6/27、令和元年度スクールガード養成講習会に参加しました。

スクールガード養成講習会は子供たちの安全安心をテーマとした講習会で、区立小学校PTAを対象に区が主催して実施されています。

⇒区HP「平成30年度スクールガード養成講習会

 

今年度の講師と演題は以下の通りでした。

講師:宮田美恵子氏(順天堂大学医学部研究員、日本こどもの安全教育総合研究所理事長)

演題:学校や地域における子どもの犯罪被害防止

 

・池田小の事件(2001年)をきっかけに学校への外部侵入者の対応が進み、学校保健安全法(2009年)の改正につながった。

この時に学校の門扉の施錠が進んだが事件から時間が経ったということもあり、運搬業者の出入りや来校者への対応のために施錠が徹底されていないケースがある。

⇒この件、今回の私の一般質問で取り上げました。

私の指摘により区内小中学校の現状を調査。

防犯カメラは全校に配置されていますが、門扉の自動施錠は約6割の学校。その他は手動の施錠、1校が南京錠。

運用面で施錠が徹底されていないケースも確認されています。

今後、全ての学校で自動施錠の門扉へ転換するという回答を引き出しています。

 

・犯罪の認知件数は減少している。これは地域見守り活動などが地道に成果を挙げていると言えるのではないか。

(我が国は世界で屈指の犯罪が少ない国であることを何度も強調なさっておられました)

・できる人が(Man)、できる事を(Act)、できる時に(Time)、楽しみながら(Enjoy)、行う

M・A・T・E(メイト・仲間)を活動の理念にしている。

・犯罪発生の3条件

同じ時間、空間において、①犯意ある行為者、②相応しいターゲット、③監視者の不在、が揃うと起きやすくなる。

地域の方々の防犯、見回り活動は犯罪抑止に効果あり。

通学路で人の目が届きづらいところで子供が一人になってしまう場所はないか。

あれば沿道の方に登下校の時間に見守り活動をして頂けるよう協力を仰ぐことはできないか。

・ついでにできることで続ける。例えば、自転車に「防犯見守り活動中」などの掲示物を付けるなど。

この際も、デザインがかっこいい、掲示しやすいサイズにする、掲示しているとメリットがある、などがあると協力者が増えやすい。

・川崎市の殺傷事件は、これまでの対策とは別のステージになったと言える。

(悪意があり、自身もどうなってもよいという破滅的なタイプが行為者であるという意味合い)

保護者や教職員は子供の身の安全の確保をする専門家ではないため、攻撃を加えてくる人たちを防ぐというのは能力の範疇外。

犯罪に対する専門性の高い人の協力が必要。

現在東京で行われているのは、登校時に警官又は警官OBの見守り(期間限定)。

これを常態化できないだろうか。

・子供ができること。こども110番(の家)、防犯ブザーなどは、とっさの時には殆ど使用できていない現状。

危険が近づいて来たら逃げる、現場から離れる、周辺に伝える、という行動。

川崎市の事件では、不意を突かれた行為者の近くでは防げなかったが、少し遠くにいた子供たち10数名は近隣のコンビニへ逃げ込んだ。

 

川崎市の事件については、専門家でも有効な手立てをみつけることは難しい、と改めて認識しました。

短い時間でしたがこの件についてできることはないだろうか、というグループディスカッションの機会もありましたが、よい知恵が浮かびませんでした。

特効薬を見つけるのは難しいのだと思います。社会からの孤立する人を出来るだけなくしていく、という地域コミュニティの強化やアウトリーチなどを地道に進めていくこと。地域見守り活動などのソフト面、防犯カメラなどのハード整備は通常の犯罪の抑止力としては有効だと考えます。

宮田先生は、犯罪に対する専門性の高い警官や警官OBに協力をしてもらい、制服か制服に準じた服装で登下校の時間帯に見守りをする、ということを対策の一つに挙げておられました。

今後も有効な対策を模索していき、安全安心なまちづくりを進めていかねばなりません。

 

安全教育の専門家からのお話しを伺い、改めて子供たちの安全を守るための方策を考える良い機会を頂きました。