11/26、総務委員会が行われました。

特別職・職員の期末手当の引き下げの条例案、議員提案条例での議員の期末手当の引き下げの条例案の審議。

12/1が基準日となる12月の期末手当の支給に間に合わせるため、11/25の一般質問2日目に付託され、11/26の総務委員会で審議、同日本会議を行って議決しました。

〈審査案件〉
1 第54号議案 豊島区長及び副区長の給料等に関する条例の一部を改正する条例
2 第55号議案 豊島区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例
3 第56号議案 豊島区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例
4 第57号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
5 第58号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例
6 第59号議案 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例
7 議員提出議案 第11号 豊島区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例

【4 第57号議案 職員の給与に関する条例の一部を改正する条例】
【5 第58号議案 幼稚園教育職員の給与に関する条例の一部を改正する条例】
【6 第59号議案 会計年度任用職員の給与及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例】

 

まずは職員、幼稚園教員職員、会計年度任用職員の給与及び期末手当について審議しました。

組合とも妥結したということで、条例の上程がされています。

 

<制度>

国家公務員の給与は、労働基本権の制約があることから、代償措置として民間給与との比較を行い均衡させる人事院勧告に従って決められています。

⇒人事院HP「人事院勧告

特別区公務員の給与に関しては、国家公務員と同様に特別区人事委員会の勧告が行われる制度となっています。

⇒特別区人事・厚生事務組合HP「特別区人事委員会 職員の給与等に関する報告及び勧告

<勧告内容>

令和3年の勧告内容

・民間における特別給の支給状況を勘案し、年間の支給月数を 0.15月引下げ
・支給月数の引下げ分は、3月の期末手当から引下げ
月例給については、公民較差が僅少であるため改定は行わない

<今回の議案の内容>
改正内容について
・令和4年3月支給分の期末手当における支給月数を、現行から 0.15月引き下げる。
・令和4年度以降の期末手当にあっては、6月と12月支給分それぞれについて、現行から0.075 月ずつ引き下げて3月支給分を戻す(年間で 0.15 月の引下げ)。

 

特別区職員は3月にも支給があるために、今年度の引き下げ分のみは3月分で行い、次年度以降は6月と12月に按分するというものです。

本区の場合は12月の支給額からでも対応可能でしたが、議会日程によっては12月支給分に間に合わない議会があるため、23区統一交渉の結果ということで、3月支給分での調整で足並みを揃えています。

職員の期末手当は、昨年度も0.05月の引き下げとなっており、2年間合計では、0.2月の引き下げということになりました。

昨年の審議の概要はblogをご参照ください。

⇒過去blog 2020年11/26「特別職、職員、議員の期末手当引き下げ 総務委員会

 

通常業務に加えて、コロナ禍への対応を行っている職員に2年連続の引き下げ勧告が行われるのは大変心苦しく思いますが、人事委員会勧告に基づき組合とも妥結した結果のため、条例案には賛成しました。

 

条例は賛成多数で可決されました。

【1 第54号議案 豊島区長及び副区長の給料等に関する条例の一部を改正する条例】
【2 第55号議案 豊島区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例】
【3 第56号議案 豊島区教育委員会教育長の給与等に関する条例の一部を改正する条例】


次に、区の特別職について審議をしました。

昨年は特別区人事委員会勧告のうち月例給についての勧告がずれ込んだことから、豊島区特別職報酬等審議会(以下、報酬審議会)が行われる前に特別職の給与等・議員報酬などについて議論を行いました。

今年は人事委員会勧告の後、報酬審議会が11/1に行われており、答申が出ています(令和3年の答申は11/12に出されていますが、HPにはまだ掲載されていません)。

 

<制度>

特別職と議員については、人事委員会勧告の対象外となっていて、原則は報酬審議会で議論されることとなっています。しかし、原則外で、過去に政治判断により特別職や議員報酬を変えているケースがあります。

※制度の詳細などは昨年のblogに記しましたので、ご参照ください

⇒過去blog 2020年11/26「特別職、職員、議員の期末手当引き下げ 総務委員会」(87-89号議案の冒頭の説明に記載)

 

<報酬審議会の答申>

・議員報酬並びに特別職の給料の額は据え置くことが妥当(月例給について)

※報酬審議会は、月例の報酬・給料、区議の政務活動費は諮問事項となっていますが、期末手当は対象外であり、附帯の意見として触れられるのみ。

 

報酬審議会の意見(原文通りに記載)

職員については、通常業務に加え、コロナ対応の業務が増加している状況があるにもかかわらず期末手当について引き下げの勧告がなされた。こうした状況に加え、コロナ禍において、多くの区民が困難に直面している状況に鑑み、特別職及び議員の期末手当についても、職員への勧告を目安に減額すべきであると考える。

 

上記の報酬審議会の意見は非常に重要なものです。

後ほど何度か引用いたします。

 

<今回の議案の内容>

・月例給は据置

・期末手当は、令和3年度は、12月分支給分を0.15月引き下げ

令和4年度以降は、6月を0.075月、12月を0.075月引き下げ

 

上記は一見すると職員と同じ幅に見えますが、昨年度は期末手当を昨年12月支給の1回限り0.05月引き下げとしたため、コロナ禍における2年間合計だと0.15月分のみの引き下げに止まります。

 

引き下げ幅について、斉藤副区長の答弁は以下の通り

・(報酬審議会の意見の期末手当の減額について)目安をどういう判断するか、ということがポイントだった。
バブル後に職員は0.75月上がっていたが、特別職は横ばいだった。他区が勧告を受けて上げた時でも、本区は上げてこなかったという経緯がある。
2年間で見れば違いがあるし、3年間・5年間で見れば(特別職は)引き上げていない。過去の状況も加味して、(今回は)0.15月(引き下げ)が妥当と判断した。
 

<審議ポイント>

比較ポイントは、①民間との調整、②他自治体との調整、の大きく2点あると考えます。

①は、人事委員会勧告を参考にするという考え方。

②は、事情が似通る23区との横の比較の観点です。

 

①は職員給与のところで触れた通りです。

②について、豊島区長の年収は23区で比較すると最低水準で推移しています。今年度は2月に当選した樋口たかあき千代田区長が1年間の報酬2割カットの公約を実行したため、豊島区長の年収は22位となっていますが、昨年度まではダントツで23位という状況でした。

財政再建時に政治判断で大幅減額した結果です。報酬審議会では毎年のように区長の年収が低すぎるという意見が出ています。

 

<結論>

私たちの会派は、以下のポイントを評価して条例案に賛成しました。

①官民較差を考慮した特別区人事委員会の勧告を参考にしたこと

②区長の年収について他自治体との調整が少しでも図られること

 

②は分かりづらいかもしれませんので補足します。

コロナ禍における職員の期末手当は、人事委員会勧告通りに2年間合計で0.2月の引き下げとなりました。一方で特別職に関しては2年間で0.15月の引き下げに止まり、他区では本区よりも引き下げ幅が大きくなる可能性が高いと思われます。

相対的な考えになりますが、そもそも豊島区長の年収水準は他区と比べると低い水準に止まっているため、この分で少しでも調整ができるだろう、という考えです。

 

全会一致で可決

【7 議員提出議案 第11号 豊島区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例】

最後に議員報酬について審議しました。

議員報酬についての議案は議員提案条例となっており、今回は自民党・公明党・無所属の会の3会派が共同提案となっています。

(昨年度は全会派が共同提案でした)

制度に関しては特別職と同様です。

 

<今回の議案の内容>

・月例給は据置

・期末手当は、令和3年度は、12月分支給分を0.15月引き下げ

令和4年度以降は、6月を0.075月、12月を0.075月引き下げ

※特別職と同様

 

<審議に際してのポイントなど>

特別職の所でも触れましたが、議員報酬に関しても昨年度は期末手当を昨年12月支給の1回限り0.05月引き下げとしたため、コロナ禍における2年間合計だと0.15月分のみの引き下げに止まり、職員と比較すると0.05月分の引き下げ幅が小さいということになります。

 

昨年の他区の議員報酬の対応を確認したところ、以下の答弁

・昨年度引き下げた区は本区を含めて15区、4区が据置(その他は本年度に入ってからの下げ)

・引き下げた区のうち、附則で対応(昨年度1回限りの引き下げ)は本区のみ

・引き下げ幅は、0.04月と0.05月の2パターンあり。

 

同様に、他区と比較した本区の議員報酬の水準について確認

・令和3年6/1現在で、月例給は16位、期末手当は7位、年収は11位

 

<結論>

私たちの会派の見解は以下の通りです。

 

この2年間は言うまでもなく昨年2月頃から続くコロナ禍での報酬改定、報酬審議会の意見(前述)でもある通り。

コロナ禍は昨年2月頃から継続しているもので、昨年も職員の期末手当は0.05月引き下げとされ、今年の減額分の0.15月を加えると2年間で0.2月引き下げとなっている。

一方の議員報酬は、昨年分を附則で対応したため1回限りの引き下げであり、コロナ禍前の2年前と比較すると0.15月の引き下げに止まる

他区の対応を確認したところでも、昨年分を1回限りの対応としたのは本区のみである。

また、他区の議員報酬の水準との比較では、区長の年収は23区で22~23番目だが、議員報酬のうち特に期末手当の水準は相対的に高くなっている

 

先ほど示した、①民間との調整、②他自治体との調整、という比較ポイントを考慮した時に、不十分さが残るのではないかと、私たちの会派としては考えている。

 

・議員提出議案について、0.15月引き下げとする条例案には、他の会派との合意を優先して賛成する。

しかしながら、昨年の期末手当の0.05月引き下げは1回限りの対応となっており今年には反映されていない。私たちの会派はこの分について、独自に何かしらの対応をしたいと考えている。

 

加えて申し上げると、昨年分に関しても特別区人事委員会の勧告は0.05月引き下げだったものの、期末手当の調査時期が前年8月から当年7月までとなっていることから、コロナ禍の影響が急激に襲っていた昨年においては更なる踏み込みが必要ではないか、という考えを会派として持っていたため、寄付行為に触れないようにすることを念頭に、本筋とは違うが、昨年度の1月~3月の政務活動費相当分(15万円/月×7名×3か月=315万円相当)を全額不使用として返上するという一定の対応を独自に実行している。これは、昨年の総務委員会で会派として何かしらの方法は考えたい、と発言した内容を実行したもの。

※参考:昨年度の審議⇒過去blog 2020年11/26「特別職、職員、議員の期末手当引き下げ 総務委員会

 

全会派一致で賛成

 

委員会審議は上記の通りです。

 

なお、私たちの会派の対応について、再度説明を加えます。

前述の通り、私たちの会派は他会派との合意を優先して議員提出条例に賛成しましたが、職員の期末手当の引き下げ幅と比較し踏み込みが不十分であると考えております。
そのため、私たちの会派は今期の任期中、0.05月分の期末手当を受け取らないことといたします。

しかしながら議員には寄附の禁止などの制限があるため、会派の口座へ全額預け、会派HPで公開することにします。議員を引退した後は寄附が可能となるため、その際に区へ該当額を返上いたします。

(これは、前期の任期中返上した議員報酬増額分の対応と同様です。詳細は会派HPをご参照ください

⇒会派HP「豊島区議会議員の議員報酬及び費用弁償等に関する条例の一部を改正する条例(平成30年第1回定例会第5号議案)への対応について」)

 

12月の期末手当が支給された後、上記の対応を行い、会派HPへ掲載いたします。

また、昨年の対応である、政務活動費の令和3年1~3月相当分の返還(不使用)についても、先日会計処理が終了したため、近日中にHPへ掲載いたします。