エリック・クランブル(Eric Crumble,1966年12月10日生まれ)というアメリカのボクサーがいる。0勝31敗、すべてKO負け。それが彼の戦績だ。
ボクは最近になるまで彼の名前も知らなかったし、彼の試合を観たこともない。それでも彼はボクの好きなボクサーの一人だ。
フロイド・メイウェザー・ジュニア。彼は50戦50勝0敗、5階級を制覇したボクサーだ。PFP最強とも評価された。彼もまたボクの好きなボクサーの一人である。
例えばTwitterで、ストリートファイター5について検索をしてみる。
様々なツイートの中で、リーグアップに関するものを見つけることができる。
苦労の末に「ダイヤモンドリーグ昇格」を成し遂げた方たちがネット上にその成功体験をアップロードされているのを見つけることができる。
ボクは幾つも、そして何度もそういう情報を得ては、自らのモチベーションアップのきっかけにしてきた。
しかし、今ボクは、彼らとは異なる趣旨でブログ記事をしたためる。
そう、ボクは2年と6ヶ月17日という歳月をして、「ダイヤモンドリーグ到達断念」という決断をしたからだ。
「一日に1000ポイントものLPを失うこともあった」
「リーグアップしたと思ったら、瞬く間にリーグダウンした」
「何度も不可能だと思った。心が折れかけた」
(側から見れば)すんなりとダイヤモンドリーグに到達する人たちもいれば、そのように幾度もの苦労を超えて到達する人もいる。
彼らからすれば、ボクのような決断をする人間にも、「まだ諦めるのは早い」となるのかも知れない。それでもボクは決断した。
「100回叩けば壊れる壁を99回叩いて無理だと諦める奴がいる」
そんな言葉がある。
誰かがなかなか報われない挑戦を続けている時に、その言葉を引用して励ましたことがある。100回目に彼の挑戦が報われるかも知れないのだから。諦めるな、がんばれ、と。
そのようにいつかは叶う願いの一方で、世の中にはどんなに努力をしても叶わない願いもある。ボクの場合はそれが「スト5でダイヤモンドリーグに到達する」ということだった。
いやいや、まだ試していない努力があるんじゃないか?
それで努力?甘いのではないか。
決断した今も、心のどこかにそのような可能性を信じたくなる気持ちもある。
しかし、それにももう、ウンザリするほど裏切られた。いい加減に、身の程を知れということなのだとボクは思う。
ここまでまとまりもなく書き連ねたが、これがボクの正直な感想だ。
しかし、悲観するばかりの断念ではない。ボクは多くのものを得ることができた。
スト5を通じて知り合えた皆さんの存在。まずそれが何よりも価値あるギフトだ。
それから、矛盾に聞こえるかも知れないが、「諦めずに努力をすれば報われる」ということもボクが改めて実感できたことだ。ボクの場合はそれがウルトラプラチナリーグ到達までだったということだ。
そして挫折を学ぶことができた。
先述した通り、ボクは100回目に壁を叩くことを諦めてはいけないという価値観を持って生きてきた。何かを得ることができないのは、それを得ることを諦めるからに過ぎないと思っていた。しかし、人生それだけじゃないということを、頭の辞書に持っていなかったとは言わないが、分かってはいなかった。
さらに、自らの限界。これを知ることができたのも、ボクにとってはとても価値ある出来事だ。
人によっては、ダイヤモンドリーグがその限界であるかも知れない。スパダイが限界かも知れない。ウルダイ?マスター?あるいはグラマス?あなたの限界はどこにあるだろうか。
ボクのそれはウルプラだった。そういうことなのだ。
これを知ることができたことは、ボクにとって生涯の財産になると思う。大げさな表現だと思うが、それは的確な表現だとも思う。
ウルプラに到達できたと書いたが、それはボクがLP獲得に固執し、1先でランクマに臨んできたことが功を奏したからだ。2戦目になればボクの引き出しの少なさは見透かされ、敗北率は高まる。ボクはそれを知っていた。残念ながら。だからワンマッチに賭け、アクシデントで何とか格上に勝つことを期待した。しかし、それが通用したのはウルプラ到達までだった。
そういう意味では、ボクの限界はウルプラよりずっと手前にあったと思う。
対戦格闘ゲームが好き。でも苦手。
でもやっぱり対戦格闘ゲームが大好き。
それがボクだ。
2023年6月2日、スト6が出る。対戦格闘ゲームが大好きなボクはもちろんプレイするつもりだ。
しかし、スト6ではやり方をスト5と変えていく。
LPに固執するのでなく、強くなることを追い求めていく。対戦を楽しみ、活かし、成長に繋げていく。
苺のショートケーキがある。
あなたは苺を最初に食べる?
それとも最後に食べる?
あなたがもしもボクと同じ側だとしたら、目標についてこう考えると良いかも知れない。
「○○リーグに上がるぞ!」ではなく、「どのリーグまで辿り着けるだろうか」と。
ランクマッチに臨み、勝ち負けでLPを変動させることはどちらも同じだが、そうやって考え方が変わったことで、ボクはもう一度スト5に向き合うことができるようになった。
結びに、大好きなスラムダンクのワンシーンを。
ボクの挑戦は次の段階へ。
そう信じ、期待している。
2022年11月8日記
2023年1月16日一部修正