7/9、総務委員会の2日目の審議がありました。

 

〈審査案件〉
7 第49号議案 池袋大橋東側上部工改修工事請負契約の一部の変更について
8 第55号議案 令和2年度豊島区一般会計補正予算(第2号)
9 第57号議案 令和2年度豊島区一般会計補正予算(第3号)
10 2陳情第14号 基礎的財政収支黒字化目標の撤廃を求める陳情
11 2陳情第15号 インフレ率2%を達成するまで消費税凍結を求める陳情
12 2陳情第16号 自衛隊の自然災害に対する災害対応能力の向上を求める意見書を国に対して提出についての陳情
13 2陳情第17号 安藤提言を早急に実行するよう求める陳情
15 2陳情第11号 収奪臓器移植禁止法を制定するよう国に意見書を提出するよう求める陳情
16 2陳情第12号 拉致被害者奪還のための朝鮮総連に対する制裁を行うよう国と東京都に意見書を提出するよう求める陳情

〈報告事項〉
1 要町保育園全面改修工事請負契約について
2 清和小学校校庭改修工事請負契約について

 

【7 第49号議案 池袋大橋東側上部工改修工事請負契約の一部の変更について】
契約案件の議案。
当初契約は約5.09億円、今回は約5.13億円へ約380万円の増額変更。
工期には影響なし。

〈工事目的〉※当初から変わらず
・車両の荷重を支える主桁や床版を補強し現行の基準に合うように剛性を高める
・経年劣化による部分補修及び改修

〈増額変更理由〉
・インフレスライド条項の特例により、増額変更。労務単価上昇によるもの。

なお、同時期の工事で他に適用となっている工事はないとのこと。


◆インフレスライド条項とは

・本則…国土交通省関東地方整備局HP「公共工事等の積算工事-インフレスライド

・特例…国土交通省関東地方整備局「令和2年3月1日から適用する公共工事設計労務単価の取扱いに関する留意事項

全会派一致で可決。

【8 第55号議案 令和2年度豊島区一般会計補正予算(第2号)】
【9 第57号議案 令和2年度豊島区一般会計補正予算(第3号)】
<概要>

補正予算を2件一括して審議。

第2号補正予算は、9.56億円(特定財源9.35億、一般財源0.21億円)。

財政調整基金へ1.8億円積立(一般財源)、池袋/としま/東京アーツプロジェクト事業経費2.39億円(全額国費、例年のイベント)、ひとり親世帯臨時特別給付金支給経費1.6億円(全額国費)、池袋中学校用地整備事業経費1.99億円(1.79億円が特定財源)、マイナンバー関連経費0.65億円(全額国費)、新型コロナPCR検査センター経費0.93億円(50%が特定、50%が一般財源)など。国民健康保険事業会計への繰出し金は1.3億円減額補正。

その他、減額補正がされた事業が大きく8つあり、更に2.39億円の財源をねん出しています。

 

第3号補正予算は、1.29億円。区独自の支援策について。全額一般財源であり、財政調整基金を取り崩しています。

・障害者(児)福祉サービス事業者特別支援金支給経費…0.26億円

障害福祉サービス提供事業者に対し、1事業者あたり10万円を支給する区独自の支援策(対象は区内260事業者)

・介護サービス事業者特別支援金支給経費…0.35億円

介護サービス事業者に対し、1事業者あたり10万円を支給する区独自の支援策(対象は区内350事業者)

・ひとり親世帯緊急支援給付金支給経費…0.68億円

ひとり親世帯への国の支援金に対する上乗せ支給。

私からいくつか確認をしました。

Q:補正予算の基本的な編成に対する考え方は

A:必要なコロナ対策を行う。コロナがいつ収束するか読めない中、減収にも耐えられるよう財政調整基金を確保。その上で、事業の優先度などを勘案し、遅らせることができる事業は遅らせた。
 

Q:施設が休館した場合の指定管理費の考え方は
A:一括りには言えず、詰めているところ。スポーツ施設などは雇用維持を求めている。

施設が休館になっても雇用維持に努めている事業者がいるため、個別の事情を踏まえ話を進めて欲しい。
 

Q:いわゆる"夜の街"へのPCR検査や協力金の話しが出ている。なぜ"夜の街"へ予算措置をするのか、疑問の声も聞かれる。目的は、"夜の街"から別の業態の方々に感染拡大するのを防ぐためであるはず。そもそもの目的も併せて発信すべきではないか。目的を確認する。

A:クラスターがホストクラブで発生し、現状把握が必要。特定されたところを絞ってやるということ。

20代、30代が感染者の多くを占めている。ホストクラブなどから広がらないようにしていくためのもの。

Q:昨日発表された東京都の補正予算に、この事業の予算が含まれている。今回の区の補正予算には計上されていないが、本区の予算にはいつ計上するのか

A:区の予備費で実施する方向で考えている(都の補正予算が成立後、財源更生の区の補正予算が後日組まれるものと思います)

 

Q:「学校と家庭の連携推進事業経費」が計上されている。どのような事業か

A:家庭と子供の支援員の配置などを行い、学校を拠点とした家庭教育の支援の取組みを行うもの

当初の事業目的には無かったと思うが、この事業はICT化を進めながら行って頂きたい。7月下旬に一人一台のタブレットPCの配布予定で進めている。このような事業と組み合わせて、第2波、第3波に備えて欲しい。

 

第3号補正の内容は、先日の一般質問でも取り上げた内容が含まれます。

 

いずれの補正予算についても、全会派一致で可決しました。


【15 2陳情第11号 収奪臓器移植禁止法を制定するよう国に意見書を提出するよう求める陳情】
区へ質問したところ、国会の外交部会で質疑されたことがある。イギリスの民衆法廷で扱われた件は、民間の事で日本政府としては答える立場にない。収奪臓器の問題は国として情報収集していくというもの。

 

収奪臓器が移植されているという問題があれば由々しきことですが、現時点で基礎自治体として情報を得られる状況ではなく、法制定を国へ求める段階にありません。

私たちの会派は不採択と判断。

全会派一致で不採択となりました。


【16 2陳情第12号 拉致被害者奪還のための朝鮮総連に対する制裁を行うよう国と東京都に意見書を提出するよう求める陳情】

北朝鮮による拉致問題は一刻も早く解決すべき問題です。

拉致被害者のご家族のご見解通り、この件については安倍政権は努力を重ね続けていると思います。

この立場が原則ですが、今回の陳情は朝鮮総連に対する徹底的な制裁を求めるものです。

拉致問題の解決に向けた手段の一つに制裁というカードはありますが、それ自体が目的となることは殆ど意味がありません。

従って、この陳情の趣旨には沿えないと判断。

全会派一致で不採択となりました。

 

参考:政府 拉致問題対策本部HP「北朝鮮による日本人拉致問題

 

【10 2陳情第14号 基礎的財政収支黒字化目標の撤廃を求める陳情】
【11 2陳情第15号 インフレ率2%を達成するまで消費税凍結を求める陳情】
【13 2陳情第17号 安藤提言を早急に実行するよう求める陳情】
陳情第14、15、17号は一括審議。

 

少なくとも基礎自治体においては、地方消費税による歳入は重要な財源となります。

別の歳入の手段がなく、消費税の廃止や減税を求めることは難しいです。

全体的な財源構成などは国で議論されるべき問題です。

 

消費税には他にも問題があり、東京都においては不合理な税制改正のもと、本来東京に来るべき財源が国に召し上げられている状況があります。

東京の大都市特有の財政需要を十分に考慮されていないことには納得がいきません。

⇒東京都HP「国の不合理な措置に対する東京都の主張について 地方消費税の清算基準の見直しに向けた反論

⇒特別区長会HP「不合理な税制改正に対する特別区の主張

 

財務省の主張には問題があるものもあります。

委員会の資料として「『日本の財政関係資料(令和元年10月)』財務省」が示されましたが、国債残高が多額に上ることは強調されているものの、日本が世界最大の債権国であることなどは触れられていません。

⇒参考:財務省「外国格付け会社宛意見書要旨

 

今回の陳情内容は、基礎自治体としては対応が難しい内容です。

私たちの会派は3議案とも不採択と判断。

全会派一致で不採択という結論となりました。

 
 

 

なお、本区では以前まで「貯金と借金」という表現で、財政調整基金(貯金)と特別区債残高(借金)のみの比較しかしていませんでした。このことを私が委員会で指摘し、現在では区民向けの解説資料「としまのお財布」10~11頁に資産と負債についても載せてもらっています。

 

【12 2陳情第16号 自衛隊の自然災害に対する災害対応能力の向上を求める意見書を国に対して提出についての陳情】
自然災害への対応能力を向上させるため、陸上自衛隊衛生科を単独部隊として師団規模に格上げすることを求める陳情でした。

本区の今浦危機管理監は元陸上自衛隊陸将補という経歴の持ち主です。

今浦危機管理監によると、師団や旅団ごとに衛生隊が1個隊配備され、自己完結の組織として機能しているとのこと。

衛生隊のみの別部隊を構成する意味はないとの見解。

 

衛生隊の師団を構成する必要はないと確認できたため、陳情は不採択とすべきと判断。

全会派一致で不採択となりました。

 

【報告1 要町保育園全面改修工事請負契約について】

表記の工事請負契約についての報告がありました。

工事場所:豊島区要町3-17-11(工期は3年2/26迄)

落札者:酒井建設㈱

契約金額:約1.5億円

スケルトンにしての改修工事です。


【報告2 清和小学校校庭改修工事請負契約について】

表記の工事契約についての報告がありました。

落札者:㈱スポーツ建設

契約金額:約1.29億円

 

清和小学校の校庭改修工事、ゴムチップ舗装とします。

清和小は天然芝の校庭でしたが、うまく芝が根付かない問題を抱え続けていました。

長崎小学校も同じ天然芝の校庭ですが、うまく根付いています。この違いは、校庭の面積と児童数の割合の関連性がありそうだ、という担当部署の見解。

今年は清和小の校庭を補修し、来年は同じく天然芝がうまく根付かなかった南池袋小の校庭を補修する予定です。

 

補助金を受けて整備したこともあり、一定年数を経過しないと補助金の返還対象となるという課題もありました。

これについては、清和小は耐用年数が消化できていなかった箇所があるため、130万円程度の返還が生じたとの事(当時は7400万円の補助を受けた)

南池袋小も清和小と同時期に整備。今後都と協議しますが、若干の返還額が生じそうな見通しとの事。

この返還額については、整備に必要な費用として割り切るしかないと私は考えます。

 

本定例会の総務委員会の審議は以上です。