11/8、行財政改革調査特別委員会が行われました。

調査案件
1  ITを活用した業務の効率化について

【1  ITを活用した業務の効率化について】
1.実験概要
(1)実験期間 3か月(平成30年7月17日~ 8月16日:無償実験、平成30年8月27日~10月26日:有償実験) 
(2)使用ソフト WinActor(ウィンアクター)
(3)実験業務 
①例月運営費支出の起案作成(私立保育所グループ) 
②宿舎借上支援事業補助金支出の起案作成(私立保育所グループ)
③収支予定の入力(総務総括グループ)

2.実験結果
・①、②は人による作業とRPAでの作業の時間には違いがなかった。
③はRPAで大幅に時間を削減。
・①~③の単純作業を人がやらずに済む事が出来るようになる。
この作業時間を人がやらねばならない作業に当てる事が出来る。
またケアレスミスを防ぐ事が出来る。
・年間に換算すると、処理件数約5200件、人の作業で134時間、RPAの作業で約112.5時間の作業。これまでは職員6名が行なっていたので、一人当たり約22時間の時間削減が見込まれる。
・3ヶ月の実証実験で、1ヶ月は習熟期間で無償、2ヶ月で30万円の有償実験。使用料や講習会、シナリオ作成など。シナリオ作成が出来るフル機能版が80万円、シナリオ実行するのみは20万円/年。

◆新技術(RPA・AI)注目の背景
政府主導の働き方改革の推進にあわせ、業務の効率化等を行うためのツールとして、RPAやAIが注目されている。

▷RPA(ロボティク・プロセス・オートメーション)とは
ロボットによる業務自動化の取り組みを表す言葉で、「デジタルレイバー(Digital Labor)」や「仮想知的労働者」とも言い換えられる。
人間が行う業務の処理手順を操作画面上から登録しておくだけで、ソフトウェアやブラウザなどさまざまなアプリケーションを横断して処理ができる。
※ RPA はソフトウェアであり、「人型ロボット」等の実体はない。

▷AI(アーティフィシャル インテリジェンス / 人工知能)とは
人のような知的な情報処理を実現するソフトウェア(プログラム)で、着目すべき特徴を人が指定したうえで、大量のデータから知識やルールを抽出・学習して、課題に対して推論や回答などを行う「機械学習」や、機械学習を更に発展させ、指定をしなくても自動で学習し、精度の高い推論を行う「ディープラーニング(深層学習)」などの技術がある。

◆RPA等による業務自動化のメリット
・作業のスピードアップ
・人為的ミスの防止
・業務プロセスの改善
上記メリットにより業務効率化による働き方改革の推進

◆今後の進め方
まず特定業務で導入、効果が高い業務など。
次に導入できる業務の拡大を行い、最終的に全庁への拡大を検討。

◆他の委員からの主な質疑や意見など
・議会事務局での議事録作成は、AIの活用が出来るのでは(現状は音声認識ソフト)
・保育所での導入などは(→希望園には導入支援。既に8割以上。RPAは電子データが前提、手書きはAIの活用など)

◆私からの質疑
・RPAのプログラムを実行するためのシナリオ作成の時間が比較表で考慮されていないが、これを加えないと比較にならないのでは
→比較には加えていなかった。操作に慣れれば概ね2~3時間程度。③は30分程度。
・RPAのシナリオ自体が合っているかどうかの検証のプロセスは
→データを流し込む前にチェックをしていた。今回の比較ではそのプロセスの表記をしていなかった。
・これまでのようにシステムの外注であればシステムのエラーチェックなどは外注業社の責任だが、RPAを活用してシナリオ作成を自前でやるという事はこのエラーチェックも内部の責任となる。今回の実証実験では問題が起きてなくても、担当者任せだとシナリオ作成自体のミスが起きるかもしれない。このチェック体制を整備すべきだがいかがか。
→情報管理課も関わりながらミスがないようにしていく。

RPAを活用した業務の効率化、非常に良い方向だと思います。
答弁の中にも、例えば保育園の入所についてAIが選考した場合、選考のプロセスについて質問を受けても検証ができないというデメリットがあるとの事でした。これはAIによる採用試験などでも同様の問題が起きうると、マスコミ報道で聞いた事がある論点です。
RPAの場合は作業フローを追う事が出来るため、AIのような意思決定の不透明化は起きません。
全ての業務へ導入ありきで動く事が出来るものではないと考えていますが、有力な業務支援ツールとして活用が進む事を期待しております。

次回の委員会は、12/13(木)10時から行われます。