10/3、子ども文教委員会が行われました。

 

〈審査案件〉

1 30請願第5号 区立中学校における発達段階に応じた性教育のあり方の幅広い検討についての請願

2 30請願第6号 児童虐待防止のための施策についての請願

3 30陳情第6号 都において児童相談所・警察・学校などの連携・協力を進め、児童虐待防止対策の抜本強化・拡充するため意見書提出を求める陳情

4 30陳情第10号 家庭教育支援法の制定を求める意見書提出に関する陳情

 

〈報告案件〉

1 全国さくらサミットの開催について

2 トキワ荘関連施設整備寄附金について

3 長崎健康相談所・児童相談所複合施設の設置準備状況について

4 私立認可保育所の設置について

5 通学路緊急合同点検の実施について

6 区立小学校入学相談会・中学校入学説明会について

7 平成30年度 子どもスキップ運営協議会について

8 豊成小学校の別棟建設について

9 平成30年度全国学力調査及び豊島区独自の学力調査の結果につい

10 小・中学校教科用図書採択結果について

11 区民ひろば椎名町及び南長崎第四区民集会室の整備について

 

【1 30請願第5号 区立中学校における発達段階に応じた性教育のあり方の幅広い検討についての請願】

発達段階に応じた性教育のあり方の検討を求めるもので、富山市での産婦人科医等の専門家による出張授業を参考に挙げています。

 

冒頭、請願者より意見陳述がありました。

・虐待の根本原因は、親の心から余裕が奪われることであり、その一つが予期せぬ妊娠である。

・現在の性教育で自分の将来への想像が働く子がどれだけいるか。妊娠により、低所得、学校退学、体へのダメージ…など。

・妊婦になり始めて知ること、調べることが多くある。

 

請願者への質疑後、指導課長より中学校における性教育の説明がありました。

30.3/5 足立区の中学校で、学習指導要領上は高校で指導する内容が含まれた授業が行われた。

30.3/16 都議会文教委員会にて自民党議員から質問があり、都教委が実施された事実と保護者の理解を必ずしも十分得ないまま授業が実施されたことを答弁

30.4/26 都教委「中学校等における性教育への対応について」を公表

30.8/3 都教委が都内全公立中学校(624 校)を対象に、「性教育(中学校)の実施状況について」無記名の調査を行った。

30.9/13 都教委が上記の調査結果を公表⇒調査結果

 

都教委の見解やアンケート調査の結果は上記のリンク先をそれぞれご覧ください。

都教委では「性教育の手引き」の改訂に向けて作成委員会を開いています。

今後、都教委から新たな見解が出てくるものと思われます。

 

各委員から活発な質疑あり。

私からは足立区の中学校では何が問題になったのか、都教委の見解についてどのように解釈するか、などを確認しました。

 

全会一致で可決しました。

 

【2 30請願第6号 児童虐待防止のための施策についての請願】

児童虐待防止のため、乳児検診等の未受診者の保護者へ受診を促す事、それでも難しければ子供同席での面談訪問を行う事、などを求める請願です。

請願者の意見陳述あり。

明石市での例を参考に、子供本人に会う事に重きを置いた施策を展開して欲しいというもの。

 

豊島区では、乳幼児健診未受診児童への対応は、以下のフローで行っています。

①未受診児童に対し、保健師や助産師が電話、文書、家庭訪問により受診勧奨⇒

②子育て支援課(東部子ども家庭支援センター職員)による調査・訪問

子供の姿を見ることを重視しており、目視による確認をやっている。

診療報酬明細書(レセプト)による医療機関等受診確認による子が161人いる。これについては今後訪問により安全確認を検討。

現状で居住実態が不明な児童はいない。

また、別の施策ですが「こんにちは赤ちゃん」事業を行い、本区では面談をすることを重視しています。

 

明石市の子どもスマイル100%プロジェクトで、乳幼児健診未受診児童への対応は以下の通り

①未受診児には、子供と接点を持ち得る関係機関(保育所、医療機関、生活福祉課等)と連携し確認

②それでも会えない場合、保健師等による家庭訪問(夜間・休日も)。

③保健師が何度行っても不在の場合は、近隣の民生児童委員に訪問を依頼

④それでも会えない場合(29年度は1名)は、要対協担当職員による調査・訪問。入国管理局へ出国状況を確認する他、必要に応じて警察・児相と連携

ここまでで全ての子供の確認をすることが出来ている。制度上は児童手当の振込手続き停止も用意してあるが、実際に行った事例はない。

 

請願内容は、子供本人に出来るだけ会うことを重視し、乳児検診等未受診児童への対応を求めるものです。

全会派一致で可決しました。

 

【3 30陳情第6号 都において児童相談所・警察・学校などの連携・協力を進め、児童虐待防止対策の抜本強化・拡充するため意見書提出を求める陳情】

 

陳情内容:

・児童相談所と警察との間の虐待事案の全件・無条件共有

・児童相談所と学校・教育委員会による該当児童・生徒の虐待事案の全件共有

・各都道府県警察機関の把握する虐待事案の全件共有

などを求め、都へ意見書を提出することを求めるもの

 

陳情への見解

・前回定例会において、「子どもの命を守ることを最優先にした児童虐待防止対策を求める意見書」を区議会で賛成多数で可決。

全件共有をするかどうか含めて議論を行い、その文言は加えなかった。

・上記を踏まえ、不採択という見解に至った。

 

陳情の結論

・不採択

 

◆国の取組み

児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策(平成30年7月20日)

1 緊急的に講ずる対策

(1)転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底

(2)子供の安全確認ができない場合の対応の徹底

(3)児童相談所と警察の情報共有の強化

(4)子供の安全確保を最優先とした適切な一時保護や施設入所等の措置の実施、解除

(5)乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握の実施

(6)「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(新プラン)の策定

 

2 児童虐待防止対策のための総合対策

(1) 児童相談所・市町村の職員体制・専門性強化

(2) 児童虐待の早期発見・早期対応

(3) 児童相談所間・自治体間の情報共有の徹底

(4) 関係機関(警察・学校・病院等)間の連携強化

(5) 適切な司法関与の実施

(6) 保護された子どもの受け皿(里親・児童養護施設等)の充実・強化

 

◆都の取組み

1 児童相談体制の強化に向けた緊急対策(平成30年9/14)

(1)児童相談所の体制強化

(2)LINE相談の実施

(3)警視庁との情報共有範囲の拡大(30年9/7新協定締結) 

警視庁との協定を見直し、情報共有の範囲を拡大

・身体的虐待、ネグレクト、性的虐待のうち、支援継続中の事案

・48 時間以内に安全確認ができない事案

・都以外からケース移管された事案・都以外へケース移管した事案

(4)安全確認行動指針の策定

基準を「安全確認行動指針」として明確化。

通告後 48 時間以内に安全確認ができない場合、緊急安全確認会議を開催。

その後、原則、立入調査等を実施

(5)全庁一丸となった虐待防止対策の推進

 

2 東京都子供への虐待の防止等に関する条例(仮称)を策定の検討

 

◆区の取組み

児童虐待防止対策の取組

(1)要保護児童地域対策協議会での取組

(2)要保護児童地域対策協議会ネットワークの強化

(3)虐待対応の体制強化

・子どもの権利グループの体制強化

・専門職の確保

(4)警察署との連携強化

・区内警察署と東京都に準じた(仮)「児童虐待対応の連携強化に関する協定」の締結を検討

(5)その他の取組

・児童虐待防止街頭キャンペーン

・児童虐待防止区民講演会 など

 

【4 30陳情第10号 家庭教育支援法の制定を求める意見書提出に関する陳情】

家庭教育支援法の制定を求める意見書を、国会、政府に提出することを求める陳情です。

 

事前に色々と調べましたが、「家庭教育支援法」の条文が不明。

自民党の2017年総選挙の公約に同法の制定があるのですが、自民党のHPを探しても見つかりませんでした。

 

教育基本法第十条には「父母その他の保護者は、子の教育について第一義的責任を有するものであつて」とあり、豊島区基本計画、教育ビジョン2015にも家庭教育の重要性は謳われています。

家庭教育が重要なのは言うまでもなく、その支援が必要なのも当然です。

一方で家庭だけに教育を押し付けるのはおかしいです。

仕事など家庭の事情で子供の教育を家庭で十分に行えない場合だってあります。

家庭の役割は重要であると同時に、学校、地域、職場などの理解やサポート、連携が必要となります。

 

家庭教育への支援は当然必要ですが、法案の中身が分からない以上、同法の制定を求める意見書を出す事は出来ません。

従って、この陳情は不採択という判断をしました。

公明党、共産党、民主ネットも、法案の中身が分からず不採択として、委員会の結論は不採択となりました。

自民党のみは採択を主張、しかし理由は判然としませんでした。

法案の中身も分からないのにどのような意見書を提出するつもりなのか…

 

【報告1 全国さくらサミットの開催について】

本区が会場となる「第26回全国さくらサミット」の開催について、情報共有がありました。

10/6-7で、豊島区議会議場などで開催されます。

 

【報告2 トキワ荘関連施設整備寄附金について】

表記の報告あり。

9/14現在、425件66,366千円の寄附が集まっています。

7月から法人の寄附募集を強化したことで金額が増加。

寄附金の目標金額は当初1億円で設定していたが、新たな目標として施設整備費(9億円余り)の3割と上方修正。

 

寄附金についての詳細は区のHPへ⇒トキワ荘関連施設整備寄附金について

 

【報告3 長崎健康相談所・児童相談所複合施設の設置準備状況について】

7/12に行われた地域懇談会についてなどの報告がありました。

 

【報告4 私立認可保育所の設置について】

1 キッズガーデン西巣鴨
(1) 所在地
西巣鴨1-15(号未定・住居表示)(都電荒川線巣鴨新田駅徒歩7分)
(2) 延べ床面積
471.07m²
(3) 定員
73名(0歳児 6名、1歳児10名、2歳児12名、3~5歳児15名) 
(4) 運営事業者
株式会社 Kids Smile Project 
(5) 特別保育
延長保育1時間  
(6) 設置予定年月日
 平成31年4月

 

2 (仮称)大空と大地のなーさりぃ南大塚園Ⅱ
(1) 所在地
南大塚2-26-15南大塚ビル3階(丸の内線新大塚駅徒歩3分)
(2) 延べ床面積
499.78m²
(3) 定員
69名(0歳児 9名、1歳児10名、2歳児11名、3~5歳児13名) 
(4) 運営事業者
株式会社キッズコーポレーション
(5) 特別保育
延長保育1時間  
(6) 設置予定年月日
 平成31年4月

 

3(仮称)目白ひかり保育園
(1) 所在地
目白2-21(号未定・住居表示)(山手線目白駅徒歩2分)
(2) 延べ床面積
382.16m²
(3) 定員
60名(0歳児 6名、1歳児10名、2歳児~5歳児11名) 
(4) 運営事業者
社会福祉法人敬愛健伸会
(5) 特別保育
延長保育1時間  
(6) 設置予定年月日
 平成31年4月

 

4(仮称)キッズパートナー巣鴨
(1) 所在地
巣鴨1-36(号未定・住居表示)(山手線巣鴨駅徒歩5分)
(2) 延べ床面積
505.89m²
(3) 定員
90名(0歳児 6名、1歳児10名、2歳児17名、3~5歳児19名) 
(4) 運営事業者
ケアパートナー株式会社
(5) 特別保育
延長保育1時間  
(6) 設置予定年月日
 平成32年4月

 

◆第2回定例会の報告後に変更があった施設

(仮称)すきっぷ雑司が谷保育園
(1) 所在地
雑司が谷2-25(号未定・住居表示)(副都心線雑司が谷駅徒歩3分)
(2) 延べ床面積
354.57m²
(3) 定員
60名(0歳児 6名、1歳児10名、2歳児~5歳児11名) 
(4) 運営事業者
株式会社俊英館
(5) 特別保育
延長保育1時間  
(6) 設置予定年月日
 平成31年6月(前回報告時は31年4月)

 

【報告5 通学路緊急合同点検の実施について】

30年5月に新潟市で発生した小学女児児童殺害事件を受け、緊急合同点検を行いました。

対象は区立小学校全22校。実施期間は9/3~28。

参加者は、教育委員会及び区関係部署、警察関係、学校関係、子どもスキップ関係、保護者関係、地域関係など。

 

【報告6 区立小学校入学相談会・中学校入学説明会について】

表記の相談会・説明会を行った旨、報告がありました。

 

【報告7 平成30年度 子どもスキップ運営協議会について】

条例に基づいて運営協議会を設置し、開催した旨、報告がありました。

 

【報告8 豊成小学校の別棟建設について】

教室不足のため、学校敷地内に別棟を建設。

1階は子どもスキップ、2階は学校図書館になります。

屋上には行事の際の観覧席を設けられるようにする他、普段は子供たちが活動できるように検討するとのこと。

 

30年10月  保護者説明会

30年11月  工事説明会

31年1~9月  建設工事、校庭工事

31年10月頃~ 別棟利用開始

 

【報告9 平成30年度全国学力調査及び豊島区独自の学力調査の結果について】

表記の報告がありました。

内容は以下の教育だよりをご覧ください。

30年9月発行 教育だより豊島 臨時号
 

【報告10 小・中学校教科用図書採択結果について】

平成32年から新たな教科書になるため、今回は各教科書会社が新たな教科書を作成しなかった。

その為、今までの教科書を引き続き採用したとのこと。

中学校は特別の教科道徳の教科書を新たに採択。

 

【報告11 区民ひろば椎名町及び南長崎第四区民集会室の整備について】

区民ひろば椎名町を移転させ、区民集会室との複合施設として改築します。

平成32年度に解体工事(6か月)に着手し、その後本体工事(8か月)が行われます。

平成33年度途中に工事が完了する予定です。

 

現在区民ひろば椎名町は、南長崎幼稚園の2・3階にあります。

移転後は様々な活用の可能性を検討する、と区はしております。

 

以上で第3回定例会の子ども文教委員会の審議は終了しました。