1/14、豊島副都心開発調査特別委員会が行われました。

 

〈案件〉

1.豊島区景観計画の改定について

2.ウォーカブルなまちづくりの推進について

 

【1.豊島区景観計画の改定について】

豊島区景観計画は平成28年3月に策定され、その後は都度改定版が策定された結果、当初計画と併せて4分冊となっています。

これらを統合すると共に、「旧庁舎跡地」を「Hareza池袋」などと表記の時点修正を行います。

3年12/14に素案が景観審議会へ報告され、現在はパブリックコメント中です。

 

今後のスケジュール

4年1/11〜2/8 パブリックコメント実施

⇒区HP「豊島区景観計画の改定(案)について」(パブリックコメント)

 

2月下旬 デザイン検討部会(案の報告)

3月下旬 景観審議会(諮問)、都市計画審議会(諮問)

6月 景観計画の改定、告示

 

【2.ウォーカブルなまちづくりの推進について】

池袋駅東口と西口をつなぐ「ウォーカブルなまちづくりの推進」の構想と現状について説明がありました。

この事は、1/17に行われた区長定例会見でも発表されています。

⇒区HP「1/17区長記者会見

定例会見には都市政策顧問の隈研吾先生もご同席になり、所見を披露して下さいました。

(掲載の図面は、全て記者会見の公表資料です)

 

まずは現庁舎建設後の池袋のまちづくりにつき、3つのフェーズに分けての説明があり、その後に区制90周年を迎える2022年度の取組みについての説明がありました。

 

<現庁舎建設後の池袋のまちづくり>

phase1(2014年) ダンベル型のまちづくり(現庁舎周辺まちづくりビジョン)

現庁舎と旧庁舎を中心に、2拠点を南北区道で結ぶという構想。

隈研吾先生からのアイディア。

主な事業として、現庁舎建設、南池袋公園、旧庁舎活用検討など。

 

phase2(2019年) 4つの公園を中心としたまちづくり(東アジア文化都市開催記念23事業にて集中投資)

4つの公園(南池袋、中池袋、池袋西口、イケ・サンパーク)をアトカルハブとして、街ににぎわいをつくろうとするもの。

東アジア文化都市に合わせて進めてきた投資事業と組み合わせた事業群。

主な事業として、Hareza池袋(中池袋公園)、池袋西口公園、イケ・サンパーク、IKEBUSなど。

 

phase3(2022年~) 東西のシンボルストリートを中心としたウォーカブルなまちづくり

今回改めて示された構想。

池袋駅の東西で歩行者優先のまちづくりを進めようとするもの。

池袋駅は乗降客数が多いものの、駅から外へ出ない人が多いと見られ「駅袋(エキブクロ)」と言われることもあるため、現在計画が進む民間の池袋駅西口地区の再開発事業と連携して、エキブクロからの脱却を目指すという目標あり。

東口はグリーン大通り、西口はアゼリア通り・乱歩通りをシンボルストリートと見立てる。

主な事業として、駅西口地区(駅前広場、サンクンガーデン、北デッキ)、駅東口地区(クルドサック化、グリーン大通り広場化)など。

 

ウォーカブルなまちづくりのハード整備のイメージ。

西口は中央地下通路に整備予定のサンクンガーデンから、3方向へ人の流れを作ろうとするもの。

将来的には線路の上空で駅の東西をつなぐ、東西デッキの整備を視野に入れています。

 

池袋駅西口のサンクンガーデンのイメージです。

話し合いが進められている再開発や東武鉄道の開発などが前提となります。

再開発については、次年度末の都市計画決定に向けて、地権者との話し合いや都との協議などが進められています。

 

<区制90周年を迎える2022年度の取組み>

・「池袋エリアプラットフォーム」を立ち上げる。

その中で、「(仮称)ウォーカブル推進会議」を行い、基本方針をまとめていく。推進会議には、区、エリアマネジメントに関わる企業、専門家など。

プラットフォームでは、上記の推進会議に地域団体等を加えて、まちづくりの方向性の共有やイベント開催などの取組みを行う方針。

・民間開発事業と連携したウォーカブルナ空間整備を推進すべく、調整を図る。

 

主な質疑

Q:西口再開発の都市計画が決定してからのスケジュールは

A:都市計画決定の段階で概ねのスケジュールが見える。通常は再開発組合による権利変換計画が作られ、その後に建築ということになる。エリアが広いので段階的に解体を行い、新築を行っていく、というように徐々に進めていくことになるのではないか。

Q:東口の開発の現状は。

A:現在は協議会、加入率は50%を超えた。街づくりの構想を作っている最中。まちがどうあるべきか、ということを地権者と話し合っている。いずれは再開発、ということになるかもしれないが、現時点では煮詰まっていない。

Q:東西デッキの状況は

A:デッキは東口と西口の双方に受け口が必要。東口側は線路際に建っている建物である西武やパルコがどのような再開発の構想を持つかによる。

東口の権利者の方針が決まっていないところだが、区から構想のメッセージを出していくことが重要だと考えている。

 

私からは以下の発言をしました。

・(事業が煮詰まっていないことについて批判する質疑が他党からあったため)煮詰まっていない、という批判に怯まず、進捗は報告をしてもらいたい。

・住環境の改善など観点はもちろん必要だが、日本で2番目となる260万人の駅利用者がいる池袋のポテンシャルを発揮させる、という発想は必要なこと。この所見は。

⇒(高野区長)

現在の池袋は、治安も良く発展が期待されるまちであり、大きな役割を担っていると考える。(池袋のポテンシャルを発揮させることは)池袋だけではなく、日本のためにも意義がある。

 

次回の委員会は、4/15(金)に行われます。

 

【区長記者会見】

1/17に行われた区長記者会見は「池袋駅東口と西口をつなぐウォーカブルなまちづくり」と題して行われました。

冒頭は高野区長からのあいさつで、上記の事業に対する思いなどが披歴されました。

・小規模な地権者が多いが、「ごちゃごちゃしている」雑多性は池袋の魅力でもあるため、これを活かしていきたい、という発言もありました。

 

次に、豊島区都市政策顧問である隈研吾先生からのご挨拶。

2011年から同職に就いて頂いています。

「ごちゃごちゃ」は多様性、複合性を示すものでもある

・2011年頃は、豊島区にはネガティブな評価も多かったが、それは20世紀の価値観でありトップになる可能性もある街。

若い人のエネルギー、ハイアートに対するサブカルチャー、パフォーマンス系の演劇など、うまくつなげばリーダーになり得る。

・南池袋公園は全国でも有名な公園となった。ストリート、広場、文化を連動させるとよい。

・当初のダンベル構想は、新庁舎と旧庁舎に着目し、歩行するのにちょうどよい距離なのでこれを南北のストリートでつなごうという構想。

池袋駅の東西のダンベル構想も魅力がある。池袋駅は鉄道により東西が分断されていた。

池袋は東京でも最も期待される面白い街だと思う。

 

その後は、区の担当者から副都心委員会でも報告のあったことについて説明がありました。

 

池袋駅の東西の行き来がしやすくなれば、街の魅力が引き上げられるのではないかと思います。

隈研吾先生などのご助言や、民間の開発などとも連動させながら、街の活性化が図られることが期待されます。