7/29、国は「BA.5対策強化宣言」を都道府県が行うための規定を新設しました。(※7/31時点で強化宣言を検討しているとされているのは宮城県のみ)
また、国は濃厚接触者の待機期間の見直しています(待機期間を5日間(検査で陰性の場合3日で解除も可)。
東京都は強化宣言は現時点で行いませんが、都民や事業者に対する呼び掛けや医療体制の強化などを発表しています。
◆BA.5対策強化宣言、BA.5対策強化地域などについて
⇒新型コロナウイルス感染症対策本部(第95回)(令和4年7月29日持ち回り開催)配付資料
・「BA.5対策強化宣言」(都道府県が行う)、「BA.5対策強化地域」(国が位置づけ)、の根拠が規定
・「BA.5対策強化宣言」とは、以下のいずれも満たした場合に都道府県が行える
BA.5系統を中心として感染が拡大
①病床使用率が概ね 50%超又は昨冬のピーク時を超える場合
②入院患者が概ね中等症以上等の入院医療を必要とする者である場合など、医療の負荷の増大が認められる場合
国の強化地域指定後にできること
(1)住民への協力要請(特措法(※)第 24 条第9項)又は呼びかけ
①基本的感染対策の再徹底
②早期のワクチン接種(3回目、高齢者等の4回目)
③高齢者等や同居家族等は感染リスクが高い場所への外出自粛や高リスクの行動を控えること
④帰省等で高齢者等と接する場合の事前検査
⑤高齢者施設等の利用者のお盆等の節目での検査
⑥飲食店での大声や長時間の回避、会話する際のマスク着用
⑦重症化リスクが低い者は、発熱外来の受診に代えて、都道府県が行う抗原定性検査キットの配布事業の活用も検討
⑧無症状の者は、都道府県が行う無料検査事業を活用すること
⑨救急外来及び救急車の利用は、真に必要な場合に限ること
(2)事業者への協力要請(特措法第 24 条第9項)又は呼びかけ
①在宅勤務(テレワーク)等の推進
②人が集まる場所での感染対策の徹底
③高齢者施設、学校・保育所等の感染対策の強化
④飲食店において十分な換気や、座席の間隔の確保又はパーティションの設置等を行うこと
⑤大人数での会食の場合は参加者への事前検査を促すこと
⑥大規模な参加型イベントは、十分な人と人との間隔の確保又は参加者への事前検査等を促すこと
⑦生活・経済に不可欠な業務を行う事業者は、業務継続計画に基づき、事業の継続を図ること
(3)国の支援
・都道府県の上記(1)(2)をはじめとする感染対策がより効果的・効率的に実施できるよう、関係省庁及び各所管団体等との連携・調整、好事例の提案・導入支援、感染対策に関する助言・指導
・必要に応じて国からのリエゾン職員の派遣 等
病床、診療・検査医療機関のひっ迫回避に向けた対応
1.病床のひっ迫回避に向けた対応
(1)病床等の確保・稼働
(2)入院対象者の適切な調整
(3)高齢者施設等における医療支援
(4)病床の回転率の向上(転院・退院支援等)
2.診療・検査医療機関(いわゆる発熱外来)のひっ迫回避に向けた対応
(1)発熱外来自己検査体制の整備
7月21日に全国の都道府県等に発熱外来自己検査の体制を整備するよう要請
①抗原定性検査キットの供給体制の強化
②発熱外来を経ない在宅療養の仕組みの先行事例の横展開
※都の取り組みは好事例で挙げられている
(2)療養開始時の検査証明を求めないことの徹底
◆濃厚接触者の待機期間の見直し(厚労省)
・濃厚接触者の待機期間の見直しについて
・特定された濃厚接触者の待機期間は、最終曝露日(感染者との最終接触等)から5日間(6日目解除)とする
・ただし、2日目及び3日目の抗原定性検査キットを用いた検査で陰性を確認した場合は、3日目から解除を可能とする
⇒厚労省事務連絡(4年7月22日一部改正)「B.1.1.529 系統(オミクロン株)が主流である間の当該株の特徴を踏まえた感染者の発生場所毎の濃厚接触者の特定及び行動制限並びに積極的疫学調査の実施について」
◆東京都の対応
小池都知事は7/29の定例記者会見で、帰省自粛などの移動制限は求めない考えを示し、感染防止対策の徹底などを呼び掛けています。
都は保健医療提供体制のさらなる強化などを発表しました。
⇒都HP「(第95回)東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議資料(令和4年7月28日)」
主な内容を以下に記載します。
・発熱相談体制の強化について
発熱相談センター
電話番号:03-6258-5780、03-5320-4592
医療機関案内専用ダイヤル
電話番号:03-6732-8864
03-6630-3710(8/1から開設)、03-6636-8900(同左)
・有症状者への検査キット配布について
8/1受付開始、当初は20代から開始
・陽性者登録センターの設置について
自主検査で陽性判明の方が、自らWEBで陽性者登録センターへ申請できる体制を構築。
8/3受付開始、当初は20代から開始
毎日の陽性者数が急増している最中です。
いずれ保健所業務や医療機関がひっ迫することは想像に難くありませんので、少しでも負担軽減を図る必要があります。そうした中でオミクロン株の特性を踏まえ、濃厚接触者の待機期間の短縮、自主検査の結果による手続きの簡略化などの手が打たれています。
社会活動、経済活動には極力制限を掛けないようにしつつ、基本的な感染対策を徹底していく、という方向性は妥当な判断だと考えます。