「諦めなくて良かった」
今、ボクはそう言うことができる。
そう、2023年4月24日(月)その日、ボクは1,099日間という時間を経て、スト5でダイヤモンドリーグに到達することができたからだ。
実に累計15,314試合を数えていた。
ダイヤモンドリーグに至るまでにも幾つものリーグアップは必要だ。
ルーキーから始まり、ブロンズ、スーパーブロンズ、ウルトラブロンズ、シルバー、スーパーシルバー、ウルトラシルバー、ゴールド、スーパーゴールド、ウルトラゴールド、プラチナ、スーパープラチナ、ウルトラプラチナ。
その次がダイヤモンドだ。
ダイヤモンドリーグが特別視されるのは、ここから「無差別帯」が始まることにもよるのだろう。それまでは自分と同じリーグか、一つ下、一つ上のリーグのプレイヤーとしかマッチしない(ルーキーはスタートリーグのため、一つ下とのマッチはしない)。しかし、ダイヤモンドリーグからはマッチング対象の上限が撤廃される。つまり、スト5のプロプレイヤーともマッチングするようになるのだ。
そんな特別なリーグだから、ボクが知る限り、ダイヤは多くのスト5プレイヤーの憧れになっている。ダイヤモンドプレイヤーは一目おかれる。そんな印象もある。
ダイヤモンドリーグに到達するのに必要なLPは14,000。
ウルトラプラチナに必要なのはLP12,000だから、そこから2,000上げれば良い。
数値的には、ウルプラに到達するまでの道のりを思えばわずか16.7%の増加だ。
けれど、ボクは初めてウルプラにリーグアップしてからダイヤに辿り着くまでに411日を要した。冒頭で述べたように、ボクはスト5を1,099日間プレイした。その内の411日間は37.4%を占める。改めて終盤の苦しさが思い出される。その苦しみも、こうして報われて本当に良かったと思う。
その日のLPは13,511からスタートした。
当日のランクマッチは2連勝から始まった。その後は負けたものの着実に勝ちを重ね、リーグアップに必要なLPも残り300を切った。いよいよリーグアップを意識し始めたその時、これまでの失敗が思い出された。
「リーグアップまであと少し。一気に決めてしまおう」
そう考えてプレイして上手くいった試しはない。
そうやって自分で決めた「あと少しだからLP○○まで上げておこう」はことごとく失敗し、LPはむしろダウン。
それならばと、そう決意したところまでLPを戻そうと試みるが、希望とは異なり、逆にLPは更に減少して。
そしてついには投げやりになり、必要以上の敗北を重ねていく。
そんなことをもう何度繰り返したというのか。
だからその日も、そこで止めようと思った。
ダイヤ到達まであとLP280。
そこで止めておくことで、また次のタイミングで冷静に臨んだ方が良い。何度か自問自答を繰り返し、そう考えた。
しかし、(結果からすれば)幸運にも、もう一つの欲求が存在した。
それは「戦いたい」という欲求だった。もちろんLPに対する意識がなかったわけではないが、それ以上に対戦を楽しみたいという欲求が高まっていたのだ。
とは言えLPも意識していたため、その後の試合は大きく緊張した。この辺は堂々巡りだ。
VS.スパプラアビゲイル。
この方とは過去に何度かマッチングしたことがあり、直近はボクが負けていた。
「ボクも過去のボクではないさ」
そう自分を鼓舞して意気揚々と臨んだものの、取れると思ったround1を取られ、プレッシャーがかかった。
アビゲイルはそういうキャラだ、とボクは思う。前半はこちらが試合を支配していても、後半でコロッと逆転してくる。そんな展開にこれまで何度ガッカリしたことか。
だが、ボクは諦めなかった。
最近座学としてCFNで観ていた、ボクと同じVスキル、Vトリガーを使うダイヤコーディーさんのVS.アビゲイル戦のリプレイを思い浮かべながら戦った。
勝った。
この勝利の影響は大きかったと思う。
逆にここで負けていたら。
過去何度か対戦し、直近では負けていた相手に再び負けたとなれば、精神的なダメージは無視できなかったことだろう。
そしてVS.ウルプラケン。
何の根拠もないが、FIDの文字列から何となく猛者だという感じがした。
この試合が最も緊張した。この試合に勝てば次は間違いなくリーグアップチャンス、昇格戦になるし、対戦相手はきっと猛者だ。また、ケンは以前に大火力のリーサルを決められて敗北した記憶も新しいキャラ。
「さっきのアビゲイル戦で一旦止めておき、日を改めてランクマへ、とした方が良かっただろうか」
そんな考えも脳裏をよぎった。
嫌な予感が的中したように、round1を取られてしまった。今改めて試合を見直してみると、勝ちたい気持ちが先走り、不用意にダブルキックを繰り出してはカウンターでリターンをきっちり決められている。にも拘わらず、ボクはそれを何度か繰り返していた。
round1を取られ、次のround2。
とにかく落ち着くことを意識した。相手の動きをよく見て、手癖になっていたダブルキックを我慢しようとした。リプレイを観てみると打つべきところではないところでやはりダブルキックを繰り出していたが、落ち着きを取り戻しながら戦え、何とかこの猛者プレイヤーさんにも勝つことができた。
手が震えていた。
初めてのダイヤモンドリーグアップチャンスが次戦となる。
たとえ負けたとしても、こんなボクが夢にまで見たダイヤまであと1つのところまで来ている。その時点で既に誇らしさを感じていた。
しかし、ここまで来たからには何としてでも勝ちたかった。
その夢を「追いかけるもの」でなく、「叶えたもの」にしたかった。
リーグアップチャンスの試合は不思議と緊張しなかった。
対戦相手はウルプラアビゲイル。
5連勝中のウルプラアビゲイルさん。5連勝中とのマッチング?カ○コン、っざけんなよ!とは思った。
2戦前にスパプラアビゲイルと戦っていたボクは、なぜかシャア口調で「ウルプラアビゲイルとスパプラアビゲイルの違いとやらを見せてもらおうか」と思っていた。
勝ちたい気持ちが緊張やLP増減への意識を上回り、「目の前のアビゲイルに勝ちたい」ということに集中していたのだ。
開幕で中ラフィアンキックを打つことは決めていた。当たれば勢いに乗れると思ったし、ガードされても屈弱Pで返されることが多かったため、大したリターンはもらわないと判断したからだ。
中ラフィアンキックが当たる。勢いに乗る。
アビゲイルのタイヤを読み、リターンを取れ、round1を取れた。
今思い返しても、round2終盤まで、ダイヤ昇格への意識はどこかへいっていたと思う。
何よりもこのウルプラアビゲイルさんに勝ちたい。試合に集中できていたのだ。
round2、体力リードする。勝ちが見えてくる。
その時、初めて「勝てばダイヤ」が意識された。
最終盤、こちらのゲージは3本、ファイナルコンビネーションがヒットする。
「やった!勝った!ダイヤだ!」
ファイナルコンビネーションからCAでリーサル、勝ちが確定した瞬間だった。
しかし。
ボクはCAコマンドを失敗した。ファイナルコンビネーションを打ち切った後、CAが出なかったのだ。
「ふざけんなよ!」
ボクは自分の不甲斐なさに対してそう呟いた。前述した通り、アビゲイルは後半の逆転力に優れたキャラだ。このコマミスをきっかけにして逆転される可能性は存在する。
しかし、ボクは冷静だった。体力リードが大きかったことに救われたし、何よりこの試合に集中できていた。これまでに経験してきたアビゲイル戦でのやられパターンが幾つも浮かんできた。
「やった。やった!やった!!」
そう言える瞬間が訪れたことを、今こうして振り返りながら、改めて本当に嬉しく思う。
先日、あるスト5仲間の方にこんな応援メッセージを送った。
「ウルプラになれるのであれば、技術的なことはダイヤ昇格には足りている」
以前、ダイヤより遥か上のリーグで戦われているスト5仲間の方に教わったことだ。
ダイヤに到達することが出来たとは言え、残念ながらボクは自分がダイヤの強さを身につけたと胸を張って言うことはまだできない。長い時間をかけたことで、何とかダイヤにタッチできるだけの様々な確率を引き当てることが出来た、と言うことも出来なくないだろう。
それでもスト5に費やした時間の内、37.4%をウルプラからダイヤへの道に使ったボクには、その教えはその通りだったと実感する。
もしも今、目標リーグに向かう道中で折り返し地点に到達したことがありながらも、そこから先の道を阻まれ、苦しまれている方がこのブログ記事をご覧になっているとしたら。
そこまで前進できたからには、実力は十分だと声を大にして伝えたい。
このあと必要なものは、様々なものの巡り合わせ。
だから、何度心を折られても、その目標リーグがあなたの夢であり続ける限り、何度だって立ち上がってやればいいと応援する。
何度も道を阻まれ、ダイヤモンドリーグ到達断念という決断をし、けれども再び立ち上がらせていただき、こうして夢を叶えたボクはそう思う。夢を持ち続ける限り、すべてのスト5プレイヤーがその夢を叶えられ、喜びを分かち合いたいと思う。
これはボクが夢を持ち続けないと決断した時のブログ記事。
どなたかにもおっしゃって頂いた通り、これも一つの正解だとも思う。
大切なことは「夢を持ち続ける限り」は「諦めない」ということ。
もう一度書く。
諦めなくて良かった。
100回たたけば壊れる壁を99回叩いて諦めることなく、もう一度叩いて良かった。
ボクがその100回目を叩けたのは、スト5仲間の励ましや応援、その存在のおかげだ。
ボクも彼ら彼女らに倣い、微力ながらもあなたの力になれればと思う。
あなたに幸運を。応援しています。