以下の写真は去年に悪友2人が手伝いに来てくれて、排水溝を設置してくれた第10レモン畑です。

昨日は朝方まで大雨が降っていたので、レモン畑が水浸しになっていないかと心配したのですが、排水溝は見事に機能しており、畑には水が溜まっていませんでした。

排水溝の水は畑の地中に埋め込んである太い排水パイプの吸い口に流れて込んでいるのを確認し、安心しましたよ。

 

この様に畑の排水処理がちゃんとできていれば去年に植えた苗木が根腐れすることはありません。

 

バンザイ❕

 

 

私の顔の雰囲気がちょっと違うように感じる読者がいるかもしれません。

それは昨日に散髪に行ったからです。笑

昨日は一日中雨が降っていたので農家は休みの日になったのですが、3月という時期は我が地元のレモン農家では一番忙しい時期になりますので、休みの日には散髪などの用事を済ませておくものなのです。

 

私が行く理髪店は嫁さんの祖父の時代からの付き合いしている自宅から歩いて10分のところにある理髪店です。

農村にある理髪店はシカゴの美容室と違って予約自体がなく、平日の昼間なら80%ぐらいの確率で客はいません。

客がいないので、いつも直ぐにやってもらえるのがその理髪店の一番良いところです。笑

 

昨日は大雨だったので私と同様に農家の方達が来てるんじゃないかと思ったら、やっぱりそうでしたね。

二人もお客さんが待っているのを見たのは帰国してからの3年間で初めてでした。笑

 

我が農村の理髪店は農家のサロンの様なものであり、誰々さんがXX野菜の栽培で幾ら儲けたみたいな話が飛び交います。

誰々さんが新しい軽トラを買ったとか、あそこの修理屋さんは車検が安いとか...

 

おっと、この調子で行くと、いつもの様に話が大きく脱線してしまいますので、元に戻します。笑

 

今日の現場は第9レモン畑。

この畑の排水溝は去年に耕運機で楽に途中まで掘ったのですが、この時期はまだ日照時間が短いので土壌が乾いていなく、耕運機が正常に走りません。

全てスコップでの手作業です。

 

今日は嫁さんがレモンの苗木に肥料を撒く作業をしてくれました。

去年までに植えた360本の全ての苗木に肥料を撒いてくれました。

軽トラの荷台一杯分の肥料を撒くのですから大変な作業です。

農協の店から肥料を軽トラに積むだけでも汗をかくのに...

 

今日の嫁さんの写真は監視カメラだけが撮ってくれていました。

嫁さんが早朝の出荷をして、帰ってきた時にセントルイス在住の息子達からLINEのビデオ会話が掛かってきたので、長い時間話しました。

もう直ぐ息子の嫁のGちゃんの誕生日なので、嫁さんが日本から何を送って欲しいかと色々と訊いていました。

だから農園に着いたのは午前10時半でした。

農家にとって午前10時半は一仕事終わった時間です。笑

 

 

 

今日の現場の第9レモン畑の排水溝の設置は去年に60%は終わっているのすが、排水溝が浅いので畑からにじみ出た水が正常に流れていません。

そうかといって第9レモン畑の排水溝は何百メートルもありますので、スコップでの手作業でやっていては夏が来てしまいます。笑

 

どうやるかと言うと、排水溝に三角のクワで筋を入れるのです。

鉛筆一本が流れるか流れないかの細い筋ですが、これが立派に機能するのですよ。

これなら2時間ほどでやれます。

 

水は高いところから低いところに流れると理解したのは私が保育園児の頃かもしれませんが、それを実感したのはシカゴから帰国して農業を始めてからです。笑

畑の地中には太い排水パイプが埋め込んであり、その排水パイプの吸い口辺りの排水溝を他よりも少し低く掘ってやれば百メートル離れた排水溝に溜まっている水が流れ出すのです。

 

これが快感なんです❕

 

 

 

最初はどっと水が流れてきますが、30分ほど経つと流れてくる水はちょろちょろになります。

重要なことは少しでもいいから排水溝の中の水が流れていることです。

その状態で2週間ほど放っておけば土壌の水分は徐々に排水溝ににじみ出ていき、最終的には乾いた土壌になります。

そしたら耕運機でも乗用草刈り機でも何でも畑の上を走れるようになりますので、私の仕事が滅茶苦茶楽になるのです。

 

3日前に悪友2人が手伝いに来てくれて、第11レモン畑の排水溝を掘ってくれたことを前回の日記に書きました。

以下の写真は3日経った今の第11レモン畑です。

嬉しいことに畑に溜まっていた水は殆ど排水されています。

 

この排水溝からは3日経ってもまだちょろちょろと水が流れており、二週間ほど経つと土壌が乾き、耕運機が走れるようになりますので、悪友達が掘ってくれた排水溝を耕運機で楽に広く深く掘る事ができるようになります。

 

 

還暦を超えたオッサン達がまるで公園の砂場で遊ぶように第11レモン畑の排水溝を掘ってくれました。

その日の夜に悪友2人からLINEで連絡があり、二週間後の同じ水曜日にまた仕事をサボって手伝いに来ると言ってます。

身体中泥んこになりながらの作業ですが、畑の表面を覆っていた水が彼らが掘った排水溝に流れ込み、見る見るうちに畑の地表が見えてくるのがとても面白いと言ってましたね。

 

泥んこ遊びって、普段は肉体労働に無関係の人達には癒しになるのかもしれません。

私には大きなお金を賭けている泥んこ遊びですが...笑

 

第9レモン畑の仮の排水工事を終えて、畑に溜まっていた水が流れ出したので、今日の作業の締めくくりとして、一本だけ苗木を植えました。

以前の日記に詳しく説明しましたが、レモンの苗木を一本植えると毎年年金額が1万円増える計算になります。

前述した様に本来なら畑の土壌が乾いてから苗木を植えるものですが、排水工事を終えても1円の儲けにはならないので、今日は1万円儲けた❕という実感が欲しくて植えました。笑

土壌が乾いていない分、盛り土はその分高くしました。

 

 

 

嫁さんと自宅に帰る直前にレモン畑を眺めていたのですが、やはり水は高いところから低いところに流れるのだと実感しました。

私が農園から自宅に戻って、夜にギターを弾いていようが、Amazon Primeで映画を観ている時も掘った排水溝に畑の土壌から滲み出た水が流れ込み、太い排水パイプに向かって流れて行くのです。

 

水が高いところから低いところに流れることは誰にも止められないものです。

 

今月は農園でやることがテンコ盛りですので、ハーレーに乗る時間なんかはありませんが、4月の中旬ぐらいになったらハーレーに乗る時間も見つけられるでしょう。

今日は嫁さんと作業していたので、休憩時間にジュースを飲みながら色々と話をしていたのですが、嫁さんは去年に折角知り合いになったバイカーさんを私が次々に断捨離してしまったので、今年は一人でバイクに乗るしかないよと言うのです。

 

このブログに何度も書いていますが、本来バイクは贅沢な孤独を味わうオモチャだと私は思っています。

 

農家出身の嫁さんは本来農業というものは一人で働くものだが、軟弱な私は困った時には直ぐに友人に連絡して助けに来てもらっているので、バイクも一人で乗れない弱い人だと思っていると凄く失礼なことを言うのです。

確かにシカゴ時代はバイク仲間と一緒に走っていたのが大半であることは事実ですが、それはバイク仲間が会社の幹部や同僚達であることを嫁さんは全く考慮してくれてないのです。笑

 

以前の日記に詳しく書きましたが、全身をハーレー純正の高価な服で身を包み、爆音が出る違法マフラーに交換している人達とは一緒にバイクで走りたくないというのは水が高いところから低いところに流れるのは誰にも止められないことと同じように感じたのです。

そして22年間も会わなかった悪友達が帰国後に以前の様な付き合いが始まったことも水が高いところから低いところに流れるような自然なものだったと思います。

 

還暦前の私の様に誰に対しても八方美人を続けていれば、表面上は沢山のバイク仲間に囲まれて楽しいツーリングをしているように見えるかもしれません。

それは修復前の第11レモン畑によく似ていると思いました。

つまり誰に対しても八方美人を続けるということは排水溝に落ち葉や石が堆積していて、畑に水が溜まってしまう不健康な畑を続けるということと同じだと感じました。

 

機能しなくなった古い排水パイプを交換する大半の作業を悪友T君に任せてしまい、辛い目に遭わせてしまったことを少し後悔していますが、そのお陰で腐った水の大半は音を立てて排出して行きました。

本来なら水は高いところから低いところに流れるのです。

その自然の摂理に逆らえば何処かが不健康になっていくのではないかと私は思いました。

 

T君と私が古い排水パイプを交換した時に畑に溜まっていた腐った水が音を立てて排出して行った時はそれまでの疲れが吹き飛ぶほど爽快な気分になりましたよ。
この感じはいけ好かないバイク野郎を断捨離した時と似ている爽快感がありましたね。笑
 
そして畑一杯に溜まった水が排出されると水溜まりが出来やすい畑の凹んだ箇所が浮き彫りになるのです。
水が流れずに水溜まりになったままですから直ぐに判りますよ。笑
だからその箇所に新たな排水溝を悪友達と設置したことや、凹んでいる箇所に土壌を盛ることで平にすれば見事に畑から水溜まりは消滅しました。
 
水というものは繋がってさえいれば世界中何処へ行こうともいつも何処でも公平だと感じましたね。
 
こんなものは頭を使うと言えるものではなく、単に水は高いところから低いところに流れるという幼稚園児でも知っている単純な自然の摂理を使っただけです。
プロ農家の人達は大型の農機具を使ってもっとスマートにやりますが...笑
 
私が何が言いたいかと言うと、自然の摂理に逆らったら人生を損するように思うのです。
腐った水が流れ出した第11レモン畑を見ていると、人間の身体の中の膿が気持ちよさそうに流れていくように感じるのは水は高いところから低いところに流れるという自然の摂理に合わせてやったからだと感じるのです。
排水溝に落ち葉や石が堆積していて、その箇所の排水溝から水が溢れかえっていましたが、もしその畑が人間の身体だったら、随分痛さを我慢していたと思います。
 
要するに水を高いところから低いところに流してやるという単純な自然の摂理に従ってやるだけで畑全体が楽になって健康になって行くと感じるのです。
今までの八方美人の私を振り返ってみると自然の摂理に逆らって随分損をしていると思う節が幾つもあります。笑
 
その内の一つが今朝息子と話したことで思い出しました。
私は息子が一歳半の時に私が通っていた青い鳥音楽園のリトミック教室に通わさせ、ピアノという楽器に慣れさせることから始めました。
私は息子をジャズピアニストにさせたかったのです。
 
夜中でも練習出来るように電子ピアノも揃えました。
グランドピアノと同じ88鍵あり、グランドピアノと同じタッチで弾ける高級な電子ピアノです。
電子ピアノですから、MIDI出力して、幾つものギターの音色が出るように音源装置も揃えました。
息子としては父親の私がジャズピアニストになることを凄く期待していたので、ピアノを辞めたいとずっと口に出来なかったのです。
 
そして息子はシカゴで暮らし始めた時にピアノとは縁を切る宣言をしました。
息子は二度とピアノには触らないと宣言しましたが、それは今でも守ったままです。
英語も話せるように勉強しなければならないし、ピアノなんかを弾いている暇はない❕と言われたので、私は渋々それを認めたのですが、その内にピアノを弾くようになると私は信じていました。笑
 
息子はその時に父親の呪縛から解放されたことに安堵したらしいです。
息子は父親の私がしてくれたことに一番感謝しているのはあの時に僕がジャズピアニストになることを諦めてくれたことかもしれないと言います。

息子は8歳でしたが、Charlie Parkerのアドリブの楽譜を渡したら、初見で弾きましたよ。

ここまで上手になっているのに...と私はあの時は正直言って大きなショックでしたよ。
 
結局その時のCharlie Parkerのアドリブの演奏が息子がピアノを弾いた最後になりました。笑
息子にとってはピアノを断捨離したことは水を高いところから低いところに流してやるということだったのでしょう。
 
やぱり水を高いところから低いところにしか流れないのです。
 
私は改めてあの時は息子に申し訳ないことをしたと感じました。
私は父親として息子が生活していけるだけの術を身に付けてやろうとしていただけなのは息子も十分に理解していますので、息子は私を恨んでいることは全くありません。
今でも大の音楽好きなのはお父ちゃんの影響だと言ってくれてます。
 
現在息子と嫁のGちゃんは究極の豚骨ラーメンを作ることを人生の楽しみにしていますが、自分自身が本気で楽しめるものを得たことが父親の私としては一番嬉しいものです。
 
最後にもう一度言っておきますが、水が高いところから低いところに流れることは誰にも止められないのです。