11/27、総務委員会が行われました。

 

〈審査案件〉

1 第51号議案 千川中学校解体工事請負契約について

2 第52号議案 区民ひろば長崎複合施設全面改修工事請負契約について

3 第53号議案 千早四丁目アパート全面改修工事(1号棟)請負契約について

4 第54号議案 巣鴨地蔵通り景観道路工事(I工区)請負契約の一部の変更につい

5 第55号議案 令和5年度豊島区一般会計補正予算(第6号)

6 第58号議案 訴えの提起について

7 5請願第3号 再審法改正の促進を求める意見書を国会・政府に提出することを求める請願

8 5陳情第23号 「地位協定の見直し」を求める陳情

9 5陳情第24号 「横田基地関係者による飲酒を伴う交通事故について」の陳情

 

〈報告事項〉

報告1 施設予約システムのクレジットカード決済対応について

報告2 特別区道豊 816-1 電線共同溝設置工事請負契約について

報告3 (仮称)東池袋五丁目 24 番街区公園整備工事請負契約につい

報告4 災害対策要員等の宿舎の見直しについて

 

55号議案の一般会計補正予算は、関係理事者が他の委員会に出席している関係などから、予備日での審議を行うこととなりました。

 

【1 第51号議案 千川中学校解体工事請負契約について】

改築する千川中学校校舎及びプール棟の解体工事に関する契約案件。

 

落札者:株式会社高山工業

契約金額:392,700,000(税込)

履行期限:令和7年1月17日まで

 

最低制限価格は事後公表、11社のうち1社辞退、9社失格(最低制限価格未満のため)。

 

最低制限価格未満で失格となった会社が多くでましたが、これは落札を希望する会社がギリギリの線を狙った結果と推察されます。

最低制限価格の設定がない場合、競争が過熱すると業界の健全性が損なわれる恐れがあります。

(私が前職で担当した長野五輪後の長野県では、低価格競争で事実上大手企業と中小企業との体力勝負のような状況がありました。その結果、土木・建築業者だけでなく、資材業者にも価格下落圧力が生じました)

今回の区からの答弁でも、最低制限価格の設定には、下請け業者や働く人を守る観点がある、とのこと。

 

51号、52号議案の質疑で私から働き方改革関連の質疑をしています。

建設業界には、いわゆる「2024年問題」というものがあります。

働き方改革に関連法における時間外労働時間の猶予期間が終了することで、人手不足に拍車をかけるというものです。

解体工事には、働き方改革に関連しての単価割増しの補正は国から示されていないとのこと(新築・改築工事には設定あり)。

働き方改革の趣旨を踏まえた工事であれば、工事評定(総合評価方式の入札の際の点数に関係)で評価するとの考えが示されました。

また、従来の工事よりも工期は長めにみており、それに付随してその分の経費が増額されているとのこと。

 

上記に加えて、今年の夏のような猛暑日が続く場合の補正の考え方についても確認しました。

これについては、熱中症対策等は共通費で計上しているが、猛暑日が続いて現場が稼働しづらい場合などは個別の協議に応じる、とのことでした。

 

全会派一致で可決。

 

【 2 第52号議案 区民ひろば長崎複合施設全面改修工事請負契約について】

区民ひろば長崎複合施設の全面改修工事の契約案件。

 

落札者:伊藤興業株式会社

契約金額:488,070,000(税込)

履行期限:令和7年3月14日まで

 

・総合評価方式。入札金額で下回る会社があったが、価格以外の総合評価点数で落札者が上回った。

・長崎休日診療を運営しながら、並行して改修を行う。

・区民ひろばは一旦休館して、近隣物件で仮施設として運営。

 

51号議案に続いて、働き方改革に関連して質疑をしました。

働き方改革には業務の効率化も大事であり、かねてより業界から、役所へ提出する書類の簡略化や図面の正確性を上げることの要望が出ている旨を指摘しました(このことは以前より委員会等で区へ指摘を繰り返しています)。

押印廃止やメールやクラウド上でのデータやり取りを可能にするなど、書類の提出方法や共有方法についての改善がなされている答弁があったことは評価できます。

一方で、業務の棚卸につながるような、提出書類の見直し、必要な業務と不要な業務の仕分け、などは不十分と感じます。

公共工事である以上、不具合があった場合に原因究明するために必要な書類や図面もあります。今後、業界とも意見交換を重ねながら精査していく旨の答弁がありました。

 

全会派一致で可決。

 

【 3 第53号議案 千早四丁目アパート全面改修工事(1号棟)請負契約について】

千早四丁目アパート(1号棟)の全面改修工事の契約案件。

 

落札者:株式会社富士建

契約金額:255,684,000(税込)

履行期限:令和7年3月14日まで

 

・エレベーターの増設、内装や外壁などの全面改修、外構改修

・1号棟の後、2号棟の工事も予定されている

 

全会派一致で可決。

 

【 4 第54号議案 巣鴨地蔵通り景観道路工事(I工区)請負契約の一部の変更について】

巣鴨地蔵通りの景観舗装工事の設計変更に関する契約案件。

 

落札者:一ノ谷建設株式会社

契約金額:402,068,700(税込・減額変更▲15,161,300円)

履行期限:令和6年3月15日まで

 

・歩道部のすり付けの施工範囲拡大、雨水ますの仮移設、数量変更などの増額要因あり(合計約384万円の増額)。

・車両を通行止めして施工する予定だったものを、車両通過をしながらの施工に変更としたため、必要な交通誘導員が減少し、1900万円の減額。

・インクジェット工法による舗装は事前の想定よりも日当たりの施工量が小さかったため、車両通行止めをしなくても日当たり施工量はあまり変わらなかった。また、当初の工期は土日休みを前提に組んでいたが、協議で土曜も施工することとしたことなどにより工期への影響は小さかった(その他、工事の内容など精査した中で車両通行止めの場合と比較してもさほど工期への影響はでなかったようです。)。

なお、車両通行止めの回避は地元からの要望があったとのこと。

 

全会派一致で可決

 

【 6 第58号議案 訴えの提起について】

〈内容〉

診療報酬返還等請求に関する民事訴訟を行うため、の議案です。

埼玉県三郷市所在の医療機関の開設者に対しての訴え。

本区の訴訟の請求額は、756万60円及びこれに対する遅延損害金。

 

〈経緯など〉

平成28年6月〜令和2年1月までの間、先方の医療機関が入院病棟の夜勤看護師の人員配置基準を満たしていないにも関わらず、これを満たすものとして診療報酬を保険者(区)へ過大に請求し不当に利得していた、というもの。

返還請求を区から行ったところ、先方から一方的に債権を一律8割減額し残債権について120回払いとすることを提案してきたが、これに応じず督促状を送付。督促に対して先方からは、全額支払い義務を認めるがはじめの2年間は少額の分割払いをして残債権は分割方法の再検討を求めるとの提案あり。

結果的に訴訟に至った。

 

先方の令和4年1月11日時点の債務総額は、6億8400万円余り(本区を含む49保険者)。

なお、先方の財産は不動産程度しかなく、金融機関の抵当に入っているとの情報あり。

 

全会派一致で可決。

 

【 7 5請願第3号 再審法改正の促進を求める意見書を国会・政府に提出することを求める請願】

再審の証拠開示や規程整備など再審法の改正を求める意見書の提出を求める請願。共産党議員2名が紹介議員。

請願者による意見陳述が冒頭に行われました。

※「再審法」という法律はなく、「刑事訴訟法における再審制度」のことを指して審議はしています

 

私たちの会派の意見として、主に以下の内容を述べました。

・請願者の意見陳述における思いは受け止める。

・前提として当然ながら、冤罪はあってはならない、という立場。

・刑事訴訟法における再審制度の課題などは,「改正刑訴法に関する刑事手続きの在り方協議会」などで議論が行われているところで、私たちの会派はこの推移を見るべきという立場

※上記協議会の議事録や資料は法務省HPに掲載されています。

⇒法務省HP「改正刑訴法に関する刑事手続の在り方協議会

 

以上により、私たちの会派は閉会中の継続審査とすべきと判断しました。

 

賛成多数(委員長採決)で閉会中の継続審議となりました。

 

【 8 5陳情第23号 「地位協定の見直し」を求める陳情】

【 9 5陳情第24号 「横田基地関係者による飲酒を伴う交通事故について」の陳情】

いずれの陳情も本年5月28日に豊島区内で横田基地所属の関係者による飲酒運転での単独物損事故が発生したことを受け、意見書の提出を求める内容でした。

⇒参考:羽村市HP「横田基地関係者による飲酒を伴う交通事故について(令和5年6月1日情報提供)

 

横田基地に関する諸問題については、東京都と周辺5市1町(立川市、昭島市、福生市、武蔵村山市、羽村市、瑞穂町)が連携して「横田基地に関する東京都と周辺市町連絡協議会」を設置し、国及び米軍への要請活動を行っています。

⇒東京都HP「国や米軍への要請活動等

本年5月28日の交通事故についても、同協議会より要請文が提出されています。

⇒「横田基地関係者による飲酒を伴う交通事故について(要請)」 

 

これらの要請活動に関しては、私たちの会派としても見解は同じです。

本区内で起きた飲酒運転の事案は起こしてはならないことであり、再発防止を強く望むものです。

 

今回の陳情の判断については、主張に賛同できるところがあるものの、質疑を重ねると事実誤認をしている箇所がいくつかありました。

従って採択という訳にはいかず、閉会中の継続審査とすべきと判断いたしました。

 

23号、24号の陳情は、賛成多数で閉会中の継続審査となりました。

この日の審議は以上です。