12/18、豊島区危機管理フォーラム2019に出席しました。

副題は「テロ・災害に遭遇した時、生き残るための行動」

 

◆基調講演①

「爆発物テロ・災害と医療対応~ターニケットによる止血~」

杏林大学医学部教授・高度救命救急センター長 医学博士 山口芳裕氏

 

テロの現状、爆発物による外傷の特徴、止血の重要性などを数値や写真など交えてご説明頂きました。

・米軍では戦争時の四肢からの失血死が、止血帯(ターニケット)が一般部隊へ支給されて以降は約85%も減少した

・爆発テロが起きた際には、ダーティーボム(放射能)の可能性も考えねばならない。放射線のチェックも行うのが世界標準。

・爆発テロは2回爆破される場合も多い。まずは身を守ること。RUN(逃げる)、HIDE(隠れる)、TELL(通報)

 

◆パネルディスカッション

「池袋を焼き尽くす放火テロの恐怖~放火テロからのサバイバル~」

軍事・情報戦略研究所 所長 西村金一氏

株式会社FA-MAS 代表取締役 神山クロスディ氏

豊島区危機管理監 今浦勇紀氏

 

本区の特徴として、

・人口の10%が外国人である。知らない外国人がいることに慣れている区であると言える。

・池袋は一日当たり260万人の乗降客数がいて、多くの来街者がサンシャイン60通りなどに訪れる。

 

テロの想定

・日本では放火テロの可能性があり得る。

・厳しい警戒化ではなく、警備の強化前などを狙うだろう。毎年ラマダンの時期(来年は4/23~5/23)にテロが行われやすいという指摘も。

・放火テロの特徴は、ガソリンを撒かれたところなどへ一気に広がること。面の被害。爆弾テロは点の被害。

・入国してから5日間で準備が可能だろう。入国時点ではブラックリストにでも載っていない限り侵入を防げない。

 

テロの兆候は

・テロリストも事前研究を行い、偵察も行う。普段と違う服装の人など、違和感があったら警戒をすることが大事。

・ガソリン購入の制限も行われる。外国人が沢山ガソリンを購入していたら”おかしい”と思うこと。

 

blogには書きませんが当日はかなり具体的な想定のお話しを頂きました。

テロに対する備えも出来ることはやっておく必要があります。

 

神山氏からは、テロリストはどんどんアナログ化している、という指摘がありました。

防御網(顔認証、携帯傍受)などを突破してくるとの事。ゴミ箱に手紙を投げ入れて、その手紙でコンタクトをとるなど。

 

今浦危機管理監は、地域コミュニティが強ければテロは活動できない、と仰っています。

外国人住民が孤立しないよう、地域で受けいれていくことが治安の向上にもつながります。

 

当日は更に講演等がありましたが、私は別件があり、パネルディスカッションまでしか伺えませんでした。

テロ対策のプロによる具体的なご講義は大変参考になりました。

テロが起きない前提でいるのではなく、ある程度想定して備えられることは備えておく、ということが必要だということが分かりました。