嫁さんがする作業量もそれに伴って増えるのです。
今後の事を考えると嫁さんの身体が心配になってきました。
 
だから今回もその会社に駆け込んで相談してもらいました。
 
「苗木の根本を楽に刈れる器具はありませんか❓ 絶対に苗木が傷つかない器具で。このまま嫁さんにやらしていたら倒れてしまいますわ」
 
そしたら私の突拍子な要求に今回も100%合った器具を勧めてくれたのです。
充電式バリカンです。
 
嫁さん、大喜びですよ❕
 
 
苗木の根元の草刈りを手作業の鎌で雑草を一本づつ行えば一本の苗木に5分や10分はかかります。
そして鎌での作業は力が要るのです。
ところが充電式バリカンを使えば手を動かさずに20秒ぐらいで楽に終わるのですよ。
カバーも付いており、これだと苗木を傷つけることは滅多にないでしょう。
最初にバリカンを根本に近づけてからレバーを握って作動させ、根本から外側に向かってバリカンを動かすのですからね。
 
嫁さんは自宅前の畑のレモンの苗木でそのバリカンを試したのですが、今日は本農園の苗木で試したいと言うのです。
 
えっ、昨日俺に今日はハーレーに乗って何処かに出かけてもええと言うたやん❕
 
嫁さんは「アンタはハーレーに乗ったらええやん。私は一人で農園に行くから」と言うのです。
私よりもどんくさい嫁さんを一人で農園で働かせたら怪我してしまうかもしれません。
嫁さんは高い木に登ったり、滑り易い斜面を通って木花を採りに行ったりするので、私はいつも注意しているのです。
 
仕方がない、今日はハーレーをぶっ飛ばすのを諦めて、嫁さんと一緒に農園で働くことにしました。
嫁さんは朝の出荷があるので、私が先に農園で仕事を始めて、出荷から帰ってきたら嫁さんの車で農園に来ることになりました。
 
充電式バリカンは本当に素晴らしい器具でしたよ。
乗用草刈り機で雑草を刈ると以下の写真の様に苗木の根元に生えた雑草だけが残ってしまうのです。

 

 

 

上記の写真は第七レモン畑を撮ったものです。

手作業の刈払機で雑草を刈っていた頃は丸1日かかっていた作業が天国君でやると20分ほどで終わりました。

 

しかし刈り残った根本付近の雑草を鎌でかるのに3~4時間ぐらいかかってしまうのです。

そして今日嫁さんがバリカンを使ってやったら30分も掛からなかったのです。

しかも鎌の様に手を動かす必要がないので、滅茶苦茶楽なのです。

時間を測ったら、一本の苗木に丁寧にやっても30秒ぐらいでした。

 

乗用草刈り機の天国君やスパイダー君を使った時と同じで、夢みたいな出来事でした。

 

レモン栽培で一番の強敵である草刈り作業を攻略した気分になりました。

手作業の刈払機による作業がこれで殆ど無くなったのです。

これで600本のレモンの苗木を栽培する計画がまた一つ現実的なものになったことに凄く嬉しくなりました。

 

前回の日記にも書きましたが、「ほそみちさん、また新しい機械買ったんか❓ そんなことをしてよく元が取れるなぁ」と余計なことわざわざ言いに来る農家の方もいますが、私はハッキリと言っておきます、その通りです、私はお金で楽を買う男です❕

楽をお金で買わないと私は体力的に農業を続けられないし、それが私の戦略ですよ。

肉体労働をやったことのない男、農業のイロハを知らなかった男、そんな者がプロ農家の方達と同じ土俵で戦うには色々な道具が要るのです。

 

3年後か4年後に植えた沢山のレモンの苗木が無事に育って成功した時は私のやり方が間違ってなかったことを周りの者達は知るでしょう❕ 笑