視察報告の続きです。

2日目の8/27は、長野県長野市と富山県南砺市の視察。

 

◆長野市視察

「オリンピック開催及びオリンピックレガシーの活用について」

五輪開催時はフィギュア、ショートトラック会場だった「ホワイトリング」内で視察を受け入れて頂きました。

現在は総合スポーツアリーナへ衣替えし、ハード面でのレガシーの一つとなっています。

ホワイトリング(長野市真島総合スポーツアリーナ)

http://www.wr-nagano.jp/

 

・オリンピック(1998年)、パラリンピック(1998年)、スペシャルオリンピックス(2005年)の3つを開催した唯一の都市である。

 

・五輪のレガシーは大きく3つに分けられる。

①ハード、②ソフト、③ヒューマン

①ハードは、エムウェーブ、ビッグハット、ホワイトリングなどの競技場、道路などのインフラ。取り分け、長野新幹線がミニ新幹線ではなくフル規格となったのは五輪の効果であり、大きな財産。

②ソフトは、今も続くメモリアルイベント、スポーツ振興など。

子供たちの参加では「一校一国運動」。これは長野五輪発祥と言われる。全ての学校ではないが、現在も国際交流が続いている学校もある。

パラリンピック開催による障害者への理解促進も大きく進んだ。

③ヒューマンは、スポーツボランティア団体(エムウェーブ友の会など)など。

何よりも五輪開催地としての長野市民の意識、自負心向上が大きい。

 

・当時はパラリンピックに対する意識は今と比べると高くなかった。

その中でも当時で出来ることをやっていた。施設はハートビル法に基づいたもの。

障害者スポーツへの対応や理解促進は、パラリンピックを行ってすぐに浸透できたわけではなく、開催を機として徐々に進んでいったというもの。

文科省と厚労省の対応ではなく、スポーツ庁として一括して行うようになったのも大きいのでは。

当時は障害者対応を民間の施設等に要請して協力を仰ぐということは、少なくとも印象としては大きく持っていない。どちらかというと外国人対応について要請をしていた。

 

事前に長野オリパラから20年を経ての市民への意識調査の報告書を拝読しました。

それによると、大会開催やハード面のレガシーについて肯定的に捉えている結果が出ています。

一方でソフト面では、一校一国運動については認知度が高いものの、その他の文化・芸術祭プログラムは殆ど記憶に残っていません。

本区に競技会場などはないため、東京2020大会との関わりは、ライブサイト(パブリックビューイング)、文化プログラム、ホストタウン(バングラデシュ、セントルシア)などです。

本区でレガシーとなる直接のハード面の整備はありませんが、ソフト、ヒューマンでのレガシーが残せるようにしていきたいです。

 

ホワイトリング内の施設見学もさせて頂きました。

 

◆富山県南砺市視察

南砺市では、

・クリエイタープラザ「桜クリエ」

・コンテンツツーリズム

の視察を行いました。

南砺市にはアニメ制作会社「P.A.WORKS」があり、市と連携した取り組みも行われています。

 

まずはクリエイタープラザ「桜クリエ」の視察。

コワーキングスペース、スタジオ、ショップ、カフェなどの複合施設。

 

コワーキングスペース。

フリーアドレスのデスクの他、オフィスとして個室に入居している会社もあります。

隙間時間に作業をしたいという利用希望者からのニーズに応えるため、時間貸しにも対応する検討中。

 

カフェ。アニメとのコラボもあり。

ショップも併設。「P.A.WORKS」のアニメグッズも取り扱い。

 

高速道路のサービスエリアのスマートインターチェンジが実験的に行われていたが、現在は実験期間が終了。スマートICからは近接しているため、利便性がとても高かった。市としても本格的に開設したいという意向があるとのこと。

高速道路の出入り口から近ければ、確かに相当利便性は高い施設になると思われます。

 

アニメの舞台になった「桜ヶ池」にも隣接。

いわゆる「聖地巡礼」で訪れるファンは多く、カフェやショップに立ち寄るそうです。

 

南砺市は「P.A.WORKS」との協働で、コンテンツツーリズムにも取組んでいます。

アプリ「恋旅」を利用して、アニメキャラとの写真を撮影することが可能。

オリジナルアニメの全編視聴は現地を訪れてダウンロードしないと出来ません。

アプリをリリースして数年経つため、利用者が減っているとのこと。

こういった取り組みはリピーターに利用してもらえるよう、新たなサービスを加えていくようにせねばならないようです。

 

南砺市の取組みを参考に、本区でも面白い仕掛けが出来るのではないかと思います。

会派で考えていきたいです。

 

<参考>

南砺市のコンテンツツーリズム関係の取組み

▶H29.10/10「アニメとリアルを結ぶ未来志向の姉妹都市提携で目指す新たなまちづくり」南砺市HP

https://www.city.nanto.toyama.jp/cms-sypher/www/info/detail.jsp?id=18698

アニメ「サクラクエスト」の舞台となった架空都市「間野山市」(南砺市がモデル)との姉妹都市提携をするというユニークな取組み。

 

▶恋旅 https://www.koitabi-nanto.jp/

https://yomimono.seikyusha.co.jp/jigenbukaron/jigenbunkaron07.html

 

※8/30(金)16:20 オリンピックの記事で一部事実誤認があったために訂正いたしました。

正確な表記でなく失礼いたしました。