私がやっているレモン栽培は用水路の水は全く使いませんので、用水路の上に落ちる落ち葉にはほとんど意識していませんでした。
しかし我が農園内の用水路でもその落ち葉によって詰まることがしばしばあったのを覚えています。
私のマイヤーレモン栽培は用水路の水は一切使いませんので、これまでは我が家の田んぼを借りていた師匠のYさんが我が家の用水路の世話をしていました。
そして3年間の農地の契約が3月31日終了し、先日の4月1日から私が正式に管理者になりました。
上記写真の赤枠の木々の中に嫁さんが仏花の一部として出荷しているものがあるのですが、年間の収益は5000円にも満たさない収益の低い木だったので、用水路から落ち葉を引き上げる作業から考えると用水路に葉を落とす全ての木々を伐採した方が得だという嫁さんの判断でした。
伐採する木の大半は私の太ももぐらいの大きさなので、チェーンソーを使って私一人で十分にやれるものですが、二本だけ大きな太い木がありました。
T君は親から老舗を引き継いだボンボンなのですが、地元の色んな奉仕作業に参加して木の伐採を何度も経験しているのです。
T君が私の木の伐採を心配してくれるのは2年前に我が農園で伐採時に事故があったからです。
椎茸の原木を作るために我が農園内の大きなドングリの木を伐採するのを手伝いに水口の友人が大きなチェンソーを持って来てくれました。
彼は私が木を伐採した経験がないので、彼がやってやると言って伐採してくれたのですが、最後の最後に右の肋骨が折れる事故が起こりました。
木を伐採するには手順があり、その通りにやらないと倒れる木は暴れ出すので、素人がやったら私の友人の様に怪我をしてしまうとT君は言うのです。
それにT君は私はどんくさい男だから、木を伐採する時は必ず俺に事前に連絡しろと言われていたのです。
普通の人間は脚立の上から頭から畑に突っ込んで肋骨を折らないと馬鹿にするのです。
でも今日は月曜日、T君のデートの日です。
ダンス教室でお綺麗な女性とダンスをし、その後にお洒落な服を着て一緒に食事に行く大事な日です。
だからそんな日に農園の木の伐採には来ないだろうと思って、悪友達のLINEのグループ会話で、”今日は木の伐採に挑戦するぞ❕”と書いたら、なんと、その直後にT君から電話があったのです。
「俺が今から行くので、俺が到着するまで待ってろよ。絶対に先に始めるなよ❕」と言うのです。
マジかよ❕
私のことを心配してくれるのは有難いのですが、月曜日だし、彼の仕事もあるでしょう。
それより、そんなに俺が不器用だと思っているのかぃ❓
彼は本当に農園にやって来て、大きな木の伐採を始めるのです。
私もその途中で彼に替わってチェンソーで木を切ったのですが、彼に叱られたのです。
「これ見ろよ。お前の切る場所が歪んできているやろ。こういうのが余計な手間がかかるねん。少し離れた所で大人しく見ていてくれ」と言われました。笑
だから私はすることが無く、スマホで動画を撮ってました。
それが以下のものです。
確かに彼の言う通りでしたね。
ちゃんとした手順で木を伐採すると、最後は足でコツン、コツンと押してやると狙った場所にゆっくりと安全に倒れて行きました。
まるでTV番組を観ているような木の倒れ方をしました。
伐採された木は軽トラが走る農道を完全に塞いでしまったので、その木の枝を切って分解し、木を腐らせる場所に持って行きます。
T君は伐採した後にその木の枝を切り始めたので、それは私の仕事だと言いましたよ。
彼はそれまでに他の小さな木を何本も伐採してくれており、それだけの体力を使ったらダンス教室でお綺麗な女性と存分にダンスを踊れなくなりますよ。
一緒にファンシーなレストランで食事をした後も今日の最後の肉体労働も待ってますので、俺の農園を助けるためにそんなに体力を使ってどうするねん❕と私は思うのです。
彼は熟年離婚を経験しており、今まで女性に関しては色々と辛い目に遭ってきているのです。
晴れて何でも出来る独身の身分になったのだから、彼には残りの人生を楽しんで欲しいと私は思っているのです。
確かに私は不器用なので、怪我をする心配をしてくれるのは有難いのですが、彼には付き合っている女性を一番に考えて欲しいのです。
彼は高校の頃からやりかけた仕事は最後までやる気質であるのが還暦を超えた今でも何も変わっていません。
だから私は作業を強制的に中断しました。
我々は私の自宅に戻って嫁さんが出してくれたお茶を飲み、一緒にアイスクリームを食べた後に彼は帰りました。
私で出来ることは私がやるのです。
伐採した木を分解するのは危ない作業でも技術が要る作業でもなく、私でも1日あれば十分に出来ますからね。
嫁さんが言うのですよ。
出来の悪い子ほど可愛いと言われますが、それと同じで、何の心配も要らない友人よりも、いつも助けが要る友人の方が気になる存在だと言うのです。
肋骨を折った水口の友人も苗木を植えるのを手伝ってくれているT君もM君も私がいつも無茶なことをするので、友人としては私は手間のかかる厄介な友人だが放っておくのは可哀想だと思われていると嫁さんは言うのです。
確かにそうかもしれません。笑