4/15、臨時会で議案が付託され、総務委員会が行われました。

概要について記載します。

 

〈案件〉

1 第40号議案 令和6年度豊島区一般会計補正予算(第2号)

 

上記1件の審議を行いました。

当該補正予算は、政府によるいわゆる定額減税及び給付金に伴って組まれたものです

 

◆予算規模など

一般会計補正予算は、35億6750万円。

このうち特定財源が30億6341万円(85.9%)、一般財源が5億408万円(14.1%)です。

すなわち、区の持ち出しが5億円生じる予算になっているということになります。

 

給付費が29億2200万円、事務費が約6億4500万円。

給付費は全額特定財源、事務費は一部のみ特定財源で区からの持ち出しが5億408万円。

国が見る事務費は全国一律の単価(下記概要の(1)(2)は3000円×世帯数、同(3)(4)は、2500円×世帯数)です。

人件費などが異なるのに、なぜ一律の単価でよいと国は考えるのでしょうか。

これでは本区が見込む事務費のうち2割程度しかカバーされません。

 

◆定額減税及び給付金の概要

(1)定額減税

合計所得金額が1805万円以下である納税義務者及びその配偶者を含めた扶養親族1人につき、所得税3万円、住民税1万円を減税。

下に示す内閣府資料の右下のグレーの部分(本則)に当たります。

 

(2)調整給付

定額減税可能額が納税義務者の所得税額又は住民税所得割額を超える場合にはその差額を給付。

差額は1万円単位に切上げて給付額が決まります。

内閣府資料の右側の青い部分(4)に当たります。

 

(3)令和6年度新たな住民税非課税世帯等への給付

6年度に新たに住民税非課税又は均等割りのみ課税となる世帯に対し、世帯あたり10万円を給付。

内閣府資料の中段下の青(3)に当たります。

 

(4)こども加算

6年度に新たに住民税非課税又は均等割のみ課税となる世帯に対し、18歳以下の児童一人あたり5万円を給付。

このパターンは内閣府資料には記載ありません。

 

以下は、令和5年12月内閣府資料より


 

なお、上記の表のうち、以下については既に支給済みです。

(1)中段左 住民税均等割、非課税世帯

(2)中段右 住民税均等割のみ課税世帯

(2)中段上 低所得者の子育て世帯

⇒区HP「豊島区物価高騰対策臨時給付金について

 

◆スケジュール

6年4月下旬 税務システム改修完了

5月中旬・6月上旬 区民税・都民税税額通知発送(特別徴収・普通徴収)

7月下旬 給付通知発送

8月中旬 給付申請受付、給付開始

 

基本的な制度は上記の通りです。

住民税は前年度の所得に対して税額が確定しますが、所得税はその年の収入に応じて税額が変動します。

異なる時点を対象とする税で減税しようとするため、分かりづらい制度になります。

また、前年度に給付を得た世帯が6年度から課税世帯となった場合などは、上記の制度に重ねて対象となることができます(5年度に給付を受け、6年度に減税対象となることができる)。

 

政府による減税政策なので、執行に掛かる費用は国が全額負担するのが筋です。

国と地方との関係は「対等・協力」の関係であり、「上下・主従」関係ではありません。

それにもかかわらず、区が見込む事務費のうち2割程度しか国からは入らず、5億円程度は区の財政調整基金を取り崩して予算に充てることになります。

この点は本当に大きな問題だと考えます。

区長会等を通じて国へ十分な事務費を責任もって手当するよう強く求めるものであり、区へも国への働きかけを要望しました。

 

先述したように公平性に欠けることも課題です。

同じ制度の中で減税と給付の両方に該当する方が生じ得るなど、制度設計に問題があると考えます。

 

豊島区だけで事務費は約6億4500万円を見込みます。

これは給付費の約2割に相当します。

複雑な制度にしたが故に事務費が膨らんでいると言わざるを得ません。

こうした制度にするのであれば、減税という形にこだわるのではなく、一律給付を行った方がはるかに効率がよく分かりやすく公平なものとなったでしょう。

 

区民に恩恵のある減税及び給付は結構ですが非常に分かりづらい制度で課題も多く、関連する事務費が全額国費では出ない、という大きな問題あり。

ただ、国民の負担を減らす減税・給付政策なので賛成しました。

 

採決は全会派一致で可決に賛成となりました。