1/29、環境・清掃対策調査特別委員会が行われました。

午前中に案件の議論を行い、午後はプラスチックの再資源化施設の視察でした。

 

〈調査案件〉

1 豊島区における資源回収のリサイクルの流れ

 

【1 豊島区における資源回収のリサイクルの流れ】

本区における資源回収のリサイクルの流れにつき説明を受けました

豊島区では資源回収を品目ごとに週に一度行っています。

⇒区HP「資源回収・ごみ収集カレンダー

⇒区HP資源分別方法「資源を出したい

 

資源回収の流れ

資源回収→選別・中間処理(数工程に及ぶ場合あり)→再商品化(場合によっては最終処分)

 

びん・かん・ペットボトル、可燃系資源(古紙・段ボール、古布など)、プラスチックなど、品目ごとに収集運搬業者や資源回収後の中間処理事業者などは異なりますが、おおまかな流れは共通です。

びんの中にはリターナブルびん、ペットボトルではボトルtoボトル、のリユース・リサイクルが可能となっているものもあります。

 

本区で10月から本格実施しているプラスチック資源回収には、大きく2つのルートがあります。

〈指定法人ルート〉

プラスチック製容器包装等は、中間処理後(分別・圧縮・梱包)に指定法人が処理をするもので、プラスチックをペレット(プラスチックを破砕などして粒状に成型した素材)にして再商品化製品(原材料)とします。回収量全体の約9割。

午後に視察したエム・エム・プラスチックは、このルートの事業者の一つ。

 

〈独自処理〉

製品プラスチックなどは、中間処理後(分別・圧縮・梱包)に区独自で再商品化事業者へ引渡し、ケミカルリサイクル(ガス化)しているもの。回収量全体の約6.6%

上記2つのルートに乗せられない資源にならないものは約5%

 

プラスチックの資源回収には、回収から中間処理まで5億7000万円程度かかり、今後も通年で経費としてかかります(当初4年間は都からの補助金が年間約1億円)。

多額の経費は掛かるものの、地球温暖化への対策、CO2削減への取り組み、などで開始した事業です。

今後も分別方法だけでなく、事業の意義などを含めた周知活動を区には期待したいです。

 

【委員会視察 プラスチック再資源化施設】

午後はプラスチック再資源化施設の視察を行いました。

視察先:エム・エム・プラスチック株式会社 富津プラスチック資源化工場(千葉県富津市新富66−1)

 

同社は本区で回収したプラスチック資源を再商品化している事業者のうちの1つです。

リサイクル方法は、マテリアル(材料)リサイクル。

事業内容につきDVD視聴後、工場見学、説明・質疑応答、という流れ。

 

同社は年間15000トンのマテリアルリサイクルを手掛けていて、そのうち8〜9割が東京特別区からのプラスチックを受け入れ。

リサイクル製品はプラスチックをペレット化したのち製造するパレットが主力。

ゴミ袋、食品トレイ、プラスチック製ブロック、床材なども製造しているとのこと。

 

プラスチックを圧縮・梱包したベール品

 

豊島区のベール品もありました(写真は「プラスチック容器包装」)。

豊島区から回収されたプラスチックは、中間処理工程で「プラスチック容器包装」と「製品プラスチック」に分別されています。

 

素材ごとのペレットの方が付加価値が高いため、PP、PE、PSに分別する工程がありました。

 

製品プラスチックのみに分別して収集している自治体があり、この方がよりマテリアルリサイクル時の施設側の負担が軽減されるとのこと。

 

リチウム電池などによる火災への対応も行われています。

機械選別はするものの、取りきれない場合があるようです。

万一の火災に備えてコンテナごとに処理する工夫もなさっていました。

家庭ごみの焼却施設でも、近年はリチウム電池による火災が頻発しています。

電池類は適切に分別しないと事故につながるので、各家庭での分別徹底をお願いしたいです。

 

マテリアルリサイクルで生まれ変わったパレットですが、製品の品質を保つために様々な試験の工程があります。

 

 

リサイクルを行うにあたり、例えばプラスチックとアルミを複合した包装の場合、これを分離してリサイクルする工程が大変だとのこと。

もちろん、消費者の利便性や品質担保などの理由で生まれた工夫ではあるものの、リサイクルの観点からはやりづらいのも事実。

現在はそもそもリサイクルしづらいものをなるべく作らない、という考えも大事になる、とのこと。

持続可能な社会としていくために必要な観点だと思いました。

 

資源回収、中間処理、再資源化、という一連のサイクルを参加した議員も把握できたのではないかと思います。

今後の議会審議に活かしていきたいです。