4/15、議員協議会が行われました。

政治資金規正法違反により、自民党の区議2名(3/25辞職)と区部長2名が略式起訴、区部長6名が書類送検された件について、豊島区と自民党豊島区議団からそれぞれ説明がありました。

区は既に謝罪会見を行ったほか、区長及び副区長の報酬減額、略式起訴・書類送検された部長に対する処分や再発防止策を発表しました。

一方で自民党豊島区議団からは、現時点においても2名の前区議が辞職に至った経緯などについての明快な説明はなく、党や総支部としての対応の報告もありません

◆豊島区の説明
<時系列経緯>

令和3年5月下旬:

・3年7月執行の東京都議会議員選挙立候補予定者であった自民党元都議(堀こうどう氏)の政治資金パーティーの案内状在中の封書(部長、課長名の宛先あり)を受け取る。一部の部長はこれを部内の課長へ配布(政治資金規正法第22条の9第1項違反)

 

令和4年1月:

・職員8名(部長)が法違反により書類送致

 

4年3月:

・3/24、上記のうち2名が略式起訴。6名は不起訴処分。

・3/25、区長が記者会見を行い謝罪と区長・副区長の報酬減額を表明⇒区HP「区長記者会見」令和4年3月25日開催

・3/30、東京簡易裁判所から略式命令(それぞれ、罰金10万円、選挙権及び被選挙権を有しない期間1年)

4年4月:

・弁護士1名を含む懲戒分限審査委員会を実施(4/6 第1回開催(諮問、審議)、4/13 第2回開催(審議、答申))
・4/14、18に再発防止対策として職員研修(管理職悉皆)を実施

<区の対応>
・区長等の給料減額
区長:3割減額 3ヶ月(4年4月〜6月)
副区長:1割減額 3ヶ月(4年4月〜6月)

・当該職員の処分
略式起訴された2名の部長:減給10分の1、3ヶ月
不起訴処分の6名の部長:文書訓告
⇒区HP「職員の処分について」4年4/15

・再発防止対策(職員研修)
4/14、18(全3回):コンプライアンス研修・管理職悉皆(政治資金規制法の基礎知識及び政治的中立性に対する意識の重要性など)
6月:コンプライアンス研修・管理職悉皆(7月の参議院議員通常選挙を前に、公務員として気をつけるべき事項や公務員の地位利用に関して注意すべき事項など)
7月以降:コンプライアンス研修・全職員対象(公務員が職務を遂行するにあたり必要とされる法令及び公務員倫理など)

◆自民党豊島区議団の説明(竹下前議員、松下前議員の政治資金規正法違反について)
竹下ひろみ前議員、松下創一郎前議員、堀宏道元都議へ繰り返し聞き取りを試みている

・令和4年1月、竹下ひろみ前議員、松下創一郎前議員の2名が書類送致され、略式起訴となった。報道によると、3月30日付にて略式命令を受けた。
略式命令の内容(報道による、両名とも):罰金20万円 選挙権及び被選挙権を有しない期間1年
竹下ひろみ前議員、松下創一郎前議員は3月24日付にて議員辞職した。

・3/26、両名に会い議員辞職理由について確認。

パーティーの案内を持参したのは事実、混乱を招いたことについては責任を感じた、議員を辞して自発的に道義的責任をとった、などの説明とのこと。

なお、以後は両名に会うことはできておらず、追加の説明も受けていない(⇒3週間以上経過しているにも関わらず!
・4/8、区議団Facebookにてお詫び分を掲載⇒「自民党豊島区議団facebookページ当該記事

⇒経緯の説明などが全くない文書が掲載されています
・再発防止対応として本件の調査検討・問題点を共有。法令順守の徹底を確認、など。

⇒事件の全貌が全く明らかになっておらず、本件の調査検討・問題点が共有されたということは不可解。再発防止対応について具体策は示されていません
・4/4、松下前議員が就いていた議会運営委員長に加え、自民党議員が就いていた総務委員長、子ども文教委員長、副都心開発調査特別委員長を辞任することを正副幹事長会で報告。

⇒これを受け、4/15に臨時で委員会を行い、各委員長を選出。なお、議長は自民党会派所属ですが、進退や責任の表明はありません

◆主な質疑
<行政への捜査情報など>

Q:1月に書類送致されるまで区側が捜査されていたこと自体を把握していなかったというのであれば不自然ではないか。
A:警察が書類送致をすることを区が知ったのは1月。管理職からは秋頃から警察に事情聴取を受けていることは把握。しかしどのような対象や範囲だったのか、ということについては内部調査が必要な段階と判断しておらず、(1月に具体的に把握するまで)していなかった。
 

<2名の前議員の略式命令内容>
Q:両名の略式命令の内容(適用条文など)は本人でないと分からない。内容の確認は?今日の段階でも「報道によると」などの伝聞なのはなぜか

A:裁判所からの文書は確認できていない。処分の内容について2名へ確認を取っているところ、引き続き聞き取りしたい。
連絡をとり続けているが、連絡は取れていない。

 

<当該パーティー主催の堀こうどう元都議(自民党豊島総支部長)の説明責任や、政党としての処分は>
Q:自民党豊島区議団をけん引している自民党豊島総支部長(堀こうどう元都議)のパーティーが発端。総支部長の考えは

A:何かしら本人からの表明があるものと信じている
Q:政党としての処分のあり方は
A:会派として対応したい。一丸となって自浄作用を働かせながら、2人の前区議や堀元都議へヒアリングしたい。
 

その他、議員辞職のタイミング(第1回定例会終了翌日に辞職願。法に基づき会期中なら本会議で承認することですが、閉会中は議長の許可。議長は当該議員へ理由を糺すことなく議員辞職の重みを受け止めて受理したという説明のみ。)、書類送致後も当該議員が予算委員長という重職に就いたこと、などへの疑問が呈されました。

また、私たちの会派からは、議員辞職したから幕引きとは言えず、説明責任が生じることも強く自民党豊島区議団へ指摘しています。区職員については区長が速やかに記者会見、自民党は党や総支部としての表明は全くありません。自民党豊島総支部は他人事として対応するつもりなのでしょうか。

現職区議が2名も議員辞職するということ自体が異例のことですが、今回は区職員まで巻き込んでしまったという点で豊島区にとって前代未聞の出来事です。

職員の法への理解不足ということも言えるかもしれません(区はそのような受け止めで再発防止策を講じています)が、それ以上に巻き込んだ当該議員側の責任は重大と考えます。

これまでの自民党豊島区議団の説明は、2名の区議が議員辞職後から3週間以上経過しているにも関わらず、当該パーティーの主催者である堀こうどう自民党豊島総支部長や辞職した竹下・松下前区議に対して、コンタクトを取っているが会えない、話しが聞けない、確認が取れない、という逃げ口上に終始しています。報道ベースの事しか分からない、という回答は無責任すぎます。

所属議員が略式命令を受けて有罪になっている重大事案であることを考えれば、自民党東京都連や豊島総支部という単位でも当該議員へのヒアリングや党規に基づく対応が必要になってくるのではないかと思います。

 

次回の正副幹事長会は4月20日です。

自民党豊島総支部及び豊島区議団が自浄作用を働かせることを望みます。

 

◆議会の対応

・区議会HPに簡単な顛末を掲載(同じ文章を5/1発行の区議会だよりにも掲載)

豊島区議会HP(TOPページに「政治資金規正法違反に伴う議員辞職について」を掲載)

・今後も正副幹事長会などで真相究明を行うと共に、自民党豊島区議団に対して事実確認をした上で再発防止策を講じるよう求めます。

 

関連報道

4/16読売新聞「豊島区 部長職5人外す意向 資金パーティー問題 罰金命令の2人減給

 

3/26blog「自民党区議などの政治資金規正法違反について