11/20、巣鴨地蔵通り内に事務所を構える「楽の会リーラ」に伺い、引きこもり対策の現状についてなど視察と勉強会を行いました。

都民ファーストの会基礎自治体連絡協議会の有志に加え、豊島区の所属会派も合同で実施。

楽の会リーラが巣鴨へ拠点を移して7年、カフェを始めて6年とのこと。

 

巣鴨地蔵通りは無電柱化の工事を行っている最中。また、白山通り(中山道)の道路拡幅工事へ向けての工事も進められています。

巣鴨駅側の歩道橋は年度内に撤去され、新たに横断歩道が出来る予定です。

 

まずは、当時者や家族などの居場所となっているコミュニティカフェ「葵鳥」(あおどり)を訪問。

 

 

この日は当事者の方々が多く集まっておられました。

 

その後は巣鴨地蔵通り内にある地域文化創造館「待夢」へ移動して勉強会。

講師は、

市川乙充氏(NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会東東京支部長・NPO法人楽の会リーラ 事務局長など)

上田理香氏(NPO法人KHJ全国ひきこもり家族会連合会本部事務局長・家族相談士・KHJ認定ピアサポーターなど)

 

<ひきこもりについて>

・"ひきこもり"は厚労省の定義にあり(原則的には6か月以上にわたって概ね家庭にとどまり続けている状態など)。

これよりももう少し広い概念で"ひきこもり状態"(家族以外の第三者との人間関係が構築できない状態が数か月以上継続。断続的に繰り返す事もある。1次的に発達障害などを抱えている場合や、いじめなどにより自身の命を守るために引きこもっているケースもある)を含めた支援が必要。

・ひきこもり状態では、家族(特に親)に対する不信感、社会に対する不信感などが要因となることが多い。

・甘え、怠け、親の育て方が悪い、などの捉え方は間違い。誰にでも起こり得ることという捉え方が必要。

ひきこもった事による社会的な孤立が問題となる。介護をしているうちにひきこもりになる人もいる。

・ひきこもり状態への支援で、就労は生きるための選択肢の一つという捉え方。就労しなければならない、ではない。また、就労がゴールの訳でもない(就労後も大変。その後も居場所が必要)。

 

<80-50問題>

・ひきこもりの実態調査から、80-50問題への予兆が見える。54.1万人の39歳以下の若者問題から、40~64歳で61.3万人と言われる中高年問題への取組みが重要になっている。

・80-50になると、親を子が支配してしまう場合もある。親への虐待など。親が認知症になっても、(ひきこもりの)子が気づかないなど。

・80-50をきっかけに良い方向へ進む人もいる。親の介護が必要になる、親が病気になる、などがあると自立のきっかけにつながるケースも。豊中市の社協では「助けてあげる」ではなく「あなたの力を貸して欲しい」というスタンス。

ひきこもりの本人を支援する、は当事者のプレッシャー。親への支援は受け入れやすい。

 

<家族との関係>

・親子の関係が良好な場合は親への支援ができるが、親子が緊張関係にある場合は難しい。親への支援をしている人に対し、自分に対する敵対行為と捉える場合がある("見守り"ではなく"見張り"と捉える)。情報のアウトリーチという考え方がある。ポスティングで情報を投函、かつ宛名を入れない(特別視されるのを嫌がるため)、という方法。

・家族も追い込まれていくもの。世間での偏見をなくしていき、寛容に受け止めることが大切。相談できる窓口、居場所が必要。

・ひきこもりの本人は相談窓口へ出向かない。従って家族が相談に出向くケースが多い。

医者に行くと問診ではなく尋問のような質問をされることがあり、ひきこもりの人にとっては厳しい、辛い、傷つくなどの状態になってその後相談できない状態になることもある。

 

<その他>

・地域家族会を立ち上げているところ。都内では現時点で18カ所、年内に更に7ヶ所立ち上げ見込み。将来的には都内で50ケ所以上立ち上げたい。自発的に立ち上げている組織で、原則はボランティア、手弁当で運営。

・厚労省の有識者会議であった「断らない相談支援」は必要。

 

東京都は今年度から、ひきこもりの担当部署を青少年の部門から福祉保健局へ移管しました。

これは市川事務局長によると、小池都知事の英断であり、これまででは考えられなかったことであるとのこと。

ひきこもりが青少年特有の問題ではなく、中高年にも起きる問題だという認識で捉える必要があります。

 

他にも具体的やご要望や提言なども頂きました。
ひきこもりに関する課題について、まだ足りていないことが多くあることに気づかされました。

今後の議会での提言に活かしいていきます。

 

「都民ファーストの会 基礎自治体連絡協議会」の有志

 

所属会派「都民ファーストの会豊島区議団・民主の会」(この日は7名中5名で参加)