10月3日~10月19日、令和3年度決算認定に関する決算特別委員会が開かれました。
賛成多数で令和3年度決算は認定されています。
私は委員として、会派を代表しての初日の総括質疑・最終日の意見開陳、款別の質疑などを行いました。

【会計決算の概要】
・一般会計歳出は1436億9500万円で前年比4.5%減、歳入は1489億7300万円で前年比4.1%減でしたが、それでも過去2番目の規模。新型コロナ対策や歳入増による基金積立てなどを行った一方で、昨年度の国庫補助金を財源とした約293億円の特別定額給付金が皆減となった影響がありました。
・3特別会計歳出は、合計で17億9300万円増となる558億5800万円。特別区民税と3特別会計の各保険料のいわゆる「4公金」の収納率は、特別区民税と後期高齢者医療保険料で過去最高を更新。
・区の資料による一般会計決算の特徴は以下の3点
①感染拡大防止と社会経済活動の両立に最優先で取り組んだ決算
②貯金と借金のバランスで過去最大規模を達成した過去最高の決算
③区制施行90周年、さらには100周年に向けた準備を整えた決算

【総括質疑】
総括質疑では、上記3つの特徴を中心に質疑しました。
①に関しては、新型コロナが財政に与えた影響の観点から掘り下げ。9度に渡る補正予算編成や予備費活用など機動的に実施したことを確認。
②に関しては、新型コロナ対策をしつつも財政の健全性を維持していると評価。一方で経常収支比率は前年度よりも改善したものの80%を4年連続で越えていることを指摘。財政構造の弾力性を示す指標であるため今後も注視するよう求めました。
③に関しては、財政破綻寸前から財政再建を果たして区制施行90周年の区切りを迎えた本区の今後のまちづくりへの考えを確認。次なる100周年に向けた好循環を生み出していきたいとの区長答弁あり。持続可能な区政運営を続けるよう改めて求めました。
また、不合理な税制改革は由々しき問題であるため、都や他区と連携して国へ改善を求めることを要望しました。


【議会費・政策経営費・総務費】
入札・契約制度について、インフレスライド条項の適用、図面や資料の整合性、提出書類の簡素化などを切り口に質疑。事業者と十分に意見交換をしながら、互いの負担軽減となるよう改善することを求めました。
職員の働き方改革については、残業が集中している部署の人員体制の確認、管理職の有給休暇の取得奨励や健康管理・メンタルヘルス対策の確認など。現在管理職の方やこれから管理職を目指す方にとっても働きやすい環境を整えることを要望。
防災関連では救援センターのマンホールトイレについて、第2回定例会の一般質問に続いて取り上げました。敷地内に接地する計画となっていない救援センターへの対応を急ぐことを強く要望。

その他、私たちの会派からは、区制90周年の取組み、女性活躍関連、街頭消火器などの質疑を行いました。

【区民費、福祉費、衛生費】
新型コロナウイルス感染症対策については、直接担当している部署への負荷が高まっているため、人員体制の強化などの引き続きの対応を求めると共に、ワクチン接種の情報を分かりやすく発信することを要望しました。
骨髄バンクドナー支援制度については、引き続きの普及啓発活動を求めました。
重度訪問介護については、手引きの表記が実際の運用よりも狭まっていることを確認した上で、実態に合わせた見直しを求めると共に、当事者やご家族がより相談しやすい体制作りを行うよう要望しました。

その他、私たちの会派からは、公共料金や物価高騰により経営環境が厳しくなっている社会福祉法人や介護保険サービス事業者等へ必要に応じた支援の検討、コミュニティソーシャルワーカーとの連携、母子保健事業関連、小児・AYA世代のガン対策などの質疑を行いました。

【環境清掃費、都市整備費】
大塚駅周辺の将来像については、今後の工事の予定や民間企業との連携について確認した上で、官民で連携しながら目先だけではない街全体の価値を高めるまちづくりを進めたいという区長の決意も確認。駅周辺の治安と賑わいを両立し、地域の声が反映された地域活性化を図るよう求めました。
インクルーシブ遊具については、設置が進められていることを確認し、その意義や活用について議論を深めました。

その他、私たちの会派からは、池袋の都市再生推進事業、補助172号線の整備、狭隘道路・私道の拡幅、中小規模公園活用プロジェクト、食品ロス削減対策などの質疑を行いました。

【文化商工費、子ども家庭費、教育費】
学校における働き方改革では、公立小の教員の採用倍率が過去最低を更新した要因には長時間勤務やデジタル化の遅れがあるという調査結果に触れた上で、教員を目指す人が増えるような職場環境の改善、教員が子供に向き合う時間を増やせるよう更なる取組みを求めました。
学校におけるICT機器等の配備は、耐用年数が短い機器であるため、しばらく改築予定がない既存校にも新設校同様の配備を求めました。併せて、耐用年数が長い耐久品についても備品の更新の検討を求めています。
学校プールについては、小学校設置基準で必置とされておらず、外部化や共用化を行う自治体の例もあるため、様々な事例を研究すべきと指摘。防災面での役割があることも考慮しながら、今後の学校改築時には多角的な検討をするよう求めました。
特別支援教育についてはインクルーシブ教育の観点から質疑。通常級に所属する子にも必要に応じ個別指導計画等を作成すること、「同じ場で共に学ぶこと」を主眼とした交流及び共同学習を更に進めること、などの前向きな答弁あり。保護者や当事者の気持ちに寄り添った一層の合理的な配慮を求めました。    

その他、私たちの会派からは、プレミアム付き商品券など商店街振興、トキワ荘マンガミュージアム、ソメイヨシノプロジェクト、デジタル教科書などの質疑を行いました。

【歳出公債費以降、歳入、3特別会計】
私たちの会派からは、公債費以降で予備費の考え方や使途について、3特別会計では介護保険のコロナ禍での影響などについて質疑を行いました。

【意見開陳】
会派を代表して、令和3年度決算について認定に賛成の立場から意見開陳を私が行いました。


令和3年度決算は冒頭記したように、賛成多数で認定されました。
決算特別委員会については以上です。