前回の続きです。
 
先日に私が断捨離したバイクチームのメンバーでハーレーのローライダーという1700㏄のデカいバイクに乗るKさんから電話がありました。

今まで使っていたB+COMというインカムを欲しかったら私に差し上げると言うのです。

 

何で❓

 
【 FXDL Dyna Lowrider 】
実はKさんはそのバイクチームを抜けるからでした。
 
どうやらそのバイクチームにはリーダーからインカムを買えと一方的に言われて私が気分を害しているみたいに伝わっていたようです。
それは半分当たっているのですが、根本的な問題が他にあることは前回に書いた通りです。
 

Kさんはドライブレコーダーの機能を装備した最新式のインカムを買ったそうです。

そのインカムは接続可能な台数が少ないのですが、今年からは大学時代の友人と二人だけで走ることにしたので問題ないと言うのです。
Kさんはどうしても乗りたいバイクがあるので、ローライダーを処分して新しいバイクに乗り換える積りなのです。

 

そうすればそのバイクチームでは走れなくなると言います。
 
それって、どんなバイク❓
 
驚きましたよ。
1700㏄のデカいハーレーを乗っていたKさんが買い換えるバイクはたった150㏄の小さなエンジンのバイクだったのです。
 
【ヤマハ YZF-R15】
 
私はヤマハのそのバイクを知らなかったので、1300㏄ぐらいの大型バイクなのかと訊いてみたら、なんと、水冷155㏄の小さなバイクでした。
小さなバイクでも排気量が155㏄なので高速道路も走れるとKさんは言います。
 
えっ❓ 1700㏄のデカいハーレーに乗ってるKさんがどうしても乗りたいバイクがヤマハの150㏄のバイクなの❓
 
もし私が今でもシカゴで地平線が見える広大な大地をバイクで走っていたならKさんが155㏄の小さなバイクに乗りたい気持ちが理解できなかったでしょう。
そして帰国してからは比叡山の峠越えのコースがメインになると250㏄辺りの小さな排気量のバイクでそのコースを走るのが凄く楽しいことを知りました。
 
そりゃ、150㏄の小さなバイクではあのバイクチームでは一緒に走れないわな...
 
あのバイクチームが走る速度は125㏄のクロスカブでも十分に付いて行ける速度なので、ヤマハ YZF-R15なら十分なのですが、男性は大型バイクに乗るといった見えないプライドみたいなものがあるのです。

チームが走る速度が遅いのは大勢のバイカー達全員がまとまって安全に走るにはそうなってしまうのは仕方ありません。

 

Kさんはそのバイクチームに入るために大型バイクの免許を取ったそうです。
そしてチームのカラーに沿うように大型のハーレーを買ったのですが、今になって学生時代に乗っていた小排気量のバイクに戻りたいのです。
 
バイクを知らない方に言っておきますが、125㏄や150㏄といった排気量が小さいバイクを運転するのはハーレーを運転するよりも遥かに難しいのですよ。
小排気量のバイクを気持ち良く走らせるにはバイクの腕が要るのです
 
排気量が小さく馬力がないので、峠を走るにはエンジンを常に高回転をキープしておき、適切なギアにタイミング良く切り替えなければなりません。
私のハーレーは全く逆です。
 
1200㏄と排気量が大きいのでトルクが凄くあるのです。
だから峠を走るのもギアを3速に入れておけば遅く走る時も早く走る時も大丈夫です。
上り坂でもトルクがあるハーレーは3速だけでドコドコドコと力強く走っていきますが、125㏄のバイクは頻繁にギアを変えて常にエンジンを高回転にキープしながら極限状態で走って行くのです。
 
それが楽しいのです❕
 
私も学生時代は250㏄の小排気量のバイクに乗っていたのですが、峠越えコースで先輩が乗るCB 750の大型バイクに付いて行くには大型バイクの10倍ぐらいの頻度でギアチェンジをしていましたよ。
非力なバイクを自分の腕で大型バイク並に走らせるのですから、150㏄のヤマハ YZF-R15のクラスのバイクには6速ギアまであるのですよ。
 
小排気量のスポーツバイクはフットペダルが地面に擦れて火花が散るほどバイクを倒してコーナリングをすることが出来るのですが、同じスポーツバイクでも排気量が大きいバイクでそういうことをするには日本の一般道路では無理ですからね。
ハーレーのローライダーなんて論外であり、真っすぐ走る為のバイクにそういうことを求めるのは間違いです。
 
人はより難しいことをすることに楽しみを感じる動物だと私は思います。
 
311kgのローライダーの半分以下の141kgのヤマハ YZF-R15は大きな自転車を運転している感覚なので、自分自身がそのバイクの隅々まで操っている感覚が堪らないと言います。
Kさんは大学時代の友人とも時々ツーリングをしていたのですが、その時にヤマハの150㏄のバイクを運転させてもらっていると、ハーレーのローライダーを運転するより100倍楽しいと思う感情が我慢できなくなったらしいです。
そうなると大学時代のバイク仲間とツーリングする方に週末を使いたいと思うのは自然の成り行きだったみたいです。
 
私も同じだったので偉そうに言える資格はないのですが、若い頃は大きなバイクに乗ればもっと楽しい走りが出来ると思うものなのです。
でもね、それは大きなバイクに乗ってみないと昔乗っていた小さなバイクが一番楽しいものであることに中々気付かないものですよ。笑
 
Kさんの大学時代の友人は奈良の石舞台古墳の近くに住んでおり、滋賀の草津に住むKさんに会いに来ただけでも既に疲れているらしいです。
だから彼とは今までの様に頻繁にツーリングができないので、今年からはソロツーリングが増えることになるそうです。
 
ぶっちゃけた話、Kさんの言うことはブレブレですよ。
 
以前の日記に書きましたが、去年に私は長浜の有名ラーメンにラーメンを食べるというプチツーリングに参加した時の話です。
その時に私は初めてそのバイクチームと一緒に走ったのですが、Kさんが私に言ったことをハッキリ覚えています。
 
皆でワイワイ言いながら一緒に食べるラーメンは凄く美味しいが、一人で同じラーメンを食べても普通に美味しいだけだと言うのです。
数年前に滋賀総合病院に入院した時もバイク仲間が代わる代わるお見舞いに来てくれたので元気を貰ったそうです。
病院に入院して精神的にも弱っていた時にバイク仲間が見舞いに来てくれて、顔を見せてくれたお陰で心も身体も元気になったと言います。
Kさんは中型免許しか持っていなかったが、そのバイクチームに入るために大型免許を取ってハーレーを乗り始めたことで人生が楽しく変わったと話してくれました。
 
Kさん、御免なさいね、私にすれば一人でラーメンを食べに行けない気弱な男だと感じてしまうのです。
独身時代の嫁さんでも一人で駅裏の汚いラーメン屋に行ってましたよ。笑
 
何れにせよ、Kさんはそのバイクチームに入って、皆で一緒にバイクツーリングをするようになって人生が楽しく変わったと話していたのに、乗りたいバイクが現れたら躊躇することなくそのバイクチームを抜けるのです。
 
その程度だったのです❕
 
嫁さんから私は友達が少ないと言われますが、少ない友達であっても私がお金に困っている時に200万円ぐらいの現金を持って来てくれるのです。
3年前にシカゴから帰国した頃に私は失敗をしました。
 
シカゴ郊外のCITIBANKの係員は預金を滋賀銀行に送金するのに2日しかかからないと言ったのですが、実際は2週間ほどかかりました。
確かにCITIBANKは滋賀銀行に1日で送金しましたが、滋賀銀行が時間がかかったのです。

滋賀銀行から電話がかかってきて、身分を証明する運転免許証やマイカードを提出しました。

それから担当者は書類を作成して滋賀銀行本社に提出し、審査を受けた後に入金がありました。

 

シカゴでは現金で支払うことは滅多になく、クレジットカードさえあれば大丈夫でしたが、滋賀の田舎町では個人の歯医者さんなど、まだまだクレジットカードが使えないところがあるのです。

私は悪友の一人にCITIBANKが滋賀銀行に送金したお金を私の口座に振り込んでくれるまで100万円ほど現金を貸してほしいとお願いしたら、彼は倍の200万円の現金を持ってきてくれました。

 

友人には直ぐに返しましたが、あの時は助かりましたね。

我が村にある理髪店に行ったら、クレジットカードは扱ってないと言われて、その時は帰りましたよ。

22年間のシカゴ生活で現金で支払うという意識が無かったので、ドルを円に換えて帰国したのはオヘヤ空港で500ドル分だけでした。

 

バイクで繋がった友情は強い絆があるとKさんは私に力説していましたが、困った時に本当に助けてくれる人達なのでしょうか。

悪友達とは高校時代からですから、50年近い付き合いがあるのです。

友情というものはそんなに簡単に得られるものではないと私は思います。

 

もし悪友がお金に困ったなら、私はハーレーでもGibsonやFenderの軽トラよりも高かったギターを売ってでも助けてやりますよ。

嫁さんとの生活に必要なお金や物は悪友のために絶対に使えませんが、ハーレーでも高価なギターでも、それが無くても我々が生活できるモノは喜んで悪友の為に使いますよ。

学生の時からそういう付き合いを50年近くしてきたから友情みたいなものがあるのですが、そういうものが街中で爆音をまき散らして一緒にバイクを走らせるだけでは得られないと私は思います。

 

Kさんはローライダーを処分しなければ年に何回かはそのバイクチームのツーリングに参加できるのですが、マンション暮らしの彼にはバイク2台分の駐車場を確保するが厳しいみたいです。

でもね、私から言わせればマンション近くに新たな駐車場を借りればいいだけの話であり、その毎月の賃借料金は田舎町ですから2万円ぐらいだと思います。
 
Kさんはそのバイクチームに入って皆と一緒にハーレーを乗り始めたことで人生が楽しく変わったと話してくれましたが、そんな人生の大きな出来事だったのに、毎月たった2万円ほどのの駐車料金を払うのが勿体ないのかよ❕と私は思ってしまうのです。
 
一人遊びが出来ない悲しい大人たちが集まって、週末の孤独を誤魔化しているように私は感じてしまうのです。
そんな風に人生を歩んでいたら、定年退職して会社に行かなくなったら孤独で死んでしまいますよ。笑
私にとっては大勢でラーメンを食べようと、一人でラーメンを食べようと、旨いラーメンは旨いし、不味いラーメンは不味いのです。
そんな風に思ってしまうので私は友達が少ないのでしょうね。笑